「保育士等キャリアアップ研修って落ちることがあるの?」
「レポートの内容が悪かったら不合格になる?」
「仕事をしながら受講するので、最後まで修了できるか不安……」
このように心配している保育士の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、保育士等キャリアアップ研修で落ちる原因や、修了証を確実に取得するためのポイントについて解説します。
保育士等キャリアアップ研修は落ちることがある?
保育士等キャリアアップ研修は、基本的に一般的な資格試験とは性質が異なります。
こども家庭庁の「保育士等キャリアアップ研修ガイドライン」では、研修修了の評価について、必要な研修時間を受講したことを確認したうえで、レポート提出などによって研修内容に関する知識・技能や基本的な考え方を確認するとされています。
そのため、「100点満点中70点以上なら合格」「受講者のうち上位○%だけ合格」といった試験ではありません。
一方で、申し込めば自動的に修了証がもらえるわけでもありません。所定の研修を適切に受講できなければ、結果として「修了できない=落ちた」と感じるケースがあります。
つまり、知識不足による試験不合格を心配するよりも、受講時間や提出物などの修了条件を確実に満たすことが重要です。
保育士等キャリアアップ研修で落ちる・修了できない主な原因
ここからは、修了証を受け取れない主なケースについて紹介します。
研修時間が不足している
保育士等キャリアアップ研修は、原則として1分野15時間以上とされています。
そのため、必要な受講時間を満たせない場合、修了できない可能性があります。
遅刻はどうなる?
「少しくらい遅れても大丈夫だろう」と自己判断してもいけません。
例えば2026年度の東京都保育士等キャリアアップ研修では、全研修15時間の受講が修了要件とされており、欠席・遅刻・途中退席などがある場合には修了証を発行できないと案内されています。
公共交通の遅延は?
公共交通機関の遅延であっても修了要件を満たさないとする研修もあります。「電車の遅延証明書があれば必ず大丈夫」というわけではない点には注意が必要です。
研修実施機関によって具体的なルールは異なるため、必ず申込先の受講要項を確認しましょう。
体調不良で欠席した場合はどうなる?
発熱や感染症など、やむを得ない理由で欠席することもあるでしょう。
ただし、理由がやむを得ないものであっても、必要な研修時間を満たさなければ、その回だけでは修了できない可能性があります。一方、別日への振替や再受講に対応している実施機関もあります。
対応は一律ではないため、あとから「振替できますか?」と問い合わせるよりも、事前に対応方法を確認しておいたほうが安心です。
レポート・課題を提出していない
研修をすべて受講していても、指定されたレポートや課題を提出しなければ修了できない場合があります。ガイドラインでも、受講後にレポートを提出させるなどして理解度を確認することが示されています。
- 提出そのものを忘れる
- 締切日を勘違いする
- 指定された提出方法を間違える
- 必要事項を書き忘れる
忙しい保育現場では、研修を受け終えたことで安心してしまい、レポート提出を後回しにしてしまうこともあります。できるだけ研修終了後すぐに取りかかるのがおすすめです。
レポートの内容が要件を満たしていない
「レポートを書いたけれど、内容が悪かったら落ちるの?」と心配する方もいるでしょう。
実施機関によって評価方法は異なりますが、単に提出すればよいとは限りません。
例えば、東京都の研修案内では「研修実施機関から求められるレポート等を提出し、適正に受講したことが認められる」ことが修了証交付の条件とされています。
そのため、「勉強になりました」「今後の保育に活かしたいです」だけで終わらせるのではなく、研修で何を学び、自園にどのような課題があり、今後どのように実践するのかまで具体的に書くとよいでしょう。
例えば「保健衛生・安全対策」の研修であれば、「事故を防ぐことが大切だと学んだ」だけではなく、「ヒヤリハット事例を職員個人で把握するだけでなく、職員会議で共有することで、事故につながる環境や対応を組織として改善したい」など、自園での実践につなげると内容が具体的になります。
オンライン研修で受講確認が取れない
オンライン研修の場合は、動画を流しているだけでは受講したと認められないケースがあります。
