放課後等デイサービスを運営している方や、これから開業を考えている方の中には「放課後等デイサービスは儲かるの?」と気になっている方もいるでしょう。
放課後等デイサービスの経営者について、国が公表している「平均年収」の統計はありません。民間の記事などではさまざまな目安が紹介されていますが、実際の年収は事業所の売上や利益率、経営者自身が現場に入るか、複数事業所を運営しているかなどによって大きく異なります。
この記事では、放課後等デイサービス経営者の年収の考え方や、事業所の収益構造、経営者の収入を左右する要素について詳しく解説します。
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放課後等デイサービス経営者の年収はどのくらい?
放課後等デイサービス経営者の年収について、公的な平均額を示す統計はありません。
民間サイトでは、1事業所を運営する経営者について年収350万円~500万円程度とする情報がある一方、経営状況の良い事業所では600万円~1,000万円程度を目安として紹介している例もあります。
ただし、これらはあくまで目安です。
一般的な会社員とは異なり、経営者の場合は会社の利益がそのまま本人の年収になるわけではありません。法人経営の場合、経営者は会社から役員報酬を受け取るため、同じ利益を出している事業所でも役員報酬の設定によって年収は変わります。
また、
- 1事業所のみを運営している
- 複数の事業所を展開している
- 経営者自身が管理者などを兼務している
- 他の福祉事業も運営している
といった経営形態によっても大きな差があります。
そのため、「放課後等デイサービス経営者なら年収○万円」と一律に考えるのではなく、事業所がどれだけの利益を安定して残せるかを見ることが重要です。
放課後等デイサービス経営者の年収と利益は同じではない
特に注意したいのが、「事業所の利益」と「経営者の年収」を混同しないことです。
たとえば年間3,000万円の売上があり、300万円の利益が残ったとしても、その300万円がそのまま経営者の年収になるわけではありません。
法人の場合、経営者自身の役員報酬も人件費などとして会社の経費に含まれます。
つまり、イメージとしては、
売上-職員給与-家賃-車両費-水道光熱費-その他経費-経営者の役員報酬=会社に残る利益
となります。
経営者自身が管理者などとして事業所運営に深く関わっているケースでは、その働きに対する役員報酬を受け取ることもできます。
一方で、開業直後など会社の財務基盤を安定させたい時期には、経営者の役員報酬を抑えて会社に資金を残す場合もあります。
そのため、経営者の年収だけを見ても、その事業所がどれだけ儲かっているかを正確に判断することはできませんし、逆も然りです。
放課後等デイサービスの利益率はどのくらい?
厚生労働省の「令和7年障害福祉サービス等経営概況調査」によると、放課後等デイサービスの「収支差率」は、令和5年度決算で8.2%、令和6年度決算で9.3%でした。
収支差率とは、事業所の収入から人件費や家賃などの支出を差し引いたあと、どのくらいのお金が残ったかを示す割合です。たとえば、年間1,000万円の収入に対して支出が907万円だった場合、残る93万円が「収支差」となり、収支差率は9.3%となります。
つまり、単純化すると、1,000万円の収入に対して平均約93万円の収支差が生じているイメージになります。
なお、この数字は全国の調査対象事業所の平均です。利用児童数や人員配置、地域、加算の取得状況などによって各事業所の収益性には大きな差があります。
放課後等デイサービスは適切に運営できれば一定の収益を確保できる事業である一方、「開業すれば必ず儲かる」というわけではありません。
放課後等デイサービスはどうやって売上を得ている?
