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保育士の給料は上がる?2026年の処遇改善や今後の見通しを解説

「保育士の給料はこれから上がる?」
「処遇改善のニュースを見るけれど、自分の給料にはどのくらい反映されるの?」

このような疑問を持っている保育士や保育園経営者も多いのではないでしょうか。

この記事では、2026年現在の保育士の給料事情や処遇改善の仕組み、実際にどの程度給料が上がる可能性があるのかについて解説します。保育士だけでなく、職員の採用・定着に取り組む保育園経営者の方もぜひ参考にしてください。

【結論】2026年も保育士の給料は上がる方向にある

結論からいうと、保育士の給料は今後も引き上げていく方向で国の政策が進められています。

こども家庭庁によると、2025年度には保育士・幼稚園教諭などの公定価格上の人件費を5.3%改善する措置が行われました。さらに2026年度についても、この5.3%の改善を引き続き確保するとされています。

また、こども家庭庁は2025年度の5.3%改善について、2024年の賃金構造基本統計調査における保育士の平均賃金32.9万円をもとに機械的に計算すると、年額で約20万円の改善に相当するとしています。

ただし、この「年20万円」はあくまで制度上の人件費改善額を平均賃金から試算した数字です。すべての保育士の給料が一律で20万円増えるという意味ではありません。

参考:こども家庭庁「令和8年度公定価格改正概要資料」

保育士の給料はこれまでどのくらい上がってきた?

保育士の待遇改善は、最近突然始まったものではありません。

国は2013年度以降、公定価格の引き上げや処遇改善等加算などによって継続的な賃金改善を進めてきました。

こども家庭庁の資料では、2013年度以降の処遇改善は累計約39%に達しています。

また、役職者を除いた保育士の平均賃金は、2012年度の月収換算26.3万円から、2024年度には32.9万円まで上昇しています。

年度保育士の平均賃金(月収換算)
2012年度26.3万円
2018年度29.8万円
2021年度30.9万円
2023年度32.1万円
2024年度32.9万円

参考:こども家庭庁「保育士・幼稚園教諭等の処遇改善」

着実に改善されている一方、2024年度の全産業平均は月収換算38.6万円であり、保育士は32.9万円です。

つまり、以前より差は縮小しているものの、依然として全産業平均を下回っています。

そのため、国も今後引き続き民間企業の給与動向を踏まえて処遇改善を進める方針を示しています。

なぜ保育士の給料が上がっているの?

保育士の給料が引き上げられている背景には、単なる物価高対策だけでなく、保育業界が抱える人材確保の問題があります。

保育士の人材確保が必要だから

保育園を安定して運営するためには、当然ながら十分な保育士を確保する必要があります。

しかし、仕事内容や責任の重さに対して給与が低いと感じれば、保育士資格を持っていても別の業界を選んだり、現場を離れたりする人が増えてしまいます。

実際、国も保育士の処遇改善について、人材確保や質の高い保育を安定して提供するための施策として位置付けています。

給与水準を改善することは、現在働いている保育士の定着だけでなく、潜在保育士の復職や新たな人材の確保にもつながります。

他業種との賃金差が残っているから

前述したとおり、保育士の賃金は以前より上昇しているものの、依然として全産業平均を下回っています。

保育士は、子どもの安全や健康を守りながら発達を支援する専門職です。給与面で他業種との差が大きければ、人材獲得競争において保育業界が不利になってしまいます。

こども家庭庁も「処遇改善を通じた他職種と遜色ない処遇を実現する」ことを方向性として掲げています。

物価や民間企業の賃金が上昇しているから

近年は物価上昇とともに、民間企業でも賃上げの動きが広がっています。

保育士の人件費を決める公定価格についても、人事院勧告などを踏まえながら改定されています。

2024年度には公定価格上の人件費について10.7%という過去最大の改善が行われ、2025年度にはさらに5.3%の改善が実施されました。

保育業界だけ給与水準が変わらなければ、さらに人材が流出する可能性があるため、社会全体の賃金動向に合わせた改善が必要になっています。

「5.3%給料が上がる」という意味ではないので注意

保育士にとって特に注意したいのが、ニュースなどで見かける「人件費5.3%改善」という表現です。

これは、「すべての保育士の基本給が一律5.3%上がる」という意味ではありません。

国が引き上げるのは、認可保育所などの運営費を計算する際に使用される公定価格上の人件費です。

したがって、実際の給与への反映方法は、施設の給与体系や職員構成、処遇改善等加算の配分などによって異なります。

例えば、増額分を基本給の引き上げとして反映する園もあれば、手当や賞与などを組み合わせて賃金改善する場合もあります。

そのため、「国が5.3%上げたのだから、給与明細も5.3%増えていなければおかしい」と単純に判断することはできません。

保育士の給料を上げる「処遇改善等加算」とは?

