保育園では、友達と一緒に楽しめる「集団遊び」が日々の保育に取り入れられています。
この記事では、保育園で取り入れやすい集団遊びを0〜5歳児まで年齢別に紹介します。室内・戸外で楽しめる遊びに加え、集団遊びのねらいや保育士が意識したいポイントについても解説します。
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保育園における集団遊びとは
集団遊びとは、複数の子どもが同じ遊びに参加し、友達や保育士と関わりながら楽しむ遊びのことです。例えば、鬼ごっこやフルーツバスケット、椅子取りゲーム、ボール遊びなどが代表的です。
ただし、必ずしも「クラス全員で同じルールに従って遊ぶこと」だけが集団遊びではありません。
特に乳児期は、まだ集団を意識して遊ぶ段階ではないため、保育士を仲立ちとして少人数で同じ歌や動きを楽しむことなども、友達との関わりを経験する大切な活動になります。
厚生労働省の「保育所保育指針」でも、低年齢では保育士の仲立ちのもとで少人数の子どもが同じ遊びを楽しみ、年齢が上がるにつれて協力や役割分担を伴う集団活動へ発展していくことが示されています。
保育園で集団遊びを取り入れるねらい
集団遊びには、主に次のようなねらいがあります。
友達と関わる楽しさを知る
集団遊びでは、同じ動きをしたり、追いかけたり、協力したりする中で、自然と友達との関わりが生まれます。
最初は保育士とのやり取りが中心だった子どもも、成長とともに「〇〇ちゃんと一緒にやりたい」「みんなでやると楽しい」と感じるように。こうした経験は、人と関わる力の基礎につながります。
ルールや約束を知る
「鬼にタッチされたら交代する」「順番を待つ」「合図があったらスタートする」など、集団遊びには簡単なルールがあります。
遊びを繰り返す中で、子どもたちは少しずつルールの意味を理解していきます。
ただし、ルールを守らせることそのものが目的にならないよう注意しましょう。まずは「みんなで楽しく遊ぶために約束がある」ということを、実体験を通して学べる環境をつくることが大切です。
協力する経験ができる
4〜5歳頃になると、友達と共通の目的を持った遊びも楽しめるようになります。
例えば、チームでリレーをしたり、大きな作品を一緒につくったりすることで、「自分一人ではできないことも、友達と一緒ならできる」という経験につながります。
保育所保育指針でも、3歳以上児の保育では、友達と工夫したり協力したりして活動する楽しさを味わうことが示されています。
自分の気持ちを調整する経験になる
集団遊びでは、思い通りにならない場面もあります。
「鬼になりたくない」「負けて悔しい」「自分が先にやりたかった」など、さまざまな感情を経験するでしょう。
保育士に気持ちを受け止めてもらいながら、相手の思いに気付いたり折り合いを付けたりする経験も、集団遊びの大切な意味の一つです。
【0歳児】保育園でおすすめの集団遊び
0歳児は、友達同士でルールのある遊びをする時期ではありません。
保育士との安定した関係を土台に、「同じ空間で一緒に楽しむ」経験をつくることを意識しましょう。
ふれあい遊び
歌に合わせて、手足やお腹などに優しく触れて遊びます。
保育士と1対1で行うだけでなく、数人で輪になって同じ歌を楽しむことで、周囲の子どもの存在にも自然と触れられます。
いっぽんばしこちょこちょ:赤ちゃんの腕や手のひらを指で指しながら「一本橋こちょこちょ」と登っていき、最後は脇や首元をこちょこちょとくすぐります。
きゅうりができた:塩もみや千切りなどの手や指の動きに合わせて、赤ちゃんの背中や腕を優しくマッサージするように触れ合います。
いないいないばあ
保育士が布や手で顔を隠し、「いないいないばあ」と顔を見せます。
数人の子どもと一緒に楽しめば、友達が笑った声に反応するなど、周囲への興味につながります。
