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元塾講師が解説!教え方のコツと分かりにくい講師の特徴を解説

著:まつむし
公立小学校教諭として6年間、塾講師として3年間、小~高校生まで幅広く指導。大学では子どもの教育を心理面から支える「教育発達学」を専攻。

塾講師の仕事は生徒の成長が感じられて、とてもやりがいがありますよね。

とはいえ、

  • 生徒の成績が上がらず、保護者の信頼を失いそうで焦る
  • 生徒がやる気を出してくれず、自分のモチベーションも下がる

といった悩みを持っている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、元塾講師の筆者が教え方が上手・下手な講師の特徴や指導のコツについて詳しく解説していきたいと思います。

記事の内容を意識することで、生徒のやる気を引き出す授業ができるようになるでしょう。

3分程度で簡単に読むことができますので、できることから取り入れてみてください。

塾講師の上手な教え方のコツとは?

コミュニケーションをしっかりと取る

まず1番大切になってくるのが生徒とのコミュニケーションです。

塾講師の仕事がうまくいかない場合、多くの人は教材研究に力をいれたり、話し方を変えたりと、指導の仕方を改善しようとしがちです。もちろん指導方法も大切ですが、基本的な生徒との関係ができていなければどれだけ良い指導をしても効果は薄くなってしまいます

多くの塾では授業前や授業の間に休み時間が設けてあります。塾講師としては1人でゆっくりと休みたくなる時間かもしれませんが、休み時間を生徒とのコミュニケーションに充てることで授業内での指導が格段にしやすくなります。勉強の話はもちろん、趣味や習い事の話で盛り上がると講師への親近感も上がるでしょう。

うまく教えるためには、小手先のテクニックを学ぶ前にコミュニケーションの土台をしっかりと作っておくことが大切です。

教材研究をしっかりと行う

コミュニケーションの土台ができてきたら、次は教材研究に力を入れていきます。

教材研究とは、講師が指導内容について前もって調べておくことです。当然ではありますが、指導する内容を講師があらかじめ分かっていないと良い教え方はできませんね。必ず行っておくようにしましょう。

塾によっては教材研究をする必要がなく、いきなり授業を行うことができるケースもあります。また教材研究の時間は手当がつかないこともあるので、わざわざ行うモチベーションが上がらないかもしれません。

しかし、入念に教材研究を行うことで格段に教えやすくなり、その結果自身の塾講師としての評価も上がるでしょう。集団授業だけでなく、個別授業でも効果を発揮します。

教材研究のメリット

集団授業:クラスによって不要な説明を間引いたり、逆に追加で説明が必要そうな部分を把握しておくことができる

個人授業:自分が受け持つ生徒がつまずきそうなポイントをあらかじめ把握することができる

良いことがたくさんあるので、ぜひ少しずつでも教材研究に時間を使ってみてください。

勉強をするメリットが分かるようにする

勉強するメリットについても、しっかりと伝えられるようにしましょう。

生徒にとって勉強する理由がわからないと、どうしてもモチベーションが下がってしまいがちです。

例えば、漠然と「英語を勉強する」と決めただけだとやる気も出ないし、面倒に感じてしまうこともあります。しかし、「1ヶ月後にアメリカで生活する」となれば必死で英語を勉強するのではないでしょうか。このように、学ぶメリットや意味が明確だとやる気が出やすくなるのです。

「英語」を学べば、将来憧れの国に住んで仕事ができるかもしれません。

「理科」を学習すれば、昔から好きだった分野の研究ができるようになるかもしれません。

私が高校生のときは、進学する気のない私に対し塾講師総出で「大学がいかに楽しいか」を熱弁され、受験勉強のモチベーションを上げてくれました。勉強することでどんなメリットが得られるのかが分かれば、大変なことであっても乗り越えることができるようになります