実施機関によっては、顔認証やカメラによる本人確認、動画の視聴履歴、ミニテスト、Zoomへの接続記録などによって受講状況を確認しています。
例えば福岡県の2026年度研修では、eラーニング研修について、15時間以上の動画視聴に加えてミニテストの実施状況や研修レポートを確認して修了評価を行っています。
オンラインだからといって、家事や別の仕事をしながら「ながら受講」をするのは避けましょう。
本人確認や受講ルールを守れていない
集合研修では本人確認のため、身分証明書の提示を求められることもあります。
実際に東京都指定の研修実施機関の中には、受付時に本人確認を行い、必要な書類等を忘れた場合には受講を断ることがあると案内しているところもあります。
他にも受講前には、受講票、テキスト、筆記用具、Zoomなどのログイン情報など、必要なものを確認しておきましょう。
レポートが苦手でも落ちる心配はしすぎなくてよい
「作文が苦手だから落とされるかもしれない」と不安になる人もいるでしょう。しかし、キャリアアップ研修の目的は文章力を競うことではありません。
大切なのは、研修内容を理解し、自分の保育にどう活かすのかを考えることです。
レポートを書く際には、次の3点を順番に整理すると書きやすくなります。
- 研修で印象に残ったこと・学んだこと
- 現在の園や自分の保育における課題
- 今後どのように実践するか
例えば、
「乳児保育では一人ひとりの発達を丁寧に把握することの重要性を学んだ。現在はクラス全体の活動を優先してしまう場面もあるため、今後は職員間で個々の発達状況を共有し、援助方法について話し合う時間を設けたい」
とすれば、研修内容と日々の保育を結び付けられます。難しい専門用語を並べるよりも、「自分が何を理解し、どう行動するか」を具体的に書くことを意識しましょう。
保育士等キャリアアップ研修の8分野
保育士等キャリアアップ研修には、次の8分野があります。
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 乳児保育 | 乳児の発達や保育環境、適切な関わり |
| 幼児教育 | 幼児期の発達、環境を通した教育など |
| 障害児保育 | 障害の理解、支援方法、関係機関との連携 |
| 食育・アレルギー対応 | 食育、栄養、アレルギーへの対応 |
| 保健衛生・安全対策 | 感染症、事故防止、安全管理など |
| 保護者支援・子育て支援 | 保護者との関係づくりや相談支援 |
| マネジメント | 組織運営、人材育成、リーダーシップ |
| 保育実践 | 子どもとの関わりや保育実践 |
このうち処遇改善等加算(区分3)の研修要件では、役職等によって必要となる研修分野・時間が異なります。
なお、保育実践研修は、実習経験の少ない保育士試験合格者や潜在保育士等を主な対象とする研修であり、処遇改善等加算(区分3)の研修要件には含まれません。
保育士等キャリアアップ研修に落ちても再受講できる?
一度修了できなかったからといって、今後キャリアアップ研修を一切受講できなくなるわけではありません。
別日程や次回の研修に改めて申し込めるケースがあります。
ただし、
- 欠席した部分だけ受ければよいのか
- 15時間すべて受け直す必要があるのか
- 同年度中に振替可能なのか
- 追加の費用が必要なのか
といった扱いは研修実施機関によって異なります。修了できなかったことが分かった場合は、まず受講した研修実施機関へ問い合わせましょう。
保育士キャリアアップ研修の注意点
他にも、保育士キャリアアップ研修には注意点があるため確認しておきましょう。
申込期限・定員に注意する
人気の日程は早めに定員へ達することもあります。年度末にまとめて受講しようとせず、余裕を持って申し込みましょう。
勤務扱い・研修費用を事前に確認する
研修時間を勤務として扱うか、受講料や交通費を園が負担するかなどは、職場によって異なります。場合によっては当日の領収書が必要になることもあるため、事前に確認しておくと当日慌てずに済むでしょう。
研修修了証はきちんと保管する
処遇改善等加算の確認などで必要になることがあります。
紛失しないよう園側でも受講状況とあわせて管理しておくと安心です。
2026年度は処遇改善等加算(区分3)の研修修了要件にも注意
保育園経営者や園長・主任が特に確認しておきたいのが、処遇改善等加算(区分3)との関係です。