音楽に合わせた体遊び
歌に合わせて体を揺らしたり、手を動かしたりします。
子どもの発達に合わせ、無理に同じ動きをさせるのではなく、音やリズムを一緒に楽しめれば十分です。
- あたま・かた・ひざ・ポン
- バスにのって
- ラララぞうきん
【1歳児】保育園でおすすめの集団遊び
1歳頃になると、周囲の子どもに興味を示し、友達の動きをまねする姿も増えてきます。
まだ「みんなで同じルールを守る」ことは難しいため、模倣や繰り返しを楽しめる遊びがおすすめです。
動物まねっこ遊び
保育士が「うさぎさんになってみよう!」などと声をかけ、ジャンプしたり四つんばいになったりして遊びます。
友達の動きを見ながらまねすることも楽しめます。
むっくりくまさん
子どもたちが簡単な歌に合わせて歩き、最後にくま役が起きて追いかける遊びです。
1歳児では細かなルールを設けず、保育士がくま役となり、追いかけっこの雰囲気を楽しむ程度から始めるとよいでしょう。
みんなでお散歩ごっこ
保育室の中を電車のようにつながったり、保育士について歩いたりします。
歩くこと自体を楽しめる年齢なので、「みんなで同じ方向に進む」という簡単な集団活動として取り入れられます。
【2歳児】保育園でおすすめの集団遊び
2歳頃になると友達への関心がさらに高まり、簡単なやり取りも楽しめるようになります。
ルールは一つ程度に絞り、繰り返し遊ぶのがおすすめです。
しっぽ取り
ズボンの後ろにタオルやひもを挟み、保育士や友達が追いかけます。
2歳児では勝敗を強く意識させず、「取れた」「逃げられた」というやり取りを楽しむことを中心にしましょう。
色探しゲーム
保育士が「赤いものを探してみよう!」と声をかけ、保育室の中から指定された色を探します。
全員が同じ場所を探す必要がないため、集団遊びに慣れていない子も参加しやすいでしょう。
まねっこゲーム
「先生と同じポーズをしてみよう」と声をかけ、手を上げたりしゃがんだりします。
慣れてきたら子どもが前に出て、ほかの子がまねする形に発展させても楽しめます。
【3歳児】保育園でおすすめの集団遊び
3歳児頃から、簡単なルールを理解しながら友達と遊ぶ姿が増えてきます。
勝ち負けがある遊びを取り入れる場合は、結果よりも「みんなで遊ぶ楽しさ」を味わえるよう援助しましょう。
フルーツバスケット
子どもたちを「りんご」「みかん」「ぶどう」などのグループに分けます。
鬼が果物の名前を言ったら、その果物の子どもが席を移動します。
最初は保育士が一緒に参加し、席を移動するタイミングを分かりやすく示すとよいでしょう。
だるまさんがころんだ
鬼が「だるまさんがころんだ」と言っている間に進み、振り向いたら止まります。
「動く・止まる」という分かりやすいルールなので、3歳児でも比較的取り組みやすい遊びです。
宝探し
保育室や園庭にカードなどを隠し、みんなで探します。
勝敗をつけず、「全部見つけられるかな?」とクラス全体の目標にすれば、協力する楽しさも味わえます。
椅子取りゲーム
音楽が止まったら椅子に座る遊びです。
一般的には座れなかった子が抜けていきますが、保育園では「誰かが座れなくなったら終了」など、脱落者をつくらないルールにアレンジしてもよいでしょう。
【4歳児】保育園でおすすめの集団遊び
4歳頃になると、友達と相談したり、簡単な作戦を考えたりする姿も見られるようになります。
少し複雑なルールを取り入れたり、チームで協力したりする遊びがおすすめです。
なんでもバスケット
フルーツバスケットを発展させた遊びです。
鬼が「朝パンを食べた人」「赤い服を着ている人」など条件を言い、当てはまる子が席を移動します。
自分が条件に当てはまるか考える力も必要になるため、4〜5歳児に向いています。
氷鬼
鬼にタッチされたら「氷」になってその場で止まり、仲間にタッチしてもらうと再び動ける鬼ごっこです。