保育士の賃金改善を理解するうえで重要なのが、処遇改善等加算です。

処遇改善等加算とは、保育士などの給与改善やキャリア形成を促進するため、一定の要件を満たした保育施設に公定価格として加算される仕組みです。

2025年度から制度が整理され、主に次の3区分となりました。

区分主な目的
区分1職員の平均経験年数などを踏まえた基礎的な処遇改善
区分2賃金改善・ベースアップなど
区分3技能・経験を積んだ職員の追加的な処遇改善

参考:こども家庭庁「処遇改善等加算に関する情報」

以前は複数の処遇改善制度があり、「制度が複雑で分かりにくい」「申請事務の負担が大きい」といった課題もありました。

そこで2025年度から制度を一本化し、区分を整理することで事務負担の軽減と制度の活用促進が図られています。

経験を積んだ保育士はさらに給与アップを目指せる

区分3では、一定の経験や研修などの要件を満たした職員について、技能・経験に応じた追加的な処遇改善が行われます。

そのため、保育士として経験を積みながらキャリアアップ研修を受講し、職場でリーダーなどの役割を担うことで、給与アップにつながる可能性があります。

「保育士は園長や主任にならなければ給料が上がらない」という状態を改善し、中堅層にもキャリアアップの道をつくることが制度の狙いの一つです。

なぜ「給料が上がっていない」と感じる保育士がいるの?

国がこれだけ処遇改善を行っているにもかかわらず、「ニュースでは賃上げと言っているのに、自分の給与はあまり変わっていない」と感じる人もいます。

これにはいくつか理由があります。

人件費の改善率=一人ひとりの昇給率ではない

まず、前述したとおり、公定価格上の人件費の引き上げと個人の給与額は同じものではありません。

園全体に入る人件費と、それをどの職員にどのように配分するかは分けて考える必要があります。

そのため、国が示す改善率と自分の給与明細を直接比較すると、数字が一致しないことがあります。

基本給ではなく手当や賞与に反映される場合もある

賃金改善の方法は基本給だけではありません。

園によっては、

  • 基本給の引き上げ
  • 処遇改善手当
  • 役職手当
  • 賞与

などを組み合わせて給与に反映している場合があります。

月々の基本給だけを見て「上がっていない」と感じても、年収全体では改善しているケースもあるため、給与明細や賞与を含めて確認することが大切です。

施設や雇用形態によって状況が異なる

保育士資格を持って働いている人すべてが、まったく同じ仕組みで給与を受け取っているわけではありません。

認可保育所、認定こども園、小規模保育事業など施設の種類によって制度が異なるほか、正規職員・パートなど雇用形態によっても実際の処遇は変わります。

自分の勤務先でどの制度が利用され、どのように給与へ反映されているのか確認することが重要です。

保育士は自分の給料について何を確認すればいい?

「自分の園では処遇改善がどのように反映されているのだろう」と疑問に感じた場合は、まず給与明細や就業規則、賃金規程などを確認しましょう。

特にチェックしたいのは、

  • 基本給が以前からどの程度変わっているか
  • 処遇改善手当などの項目があるか
  • 昇給制度がどのようになっているか
  • 役職やキャリアアップ研修と給与が連動しているか

といった点です。

分からない場合は、「処遇改善等加算はどのような形で給与に反映されていますか?」と園に確認してみるのも一つの方法です。

単に「もっと給料を上げてほしい」と伝えるより、制度について確認する形で質問する方が、園側にも意図が伝わりやすいでしょう。

保育園経営者は「賃上げを職員に伝えること」も重要

処遇改善を行っていても、それが職員に伝わっていなければ、採用や定着への効果を十分に得られない可能性があります。

例えば、毎年基本給を引き上げていても、「国の制度変更によって○円改善した」「園独自の昇給として○円上乗せした」と説明されなければ、職員側から見ると変化を認識しにくいことがあります。