2025年度の処遇改善等加算の一本化に伴い、従来の「処遇改善等加算Ⅱ」に相当する仕組みは、現在「処遇改善等加算(区分3)」として運用されています。
2026年度以降は原則として、
- 副主任保育士・中核リーダー等:4分野または60時間以上
- 職務分野別リーダー・若手リーダー等:1分野または15時間以上
の研修修了が必要です。
例えば東京都の場合、
- 副主任保育士:専門分野別研修3分野+マネジメント研修
- 専門リーダー:専門分野別研修4分野
- 職務分野別リーダー:担当する専門分野別研修1分野
が基本的な要件として示されています。
そのため、キャリアアップ研修を修了できないことは、単に「資格が一つ取れなかった」という問題だけではありません。
園が予定していた職員を加算対象として配置するうえでも影響する可能性があるため、園全体で研修修了状況を管理することが重要です。
※具体的な加算要件・研修の取扱いについては、施設種別や自治体によって異なる場合があります。最新情報は自治体・こども家庭庁の案内をご確認ください。
保育園側も「本人任せ」にしないことが重要
キャリアアップ研修は受講する職員本人が責任を持って取り組む必要がありますが、園側のサポートも欠かせません。
特に、誰がどの研修を修了しているのか、あと何分野必要なのか、今年度中に誰を受講させるのか、研修日と勤務シフトが重複していないか、修了証を適切に管理できているかを把握しておきましょう。
「本人に任せていたらレポートを出し忘れていた」「必要な分野と違う研修を受講していた」といったミスがあると、翌年度の人員配置や加算申請にも影響しかねません。
年度の途中で慌てるのではなく、年度初めの段階で職員ごとの研修受講計画を作成しておくのがおすすめです。
ビヨンド連絡帳

「ビヨンド連絡帳」は、施設と保護者の連絡をデジタル化できる連絡帳システムです。
日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。
保育園において、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。
ビヨンド入退くん

「ビヨンド入退くん」は、子どもの入室・退室を記録し、保護者へ通知できる入退室管理システムです。
「施設に無事到着したか」「いつ退室したか」を保護者が確認できるため、送迎や帰宅時の安心につながります。職員にとっても、電話で行っていた入退室確認をデジタル化することで、記録や確認作業の負担軽減が期待できます。
安全管理を強化しながら、保護者への安心提供と業務効率化を両立したい場合は、ビヨンド入退くんの導入をぜひご検討ください。
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保育士等キャリアアップ研修を確実に修了するためのポイント
次のポイントを押さえておけば、修了できないリスクをかなり減らせます。
- 受講要項を事前に最後まで読む
- 研修開始時刻より余裕を持って参加する
- オンライン研修の通信環境を事前に確認する
- 研修中にレポートへ使えそうな内容をメモする
- レポートは締切直前ではなく研修終了後すぐに作成する
- 動画・ミニテストなどを最後まで完了する
- 修了証が届いたら本人と園の双方で確認する
特に「落ちるかもしれない」と不安な人ほど、研修内容を予習するよりも、まず実施機関が定める修了要件を確認することをおすすめします。
実施機関によっては遅刻・離席・オンライン受講のルールが細かく決められているためです。
まとめ|「試験に落ちる」より修了要件を満たせるかが重要
保育士等キャリアアップ研修は、一般的な資格試験のように点数によって合格・不合格を決める研修ではありません。
そのため、必要以上に「勉強して試験に受からなければ」と心配する必要はないでしょう。
一方で、
- 必要な研修時間を受講する
- 欠席・遅刻・途中退席を避ける
- オンライン研修を適切に受講する
- レポートや課題を期限内に提出する
といった修了要件を満たさなければ、修了証が交付されないことがあります。
また、2026年度以降は処遇改善等加算(区分3)の研修修了要件が完全適用されているため、保育園側も「研修は本人任せ」とせず、職員ごとの受講状況を把握しておくことが重要です。
受講する保育士本人と園の双方でスケジュールや修了要件を確認し、無理なく計画的にキャリアアップ研修を進めていきましょう。