友達を助けるという要素があるため、通常の鬼ごっことは違った楽しさがあります。
ボール運びリレー
2人1組になり、タオルや新聞紙などの上にボールを乗せて運びます。
一人だけ速く進んでもボールが落ちてしまうため、相手の動きを見ながら協力する必要があります。
じゃんけん列車
音楽に合わせて歩き、出会った友達とじゃんけんします。
負けた子が勝った子の後ろにつながり、最後は大きな列車になります。
勝敗がありながら、負けた後も遊びに参加し続けられる点も取り入れやすいポイントです。
【5歳児】保育園でおすすめの集団遊び
5歳児になると、ルールを理解するだけでなく、友達同士で相談したり、自分たちで遊び方を工夫したりする姿も増えてきます。
保育士がすべてを決めるのではなく、子どもたち自身に考えてもらうことも大切です。
ドッジボール
チームに分かれてボールを投げ合います。
投げる・取る・逃げるといったさまざまな動きを楽しめるほか、仲間との協力も必要になります。
最初は柔らかいボールを使う、コートを小さくするなど、発達や経験に合わせて調整しましょう。
リレー
チームで順番に走り、バトンをつなぎます。
「自分の番を頑張る」だけでなく、友達を応援したり、チームで喜びを共有したりできる遊びです。
震源地ゲーム
一人の「探偵」を決め、別の場所で待ってもらいます。
残った子どもたちの中から「震源地」を一人決め、震源地の子が手拍子やポーズなどの動きを変えます。
ほかの子どもはその動きをまねし、探偵は誰が震源地なのかを当てます。
周囲をよく観察する力が必要になるため、5歳児におすすめです。
猛獣狩りに行こうよ
「猛獣狩りに行こうよ」という掛け声と動きを楽しんだ後、保育士が「ライオン」など動物の名前を言います。
文字数と同じ人数でグループをつくる遊びです。
数を理解しながら友達に声をかける必要があり、クラス全体で盛り上がれます。
チーム対抗宝探し
チームごとに宝を探したり、ヒントを解いたりします。
5歳児では単に隠された物を探すだけでなく、「赤い滑り台の近く」「時計が見える場所」など簡単なヒントを用意すると、相談しながら取り組めます。
室内でできる集団遊び一覧
雨の日や暑い日など、園庭で遊べない日に使いやすい集団遊びには、次のようなものがあります。
| 遊び | おすすめ年齢 | 特徴 |
|---|---|---|
| まねっこゲーム | 1歳頃〜 | 準備なしでできる |
| 色探しゲーム | 2歳頃〜 | 室内を探索できる |
| フルーツバスケット | 3歳頃〜 | ルール理解につながる |
| 椅子取りゲーム | 3歳頃〜 | 音楽と動きを楽しめる |
| なんでもバスケット | 4歳頃〜 | 考える要素を加えられる |
| じゃんけん列車 | 4歳頃〜 | 大人数でも行いやすい |
| 震源地ゲーム | 5歳頃〜 | 観察力を使う |
走る遊びを室内で行う場合は、机や椅子などを移動し、十分なスペースを確保しましょう。
戸外でできる集団遊び一覧
園庭など広い場所では、体を大きく動かす遊びを取り入れやすくなります。
| 遊び | おすすめ年齢 | 特徴 |
|---|---|---|
| むっくりくまさん | 1〜2歳頃〜 | 追いかけっこを楽しめる |
| しっぽ取り | 2歳頃〜 | 走る楽しさを味わえる |
| だるまさんがころんだ | 3歳頃〜 | 動く・止まるを楽しめる |
| 氷鬼 | 4歳頃〜 | 仲間を助ける要素がある |
| ボール運びリレー | 4歳頃〜 | 協力する経験になる |
| ドッジボール | 5歳頃〜 | 全身を使って楽しめる |
| リレー | 5歳頃〜 | チームで協力できる |
集団遊びを行うときに保育士が意識したいポイント
年齢だけでなく子どもの発達に合わせる
「3歳児だからフルーツバスケットができる」とは限りません。
