放課後等デイサービスでは、学校から事業所、事業所から自宅などへの送迎を行っている事業所も多くあります。
保護者にとって便利な一方、送迎は「時間を間違えて迎えに行けなかった」「学校との引き渡しがうまくいかなかった」「子どもが車から飛び出してしまった」など、さまざまなトラブルが起こりやすい業務でもあるのです。
この記事では、放課後等デイサービスの送迎で起こりやすいトラブル事例とその原因、防止するための対策、トラブル発生時の対応について解説します。
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放課後等デイサービスで起こりやすい送迎トラブル
送迎トラブルというと交通事故をイメージしやすいですが、実際には予定確認や子どもの引き渡しなど、運転以外の場面でもトラブルが発生します。
まずは代表的な事例を確認してみましょう。
送迎時間や予定を間違える
「下校時刻を勘違いしていた」「利用日の変更が職員に共有されていなかった」など、送迎予定に関するトラブルです。
放課後等デイサービスでは曜日によって利用者が異なるうえ、短縮授業や学校行事、長期休暇などによって下校時刻も変わります。さらに、保護者から当日になって利用キャンセルや時間変更の連絡が入ることも。
変更内容を電話や紙、個人間のチャットなど複数の方法で管理していると、担当者まで情報が届かず、迎え忘れや必要のない迎えが発生する原因になります。
学校で子どもを正しく引き渡せない
学校への迎えでは、放課後等デイサービスだけでなくスクールバスや保護者、ほかの事業所など、複数の送迎車両が同時に出入りすることがあります。
実際に、利用していない放課後等デイサービスへ児童を誤って引き渡してしまった事例も。
こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインでも、学校への迎えでは事故が発生しないよう細心の注意を払い、送迎時の対応や事故・トラブル発生時の連絡体制について、あらかじめ学校と共有・調整しておくことが重要です。
「〇年〇組の〇〇さん」のように氏名まで確認して引き渡す、学校側の担当者を決めておくなど、誰を誰に引き渡したのかが曖昧にならない仕組みを作りましょう。
子どもが送迎車に乗ってくれない
予定どおり学校へ迎えに行っても、子どもが「今日は乗りたくない」と拒否することがあります。
理由は、気持ちの切り替えが難しい、いつもと違う職員や車両に不安を感じている、学校でもっと遊びたいなど、子どもによってさまざまです。
無理に車へ乗せようとすると興奮が強くなったり、道路へ飛び出したりする危険もあります。
どのような声掛けなら切り替えやすいのか、どの程度待つのか、乗車できない場合は誰へ連絡するのかなど、その子に合わせた対応方法をあらかじめ職員間で共有しておくことが重要です。
乗降時に飛び出してしまう
送迎車を降りた直後に道路へ飛び出したり、職員の手を離れて走り出したりする事故にも注意が必要です。
特に衝動的に行動しやすい子どもや、周囲の危険を認識することが難しい子どもの場合、「車から降りたから送迎は終了」と考えてはいけません。
車から施設や自宅の安全な場所まで、誰が付き添い、どこで誰に引き渡すのかを明確にしておきましょう。
子どもの特性によっては、一人の職員だけでは安全を確保できないケースもあります。個別の支援方法を踏まえて職員配置を検討することが大切です。
車内で子ども同士のトラブルが起きる
送迎車内で子ども同士が口論になったり、隣の子に触ったり、シートベルトを外したりすることもあります。
運転者が対応しようとして運転への集中力が低下すれば、交通事故につながる危険もあります。
トラブルが起こりやすい組み合わせを把握して座席を離す、必要に応じて添乗職員を配置するなど、乗車する子どもの特性に合わせて座席や職員配置を考えましょう。
「運転しながら何とかする」ことを前提にしないことが重要です。
渋滞などで送迎時間が遅れる
道路状況や学校の下校時間のずれによって、予定していた送迎時刻に間に合わないこともあります。
特に複数の学校や家庭を一つの車両で回る場合、最初の学校で10分遅れるだけでも、その後の送迎が次々と遅れる可能性も。
到着時間をあまりに厳密に設定すると、運転する職員が焦り、安全確認がおろそかになる原因にもなります。送迎ルートにはある程度余裕を持たせ、一定以上遅れる場合は保護者や学校へ連絡するなどの基準を決めておきましょう。
自宅に到着しても保護者がいない
自宅まで送り届けたものの、保護者が不在で子どもを引き渡せないケースもあります。
だからといって、小学生などの子どもを玄関前に残してそのまま帰るのは安全上問題です。
「保護者不在の場合は〇分待機する」「連絡がつかない場合は事業所へ戻る」「事前に登録された家族であれば引き渡せる」など、事業所としてルールを定めておきましょう。