生徒がやる気を持てるようにする

生徒が常にやる気を持って学習できるようにしていくことは大切です。

塾に通う生徒の中には、勉強が好きでない子も多くいます。そんな生徒を奮い立たせることも講師のやりがいであり、腕の見せ所です。

コツとしては、以下のようなものがあります。

生徒にやる気を持たせるコツ
  1. 生徒を褒める
  2. スモールステップを設定する

1. 生徒を褒める

1つ目は、生徒はたくさん褒めるということです。

心理学用語に、他者から褒められ期待されることが分かると学習の成果が上がる「ピグマリオン効果」がというものがあります。

褒められることで単純に嬉しいから頑張るという効果もありますが、期待を感じることで無意識に「自分はできるのだ」という気持ちになりやすいのです。

まずは生徒さんの良い部分をたくさん見つけて、褒めるように心がけましょう。

2. スモールステップを設定する

他にも「スモールステップ」を設定するのも、生徒にやる気を持たせる上で良い方法です。

スモールステップは小さな目標を設定していくということです。勉強に取り組むのを嫌がっている生徒には、特に効果的な方法です。

例えば最初は「ノート1ページ・問題を1問だけ解く」などの目標でも良いかもしれません。大切なのは、確実に達成できる目標を設定してあげることです。

毎回目標を達成することで、生徒の自己効力感(自分はやればできるという感覚)も上がりやすくなります。勉強に取り組むことにも、抵抗がなくなってくるはずです。

目標を達成することができたら、少しずつレベルを上げていくようにしましょう。こうすることで、生徒が確実に成長できるようになります。

生徒に合った方法を考える

塾講師が教え方を改善しようとすると、「教材・話し方」など自分に関することを改善しようとする傾向があります。それ自体は良いことですが、生徒1人ひとりに向き合ったものであるのかをしっかりと見直していくようにしましょう。

たとえば、教材については生徒に合ったものになっているでしょうか。基本的な内容でつまずいてしまう子もいれば、難しい問題をゲーム感覚で解きたい生徒もいるはずです。また話し方については「ゆっくり話すのが良い」と言われがちですが、スピーディーな授業でサクサクと学習を進めたいと考えている生徒もいます。

大切なのは、目の前の生徒がどんな授業を求めているかをよく知ることです。生徒のニーズにあった授業を意識できれば、指導力を飛躍的に上げることができるようになります。

1人学習での内容を決める

塾講師として、良い授業を行うことはとても重要です。しかし、授業で勉強する時間は生徒にとってほんの一部です。

大切なのは、生徒が授業以外の時間にどれだけ自力で勉強するかということです。塾での授業以外の時間にも勉強をしなければ、学力を上げることは難しいでしょう。

反対に、塾で学習した内容をしっかりと復習し1人でもしっかりと勉強できる生徒は大きく成長することができます。

「宿題」を与えて、1人で勉強する内容を設定するケースもありますが、どんなジャンルの学習が必要なのかを具体的に説明することで、意欲的に自学自習に取り組むことが期待できます。たとえば英語なら、英単語の知識が足りないのか、文法の理解が足りないのかによって勉強すべき内容も変わってきますよね。

生徒に合った勉強方法を提案することで、生徒にとっても講師が自分にしっかりと向き合ってくれていると感じ、信頼アップにつながります。

塾の自習室の利用を促進して自学自習の習慣をつけさせることも大切。こちらの塾では、入退室管理システム「入退くん」の導入により、入退室時にもらえるポイント目当てに自習室に通う生徒が増えたという事例があります。

教え方が下手・分かりにくい塾講師の特徴4選

反対に、教え方が下手な塾講師の特徴と、その解決方法を4つ紹介します。

「担当生徒の成績が上がらない」「生徒のやる気がない」と思っているなら、その原因はあなたの教え方にあるかもしれません。

もしあなたに以下の心当たりがあれば、今からでも遅くないです。ぜひ改善していきましょう。

教材の内容をそのまま伝えるだけ

教材に書いてある内容をそのまま伝えるだけの授業は、生徒が「分かりにくい」と感じる原因になります。

生徒が積極的に質問してくれれば良いのですが、「なんとなく分からないけど聞きづらいから良いや」「とりあえずノートに書き写せばいいんでしょ」と思って授業を聞き流してしまう生徒も多いです。

教材の内容を伝えるだけでなく、生徒が自ら「なぜ?」を思考し、「分かった!」という発見と学びを得られるような工夫をしましょう。

授業の工夫例
  • 数学の公式を示すだけでなく、なぜこの公式になるか考える時間を設ける
  • 英語の新出単語について、前回の学習内容と絡めてクイズを出す
  • 日本史の登場人物について小話を用意する

質問しづらい雰囲気を出している

しっかり教えているのに生徒の結果が出ないという方は、もしかしたら質問しづらい雰囲気を出しているのかもしれません。

高圧的な態度や感情に任せて怒る講師は論外ですが、そうでなくとも生徒の質問に対して「前にも言ったよね?」「なんで分からないの?」というような返し方をしていれば、生徒は萎縮して質問しづらくなってしまいます。生徒が質問してこないと、講師としても生徒の理解度が分からず、適切な指導ができない…という悪循環が生まれることも。