同じ年齢でも、言葉の理解や運動能力、人との関わり方には個人差があります。
クラス全体の様子を見ながら、ルールを簡単にしたり、少人数から始めたりしましょう。
最初から複雑なルールを設定しない
集団遊びを初めて行うときは、できるだけルールをシンプルにします。
例えば鬼ごっこなら、
「鬼にタッチされたら終わり」
↓
「タッチされたら鬼を交代する」
↓
「仲間に助けてもらえる」
というように、慣れてからルールを加えていくと理解しやすくなります。
勝ち負けだけを目的にしない
集団遊びでは、勝って喜んだり、負けて悔しがったりする経験も大切です。
そのため、「競争は避けたほうがよい」というわけではありません。
一方で、毎回同じ子が勝ったり、負けた子が責められたりすると、遊びそのものを嫌いになってしまうこともあります。
「最後まで走れたね」「友達を応援していたね」「みんなで作戦を考えられたね」など、結果だけでなく遊びの過程にも目を向けて声をかけましょう。
参加したくない子に無理強いしない
集団遊びを好む子もいれば、大人数の活動を苦手とする子もいます。
参加したがらない場合に、「みんなやっているから」と無理に参加させる必要はありません。最初は保育士と一緒に見学したり、一部分だけ参加したりする方法もあります。
「見るだけ」「保育士の隣で参加する」「道具を渡す係をする」など、参加の仕方に選択肢を持たせることが大切です。
子ども同士のトラブルをすぐに解決しすぎない
集団遊びでは、「ずるした」「先にタッチした」「私も鬼をやりたい」といったトラブルも起こります。
危険がなければ、保育士がすぐに答えを出すのではなく、「どうしたらみんなで遊べるかな?」と問いかける方法もあります。
年齢が上がるにつれ、子どもたち自身でルールを考えたり折り合いを付けたりする経験につなげていきましょう。
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集団遊びがうまくいかないときはどうする?
集団遊びを始めても、思ったように進まないことがあります。
しかし、それは必ずしも失敗ではありません。
ルールを理解できず違う動きをする、鬼になりたくなくて泣く、勝ち負けでけんかになる、遊びの途中で別の遊びを始めるといった姿も、子どもの発達を知る材料になります。
「このクラスにはまだルールが多かったかもしれない」「競争より協力する遊びのほうが楽しめそう」「10人では難しいけれど5人ならできそう」など、子どもの反応を見ながら遊び方を調整しましょう。
それぞれの子どもが、自分なりの方法で友達や保育士と関わりながら楽しめているかを見ることが大切です。
集団遊びのレパートリーを園全体で共有するのもおすすめ
集団遊びは、保育士個人の経験によってレパートリーに差が出やすい活動の一つです。
そのため、年齢別におすすめの遊びを一覧化する、雨の日用の室内遊びを共有する、実際に盛り上がった遊びを記録する、ルールや必要な道具を残しておくなど、園全体で情報を共有しておくとよいでしょう。
「今日は何をしよう」と毎回一から考える負担を減らせるだけでなく、新人保育士でも活動を計画しやすくなります。
まとめ
集団遊びは、保育園で子どもたちが友達との関わり方を学ぶ大切な活動です。
0〜2歳頃は、保育士を仲立ちとして友達と同じ遊びを楽しむ経験を重ね、3歳頃から少しずつルールのある遊びへと発展していきます。
さらに4〜5歳頃になると、チームで協力したり、自分たちでルールを考えたりする遊びも楽しめるようになります。
ただし、年齢だけで遊びを決めるのではなく、子ども一人ひとりの発達やクラスの様子に合わせることが大切です。
勝ち負けやルールを守ることだけを目的にせず、「友達と一緒に遊ぶって楽しい」と感じられる集団遊びを取り入れていきましょう。