入退室管理システムなど、事業所を出る時に保護者に自動で通知が送られるようなシステムを導入しておくのも手です。
学校や近隣住民から駐停車について苦情が入る
学校周辺には複数の放課後等デイサービスの車両が集まることがあり、路上駐車や渋滞が問題になるケースもあります。
大阪府では、支援学校周辺で放課後等デイサービスの送迎車両が行列となり、ほかの車両や歩行者の通行を妨げたり、周辺住民から苦情が寄せられたりするケースがあるとして対応事例を公開しています。
学校ごとに指定された乗降場所や待機場所がある場合は必ず従い、路上で長時間待たなければならない送迎計画は見直しましょう。
(参考:https://www.pref.osaka.lg.jp/o090080/chiikiseikatsu/syougaijisien/taioujireinitsuite.html)
子どもが車内に取り残される
送迎トラブルの中でも、特に重大な事故につながるのが車内への置き去りです。
「いつも最後に確認しているから大丈夫」といった職員個人の注意力だけに頼るのではなく、点呼や安全装置など複数の方法で防止する必要があります。
現在は、放課後等デイサービスで障害児の移動のために自動車を運行する場合、乗車時と降車時に点呼などの方法で所在確認を行うことが義務付けられています。
さらに、日常的に送迎に使用する車両については、原則として座席が3列以上の車両に、ブザーなどの見落とし防止用安全装置を設置する必要があります。
放課後等デイサービスで送迎トラブルが起こる原因
送迎トラブルは、単純に「担当した職員が注意不足だった」とは限りません。
例えば迎え忘れであれば、
- 利用変更の連絡先が統一されていない
- 最新の送迎表がどれなのか分からない
- 送迎表を作った人以外が確認していない
- 学校からの下校時刻変更が共有されていない
- 一人の職員が送迎予定を把握している
といった複数の要因が重なって発生することがあります。
そのため、トラブルが発生した際に「次から気を付けましょう」で終わらせても、根本的な解決にはなりません。
誰かが忘れたり勘違いしたりしても事故につながらない仕組みを作ることが、送迎トラブル防止には重要です。
放課後等デイサービスの送迎で必要な安全対策
放課後等デイサービスでは、安全計画の策定や職員への周知、定期的な研修・訓練などが求められています。
送迎についても事業所独自のルールを明確にしましょう。
送迎予定を一覧化する
その日の送迎対象者について、
「誰が」
「どの学校・自宅へ」
「何時に」
「誰を迎えに行くのか」
「どの車両を使うのか」
が一目で分かる状態にしておきます。
変更があった場合も古い予定表と新しい予定表が混在しないよう、最新情報を確認できる場所を一つにまとめることが大切です。
送迎担当者以外も確認する
送迎担当者自身が予定表を作成し、そのまま一人で確認すると、思い込みによる間違いを発見できない可能性があります。
出発前に別の職員が利用予定と送迎表を照合するなど、ダブルチェックを取り入れると効果的です。
「担当者が休んだら誰も送迎予定を把握できない」という状態も避けましょう。
学校と引き渡しルールを決める
学校ごとに、
- 待ち合わせ場所
- 引き渡し担当者
- 本人確認方法
- 下校時間が変わった場合の連絡方法
- 送迎が遅れた場合の対応
- 子どもが待ち合わせ場所へ来ない場合の対応
などを決めておくと安心です。
文部科学省も、学校と放課後等デイサービスが「誰が、どの時間に、どの事業所の送迎に乗るのか」といった情報や送迎時のルールを事前に調整することを示しています。
(参考:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1365225.htm)
乗車・降車時には必ず人数を確認する
「全員降りたように見える」ではなく、乗車予定者と実際に乗車した子どもを一人ずつ照合しましょう。
降車時も同様、最後に車内を目視確認するだけでなく、点呼や安全装置などを組み合わせることで確認漏れを防ぎます。
こども家庭庁は2026年9月2日にも、送迎用バスの置き去り防止安全装置について、適切な運用と点検整備を行うよう改めて周知しています。
安全装置については「取り付けたから安心」ではなく、正常に作動するか定期的に確認することも重要です。
(参考:https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/tsuchi)
子どもごとの注意点を共有する
送迎時の危険性は子どもによって異なります。
例えば、「車を降りると突然走り出すことがある」「いつもと違う車だと乗車を拒否することがある」「隣の子に触れてしまうことがある」といった情報は、送迎を担当する職員にも共有しておきましょう。
普段その子を担当していない職員が急きょ送迎することになっても、安全に対応できる状態が理想です。
無理のない送迎ルートを作る
