保育園の連絡帳を書こうとして、「今日は特に変わったことがなかった……」「昨日と同じような内容になってしまう」「毎日何十人分も書くから、そろそろネタがない」と困った経験がある保育士も多いのではないでしょうか。
この記事では、保育園の連絡帳に書くことがないときに使えるネタや例文、文章を考えやすくするコツを紹介します。
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保育園の連絡帳に「書くことがない」と感じるのはなぜ?
毎日子どもたちと過ごしているにもかかわらず、いざ連絡帳を書くとなると「何を書けばいいんだろう」と手が止まってしまうことがあります。
その大きな理由は、連絡帳には何か特別な出来事を書かなければならないと思ってしまうことです。
もちろん、「初めて○○ができた」「お友達との面白いやり取りがあった」「制作で個性的な作品を作った」といった印象に残る出来事は文章にしやすいでしょう。
しかし、毎日すべての子どもに印象的な出来事が起こるわけではありません。むしろ保育の多くは、「今日もよく食べた」「お気に入りのおもちゃで遊んだ」「友達の遊びをじっと見ていた」といった日常の積み重ねです。
連絡帳では、このような小さな姿こそ立派な情報になります。
保育園の連絡帳は面白い文章を書く場所ではない
連絡帳を書く際に、文章の面白さや長さを気にしすぎる必要はありません。
保育所保育指針では、保護者との相互理解について、
日常の保育に関連した様々な機会を活用し子どもの日々の様子の伝達や収集、保育所保育の意図の説明などを通じて、保護者との相互理解を図る
ことが求められています。
そのため連絡帳では、「今日どんなことをして、子どもがどのような反応をしていたか」が伝われば十分です。長文を書くことより、子どもの姿を具体的に伝えることを意識してみましょう。
保育園の連絡帳に書くことがないときのネタ10選
「何を書こう」と悩んだときは、次の10項目からその日の様子を振り返ってみるとネタを見つけやすくなります。
1.遊び
まず思い出したいのが、その日どんな遊びをしていたかです。特別な遊びでなくても構いません。
例文
「今日はブロック遊びを楽しみました。高く積み上げては『先生見て!』とうれしそうに見せてくれました。」
「お気に入りの車を何台も並べ、じっくり遊んでいました。」
遊んだものだけでなく、どのように遊んでいたかを一言加えると、その子らしい文章になります。
2.食事
給食やおやつの様子も、保護者にとって気になる情報です。
例文
「今日の給食はカレーでした。大好きだったようで、あっという間に完食していました。」
「苦手なにんじんも、お友達が食べている姿を見て一口挑戦できました。」
完食したかどうかだけでなく、挑戦した姿や食事中の会話などにも注目してみましょう。
3.友達との関わり
友達とのちょっとしたやり取りも、家庭では見ることのできない園ならではの姿です。
例文
「お友達がブロックを探していると、『これ?』と渡してあげていました。」
「○○ちゃんと一緒におままごとをして、二人で楽しそうに料理を作っていました。」
保護者にとって、園での人間関係が分かる貴重な情報になります。
4.保育士との会話
何気ない会話も連絡帳のネタになります。
例文
「お散歩中に飛行機を見つけ、『先生、飛行機!』とうれしそうに教えてくれました。」
「給食を食べながら『昨日パパと公園行ったよ』と楽しそうにお話ししてくれました。」
子どもの発言を少し入れるだけでも、その日の様子がぐっと伝わりやすくなります。
5.できるようになったこと
大きな成長だけでなく、小さな変化にも注目してみましょう。
例文
「今日は自分から靴を履こうと一生懸命挑戦していました。」
「これまで先生と一緒に片付けていましたが、今日は声をかけると自分からおもちゃを箱に戻す姿がありました。」
毎日見ている保育士だからこそ気付ける変化があります。
6.頑張っていたこと
「できたこと」だけではなく、取り組む過程も伝えられます。
例文
「ボタンを自分で留めようと何度も挑戦していました。少し難しかったようですが、最後まで諦めず頑張っていました。」
結果だけでなく過程を書くことで、子どもの成長がより具体的に伝わります。
7.表情や感情
行動だけでなく、表情にも注目してみましょう。
例文
「今日は園庭でシャボン玉をすると、飛んでいく様子を見て満面の笑顔でした。」