生徒からの質問は、講師にとっても今後の授業の進め方のヒントにもなります。質問してくれたことに感謝し、積極的に授業に参加している点を褒めてあげましょう

生徒の理解度に合わせられていない

生徒がどこまで理解しているかを把握しようとせず一方的に進めてしまうのも「分かりづらい」授業の原因の一つです。

「自分がどこまで理解していて、いま何が理解できていないか」を考えながら授業を聞ける生徒は多くありません。講師であるあなたが、生徒の理解度を確認しながら着実に授業を進めてあげるようにしましょう。

生徒の理解度の確認例
  • なんでこの公式を使うか分かる?
  • ちなみに〇〇と△△の違いは説明できる?
  • (授業の初めに)前回教えた□□について覚えてるかな?

生徒のミスの原因を考えない

生徒がミスをした際、「正しい解答」を教えるだけでは生徒の成績アップに繋がりづらいです。生徒と一緒にミスの原因を考えることでも、同じようなミスを防ぎやすくなります。

ミスの原因を探る質問例
  • この問題はなぜ不正解か分かる?
  • どうすればこのミスはなくせそう?
  • (計算問題)どこで計算ミスしたかな?
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こんなときどうする?シーン別教え方のコツ

初めての集団授業

集団授業は、個別授業よりも広い部屋で行うため、教室全体に聞こえやすい声を意識しましょう。当たり前のことかもしれませんが、緊張しているとつい声が小さくなってしまいがちです。

また、生徒が板書を書き写すだけの、単調で一方的な授業は避けましょう。「なぜ〇〇になるのか、考えてみて」など、頭を使って考える時間があることで、より深い理解に繋がります。

初めての個別授業

個別授業では、まずは生徒との信頼関係を構築することが大切です。「この講師には不明点を伝えやすい」「間違えても怒らないで教えてくれる」という信頼を得ることで、今後の授業もスムーズに進みやすくなります。

成果が出ない生徒への個別授業

生徒もしっかり話を聞いているはずなのに成績が伸びないという場合は、塾以外での学習が不足している可能性があります。生徒に不足していることを分析し、次の授業までに何をしたら良いかを明確に伝えてあげましょう。

生徒のやる気があるのに成績が伸びないときは、生徒も自信を失くしているかもしれません。モチベーションを落とさないよう、「ここはみんながつまずくポイントだからゆっくり覚えていこう」「先生もなかなか伸びなかったけど努力し続けて〇〇大学に合格できたよ」など、励ましの言葉を伝えることも大切です。

やる気がない生徒への個別授業

そもそも勉強のやる気がなく、「親に言われて来た」という生徒も少なくありません。ただ、「やる気がない」原因は生徒によって違うので、焦らずその原因を追及し適切な指導を考えましょう。

たとえば、習い事や部活動で忙しく体力的にやる気が出ない生徒なら、まず「疲れているのに塾に来た」ことを褒めてあげましょう。生徒自身のつらさや疲れを共感してもらえるだけでも生徒は講師を信頼し、話を聞く姿勢になりやすいです。

また、勉強自体に拒否反応を示す生徒には、あなた自身の「勉強して良かった経験」または「勉強ができなくてかなり苦労した経験」を話すのも効果的。堅苦しい話ではなく、「テストで学年1位を取った時、好きな子に勉強を教えてと頼まれた」「部活仲間で自分だけ志望校に受からず悲しい思いをした」など、学生視点で”刺さる”エピソードがあるとより効果的です。

塾の効率化と満足度アップが3300円から

まとめ

塾だけでなく学校などさまざまな現場を見てきた筆者が、実際に感じた「教え方が上手・下手」な講師の特徴や教え方のコツを紹介しました。講師の教え方が上手だと保護者の方からの信頼も獲得することができ、塾全体や講師であるあなたの評価にも繋がります。

保護者の信頼アップのためには、塾に安心して預けられるシステムの導入も欠かせません。

BPS株式会社の「入退室管理システム 入退くん」では、学習塾向けの入退室管理システムを提供しております。

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入退室管理システム 入退くん
この記事を監修した人

大場元騎(学習塾経営者)
経歴:東京都内にて学習塾2校の立ち上げ・経営
「入退くんは保護者の安心はもちろん
塾運営の効率化にも役立っており、感謝しています!」