送迎予定を詰め込みすぎると、少しの遅れでも職員が焦りやすくなります。制限速度を守っていては次の学校に間に合わないようなスケジュールでは、安全な運行を継続できません。
学校での待ち時間や交通状況も考慮し、一定の余裕を持ったルートを設定しましょう。
送迎トラブルが発生したときの対応
トラブルが起きた場合は、まず子どもの安全確保を最優先します。
交通事故や行方不明、置き去りなど緊急性が高い場合は、必要に応じて警察や救急へ連絡するとともに、管理者へ速やかに報告します。そのうえで、保護者や学校などの関係者に事実を伝えましょう。
事故については、内容に応じて自治体などへの報告が必要となる場合があります。放課後等デイサービスガイドラインでも、事故発生時には速やかに都道府県、市町村、家族などへ連絡し必要な措置を講じるとともに、各自治体の事故報告基準や報告方法を確認することが求められています。
検証して改善に繋げる
トラブルが落ち着いた後は、「何が起きたか」→「なぜ起きたか」→「どこを変えれば再発しないか」まで検証することが重要です。
例えば迎え忘れであれば、担当者への注意だけで終わらせるのではなく、「利用変更を受け付ける場所を一本化する」「出発前に二人で確認する」といった仕組みの改善につなげます。
ヒヤリ・ハットについても記録・共有し、重大事故になる前に対策しましょう。
送迎の安全管理では「記録を残すこと」も重要
送迎業務では、「迎えに行ったはず」「引き渡したと思う」といった記憶だけに頼ることは危険です。
利用予定や乗降、事業所への到着・退出などについて記録を残しておけば、確認漏れを発見しやすくなるだけでなく、万が一トラブルが起きた際にも状況を確認できます。
紙のチェック表でも管理できますが、利用人数が多かったり複数拠点を運営していたりする場合は、デジタルツールを活用するのも一つの方法です。
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「ビヨンド入退くん」は、QRコードやICカードなどを利用して子どもの入退室を記録できるシステムです。
入退室時には保護者へ自動で通知できるため、「ちゃんと施設に着いたかな」「もう施設を出たかな」といった保護者の不安軽減にもつながります。
インターネットにつながるスマートフォンでも利用でき、送迎バスや課外活動で活用している利用者もいます。
送迎ルートや学校への迎え予定そのものを管理するシステムではありませんが、子どもがいつ入退室したのかを記録として残す仕組みを取り入れることで、紙や職員の記憶だけに頼らない安全管理につなげられます。
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まとめ
放課後等デイサービスの送迎では、交通事故だけでなく、迎え忘れや引き渡し間違い、乗車拒否、飛び出し、保護者不在、近隣からの苦情、車内への置き去りなど、さまざまなトラブルが考えられます。
こうしたトラブルを防ぐためには、一人ひとりの職員に注意を求めるだけでは不十分です。
送迎予定の共有方法や学校との引き渡しルール、乗降時の確認方法、トラブル発生時の連絡手順などをあらかじめ決め、誰が担当しても同じように安全確認できる仕組みを作ることが重要です。
また、実際に事故が起こらなかったヒヤリ・ハットも含めて記録・共有し、送迎ルールを継続的に見直していきましょう。
ICT化で職員の負担を減らし保護者満足度を上げる
放課後等デイサービスでは、子どもへの支援だけでなく、保護者との情報共有や日々の入退室管理も重要な業務です。
こうした業務をデジタル化することで、職員の負担を減らしながら、保護者にとっても「子どもの様子がわかる」「施設に到着したことを確認できる」といった安心につなげられます。
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日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。
放課後等デイサービスにおいて、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。
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「ビヨンド入退くん」は、子どもの入室・退室を記録し、保護者へ通知できる入退室管理システムです。
「施設に無事到着したか」「いつ退室したか」を保護者が確認できるため、送迎や帰宅時の安心につながります。職員にとっても、電話で行っていた入退室確認をデジタル化することで、記録や確認作業の負担軽減が期待できます。
放課後等デイサービスの安全管理を強化しながら、保護者への安心提供と業務効率化を両立したい場合は、ビヨンド入退くんの導入をぜひご検討ください。
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