「初めは少し緊張した表情でしたが、お友達が遊び始めると安心したようで、徐々に笑顔が増えていました。」
「笑っていた」「うれしそうだった」「真剣だった」なども十分な情報です。
8.行事・制作・活動への反応
設定保育や制作活動を行った日は、参加していた様子を書いてみましょう。
例文
「今日は絵の具を使って制作をしました。手に絵の具がつくと不思議そうに眺めながら、何度もスタンプを楽しんでいました。」
全員が同じ活動をした日でも、その子がどう反応したかを入れることで、一人ひとり違った内容にできます。
9.散歩や外遊びで見つけたもの
散歩中の子どもの視線を追ってみるのもおすすめです。
例文
「公園でどんぐりを見つけると、『ママに見せる!』とうれしそうに拾っていました。」
「アリの行列を見つけ、しゃがみ込んでしばらく観察していました。」
大人にとっては何気ないものでも、子どもにとっては大発見かもしれません。
10.「いつも通り」だったこと
本当に大きな変化がない日なら、それをそのまま伝えても問題ありません。
例文
「今日も元気いっぱいに過ごしています。大好きなブロック遊びをじっくり楽しんでいました。」
「今日は大きな変化なく、いつも通り元気に過ごしていました。」
変化がないことも大切な情報の一つです。
無理にエピソードを作る必要はありません。
保育園の連絡帳に書くことがない時のポイント
過ごし方を思い出す
連絡帳を書くときによくあるのが、「今日は園庭で遊びました。」「今日は制作をしました。」「今日はお散歩に行きました。」という活動報告だけの文章です。
もちろん間違いではありませんが、保護者が知りたいのは「クラスが何をしたか」だけではなく、その中で自分の子どもがどう過ごしていたかです。
そこで、活動+子どもの反応で書くことを意識してみましょう。たとえば、「今日は園庭で遊びました。」ではなく、「今日は園庭で遊びました。○○ちゃんは落ち葉を何枚も集め、『赤いのあった!』とうれしそうに見せてくれました。」とすると、一気にその子らしい連絡帳になります。
「昨日との違い」を探す
毎日同じ遊びをしている子どもの場合、「また同じ内容になってしまう」と悩むこともあります。
そんなときは、昨日との小さな違いを探してみましょう。たとえば毎日ブロックで遊んでいても、
昨日:一人でブロックを積んでいた
今日:友達と一緒に作っていた
昨日:先生に作ってもらっていた
今日:自分で作っていた
昨日:車を作っていた
今日:家を作っていた
というように、遊び方は少しずつ変化しています。同じ活動でも、視点を変えれば書ける内容はたくさんあります。
保護者からの連絡に返事をするだけでもOK
どうしても書くことが思いつかない日は、保護者が朝書いてくれた内容に返信する方法もあります。
たとえば保護者から、「昨日は家でなかなか寝てくれませんでした。」と書かれていたら、
「寝不足だったのですね。今日は眠そうな様子がないか気にかけながら過ごしましたが、午前中は元気いっぱい遊んでいました。」
と返すことができます。連絡帳は保育士から保護者への一方的な報告ではなく、家庭と園とのコミュニケーションツールです。
こども家庭庁の調査でも、保育士との日常的な情報交換に使いたい手段として「連絡帳(手書き・オンラインツール含む)」を挙げた人は44.9%となっています。
「自分から何か話題を作らなければ」と考えすぎず、保護者から届いた情報を会話のきっかけにするのもよいでしょう。
参考:こども家庭庁「保育所等における子育て支援の在り方に関する調査研究」
保育園の連絡帳で避けたい書き方
書くことがないからといって、何でも書けばよいわけではありません。
連絡帳を書く際は、次のような表現には注意しましょう。
ネガティブなことだけを書く
「今日は給食を食べませんでした」「片付けができませんでした」「お友達のおもちゃを取ってしまいました」
というように、できなかったことだけを書くと、保護者が必要以上に不安になってしまう可能性があります。
事実を伝える必要がある場合でも、
「おもちゃを使いたい気持ちが強く、お友達から取ってしまう場面がありました。『貸して』と伝える方法を一緒に確認すると、その後は言葉で伝えようとする姿も見られました。」
など、その後どのように対応したのかまで伝えるとよいでしょう。
他の子どもと比較する
「他の子はできていますが」「クラスで○○ちゃんだけできません」
といった比較表現も避けましょう。子どもの発達には個人差があるため、他の子と比較するのではなく、その子自身の変化を見ることが大切です。