また、処遇改善手当の名称だけが給与明細に記載されていても、「なぜこの金額なのか」が分からないケースもあります。

給与を改善するだけでなく、その仕組みや評価基準を分かりやすく職員に共有することも、人材定着には重要です。

2025年度から保育園の経営情報の「見える化」もスタート

処遇改善とあわせて進められているのが、保育園などの経営情報の見える化です。

保育所などは毎事業年度、収支計算書や職員給与の状況などの経営情報を都道府県へ報告する仕組みとなっています。

都道府県は、モデル給与や人件費比率などを個別施設・事業者単位で公表するとともに、情報を集計・分析することとされています。

さらに2026年度からは、必要な経営情報を報告していない施設について公定価格を減算する仕組みも設けられています。

国から投入された処遇改善のための財源が実際にどのように使われているのか、以前より確認しやすくする狙いがあります。

保育園経営者にとっては、今後ますます「人件費をどのように配分しているのか」を説明できる経営が重要になるでしょう。

参考:こども家庭庁「保育士・幼稚園教諭等の処遇改善」

給料だけでなく働きやすさの改善も必要

保育士不足を解消するには、給与を上げるだけでは十分とはいえません。

2022年度に東京都が実施した保育士実態調査について国会で紹介されたデータでは、就業中の保育士が退職を考える理由として、

  • 給料が安い:61.6%
  • 仕事量が多い:54.0%
  • 労働時間が長い:35.4%

などが挙げられています。

つまり、給与は重要な要素であるものの、業務負担や勤務時間も離職につながっています。

有給休暇や休憩を取得しやすい体制をつくる

制度として有給休暇や休憩時間が用意されていても、人手不足によって実際には取得しにくい園もあります。

職員配置に余裕を持たせたり、保育補助者を活用したりするなど、休みやすい環境をつくることも重要です。

キャリアと給与の関係を明確にする

「5年働いても10年働いても給与がほとんど変わらない」という環境では、長く働くモチベーションを保つのが難しくなります。

一般保育士からリーダー、副主任、主任など、それぞれの段階で求められる役割と給与水準を明確にすると、将来の働き方をイメージしやすくなります。

処遇改善等加算やキャリアアップ研修も活用しながら、職員が「この園で経験を積むメリット」を感じられる給与体系を整えることが大切です。

ICTを活用して業務負担を減らす

例えば、保護者への連絡、登降園管理、欠席連絡、日誌作成などをすべて紙や電話で行っている園では、保育士の事務作業が増えてしまいます。

こうした業務をICT化することで、直接保育以外の作業時間を減らしやすくなります。

給与を引き上げることに加えて、「限られた勤務時間のなかで無理なく働ける職場」にすることも、実質的な処遇改善といえるでしょう

ビヨンド連絡帳

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「ビヨンド連絡帳」は、施設と保護者の連絡をデジタル化できる連絡帳システムです。

日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。

保育園において、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。

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「ビヨンド入退くん」は、子どもの入室・退室を記録し、保護者へ通知できる入退室管理システムです。

「施設に無事到着したか」「いつ退室したか」を保護者が確認できるため、送迎や帰宅時の安心につながります。職員にとっても、電話で行っていた入退室確認をデジタル化することで、記録や確認作業の負担軽減が期待できます。

安全管理を強化しながら、保護者への安心提供と業務効率化を両立したい場合は、ビヨンド入退くんの導入をぜひご検討ください。

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保育士の給料は今後も上がる?

今後も保育士の処遇改善が続く可能性は高いと考えられます。

こども家庭庁は、民間企業の給与動向などを踏まえながらさらなる処遇改善に取り組み、他職種と遜色ない処遇の実現を目指す方針を示しています。

また、2026年8月7日には新たな人事院勧告も行われています。保育士の公定価格上の人件費はこれまでも人事院勧告を踏まえて見直されてきたため、今後の公定価格改定についても国の発表を確認していく必要があります。

ただし、2026年9月現在、令和8年人事院勧告を受けた保育士の公定価格について具体的に何%引き上げるかまで確定したとはいえません。

そのため、「来年度は○%上がる」といった未確定情報ではなく、こども家庭庁の正式発表を確認しましょう。

参考:人事院「令和8年人事院勧告」

保育士の給料アップは採用・定着にもつながる

保育士不足が続くなか、給与水準は求職者が勤務先を選ぶ重要な条件の一つです。

保育園経営者にとって処遇改善制度を活用することは、単に国の制度へ対応するだけではありません。

給与水準を適切に改善し、「毎年どのくらい昇給するのか」「経験を積むとどのようなキャリアがあるのか」「どの役職になると給与がどの程度変わるのか」などを明確にすることで、求人時の魅力にもつながります。

さらに、ICT化や人員配置の見直しなどによって業務負担を軽減できれば、給与と働きやすさの両面から職員の定着を促進できます。

まとめ

保育士の給料は、国の処遇改善策によって継続的に引き上げられています。

2025年度には公定価格上の人件費について5.3%の改善が行われ、2026年度についてもその水準が引き続き確保されています。平均賃金から機械的に計算すると年額約20万円に相当する改善ですが、すべての保育士の給与が一律に20万円増えるわけではありません。

また、2013年度以降の処遇改善は累計約39%となっているものの、現在も保育士の平均賃金は全産業平均を下回っています。

そのため、今後も保育士の処遇改善は重要な政策課題となるでしょう。

保育園経営者にとっては、国の制度を適切に活用するだけでなく、給与体系や処遇改善の内容を職員へ分かりやすく伝えることも重要です。

さらに、給与アップと同時にICT化や職員配置の見直しなどによって業務負担を減らすことで、保育士が長く働き続けられる園づくりにつなげていきましょう。