保護者を責めるような文章にする
連絡帳は文字だけでやり取りするため、意図していなくても強く伝わってしまう場合があります。
家庭にお願いしたいことがある場合も、「必ず○○してください」など一方的に書くのではなく、必要な理由を伝えながらお願いすると誤解を防ぎやすくなります。
また、事故や大きなケガ、深刻なトラブルなど、文章だけでは正確に伝わりにくい内容については、連絡帳だけで済ませず、送迎時の説明や電話などを併用することも重要です。
毎日連絡帳を書く保育士の負担にも目を向けよう
連絡帳は家庭との情報共有に役立つ一方、保育士にとって大きな事務負担になりやすい業務でもあります。
たとえば一人5分で書いたとしても、10人分なら50分かかります。
さらに保育士には、以下のようなさまざまな業務があります。
- 日案・週案・月案
- 保育日誌
- 児童票
- 行事準備
- 保護者対応
- 写真整理
- おたより作成
そのため園長や経営者は「一人ひとり丁寧に書きましょう」と呼びかけるだけではなく、そもそも無理なく書ける業務設計になっているかを考えることも重要です。
園全体で連絡帳の負担を減らす方法
連絡帳に求める情報量を園内で統一する
保育士によって、「毎日5行以上書かなければならない」「短い文章では保護者に申し訳ない」など、認識が異なっているケースがあります。
以下のように、園内である程度の目安を共有しておくとよいでしょう。
- 基本は2~3文程度
- 活動内容+子どもの反応を書く
- 特記事項がなければ短くてもよい
ベテラン保育士が毎日長文を書いていると、若手保育士が「自分も同じ量を書かなければ」とプレッシャーを感じることもあります。文章量よりも、必要な情報が伝わることを重視しましょう。
連絡帳を書くための観察ポイントを共有する
「連絡帳を書く時間になってから今日の出来事を思い出す」のではなく、保育中から「この場面を今日書こう」と決めておくのも効果的です。
- 食事
- 遊び
- 睡眠
- 友達
- 発言
- 成長
- 挑戦
- 表情
などの観察ポイントを共有しておけば、文章も考えやすくなります。
全員に毎日長文を書く運用を見直す
連絡帳の目的は、長い文章を書くことではありません。特別な出来事があった日は詳しく伝え、普段通りの日は簡潔に伝えるなど、内容にメリハリを付けてもよいでしょう。
保育の質を高めるためにも、連絡帳を書くこと自体が目的になっていないかを定期的に確認することが大切です。
連絡帳アプリを活用して業務負担を減らす方法も
紙の連絡帳を使用している園では、「一冊ずつ手書きする」「登園後に回収する」「記入後に各家庭へ戻す」「過去の内容を確認する」といった作業も発生します。
連絡帳アプリを導入すれば、パソコンやタブレットから入力できるため、コピペやテンプレート活用などで手書きの負担を減らせます。
また、定型的な連絡や園全体へのお知らせなどをデジタル化することで、職員が一人ひとりの子どもの様子を伝えることに時間を使いやすくなるでしょう。
おすすめはビヨンド連絡帳

「ビヨンド連絡帳」は、施設と保護者の連絡をデジタル化できる連絡帳システムです。
日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。
現場の声を取り入れながら開発されたシステムで、保育士も保護者の方も直感的に操作できるデザインが特徴。保育園において、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。
「書くことがない日はダメ」と考えなくて大丈夫
保育園の連絡帳に書くことがない日は、決して珍しくありません。毎日、「今日は何か面白いことを書かなければ」と考えてしまうと、連絡帳そのものが大きな負担になってしまいます。
そんなときは、何をして遊んでいたか、誰と関わっていたか、どんな表情だったか、何を話していたか、昨日と違うところはなかったかという視点で、その日の姿を振り返ってみましょう。子どもにとっては何気ない一日でも、家庭では見ることのできない姿がたくさんあります。
そして園側も、保育士個人の文章力や頑張りだけに頼るのではなく、短時間でも必要な情報を伝えられる仕組みを整えることが重要です。
連絡帳を「毎日書かなければならない大変な業務」にするのではなく、園と家庭が子どもの成長を一緒に見守るための、無理なく続けられるコミュニケーションツールとして活用していきましょう。