放課後等デイサービスの収入の中心となるのが、障害児通所給付費です。
一般的な民間サービスでは、利用者から直接利用料金を受け取りますが、放課後等デイサービスではサービス費用の大部分が公費によって賄われています。
そのため、一般的な店舗ビジネスと比べると、利用料金の未回収リスクが比較的小さいという特徴があります。
一方で、報酬単価や加算の要件は制度によって定められているため、事業者側が自由に価格を引き上げることはできません。
したがって、
- 利用児童数
- 稼働率
- 基本報酬
- 加算
- 人員配置
- 人件費
- 家賃や車両費などの固定費
などを適切に管理することが、安定経営につながります。
放課後等デイサービス経営者の年収を左右する要素
利用児童数・稼働率
経営に大きく影響するのが、利用児童数です。
人件費や家賃などは利用者が少なくても発生するため、定員に対して利用者が少ない状態が続けば利益を確保しにくくなります。
一方で、安定して利用児童を確保できれば、固定費の割合が下がりやすくなり、利益を残しやすくなります。
ただし、単純に利用児童を増やせばよいわけではありません。人員基準や定員を守ったうえで、適切な支援体制を整えることが大前提です。
加算の取得状況
放課後等デイサービスには、事業所の人員配置や支援内容などに応じてさまざまな加算があります。
必要な支援を提供しているにもかかわらず、本来算定できる加算を取得していなければ、事業所の収益機会を逃してしまいます。
一方で、加算を取得するためだけに無理な人員配置を行えば、人件費が増えてかえって利益が減る場合もあります。
自施設の利用児童や職員体制を踏まえ、取得可能な加算を定期的に確認することが大切です。
人件費
放課後等デイサービス経営では、人件費が大きな支出となります。
児童発達支援管理責任者や児童指導員、保育士など必要な人員を配置しながら、利用状況に合わせて適切な勤務体制を整える必要があります。
人件費を削減しすぎれば職員一人ひとりの負担が増え、離職やサービス品質の低下につながる可能性があります。反対に、利用児童数に対して過剰な人員配置が続けば、経営を圧迫します。
収益性だけではなく、職員が長く働き続けられる環境とのバランスを取ることが重要です。
経営者自身が現場に入るか
経営者自身が管理業務や現場業務を担うかどうかによっても、収益構造は変わります。
経営者が事業所運営に関われば、別途管理職を採用する場合と比べて人件費を抑えられるケースがあります。
ただし、経営者が現場業務に追われすぎると、採用や営業、資金管理、新規事業所の立ち上げなど、本来経営者が行うべき仕事に時間を使えなくなることもあります。
1事業所を運営する段階と、多店舗展開を目指す段階では、経営者の役割を変えていくことも必要です。
事業所数
複数の事業所を黒字で運営できれば、経営者の収入を増やせる可能性があります。
たとえば1事業所から一定の利益を確保できている場合、2店舗、3店舗と増やすことで法人全体の利益を拡大し、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
ただし、事業所数を増やせば採用や人材育成、管理業務も増加します。
赤字の事業所を複数抱えてしまえば、むしろ法人全体の経営を悪化させるため、まずは1事業所を安定して運営できる仕組みをつくることが重要です。
放課後等デイサービス経営で発生する主な費用
放課後等デイサービスの売上からは、さまざまな費用が差し引かれます。
主な費用としては、以下が挙げられます。
| 費用 | 主な内容 |
|---|---|
| 人件費 | 児発管、児童指導員、保育士などの給与・賞与・社会保険料 |
| 家賃 | 事業所物件の賃料・共益費 |
| 車両費 | 送迎車の購入・リース・ガソリン・保険・整備 |
| 水道光熱費 | 電気・ガス・水道 |
| 通信費 | 電話・インターネット・システム利用料 |
| 消耗品費 | 教材、玩具、衛生用品、事務用品など |
| 保険料 | 事業所や利用児童に関する各種保険 |
| 採用費 | 求人広告、人材紹介料など |
| その他 | 税理士費用、研修費、広告宣伝費など |
特に人件費の占める割合が大きいため、人員配置と利用児童数のバランスが経営上重要となります。
放課後等デイサービス経営者の年収を上げるポイント
稼働率を安定させる
まず重要なのが、継続的に利用してもらえる事業所をつくることです。
学校や相談支援事業所、地域の関係機関との連携を強化するとともに、保護者から信頼してもらえる支援を提供することが欠かせません。
口コミや紹介によって利用者が安定して集まるようになれば、広告費を抑えながら稼働率を維持しやすくなります。
取得できる加算を定期的に確認する
報酬制度は改定されるため、「以前は取れなかったから」とそのままにせず、定期的に算定状況を確認することが大切です。
2026年度にも障害福祉サービス等報酬改定が行われており、放課後等デイサービスを含む障害児支援について報酬体系の見直しが行われています。
制度変更を把握し、自施設の支援内容や人員体制に適した加算を適切に算定しましょう。
(参考:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」)
職員の離職を防ぐ
職員の採用には求人広告費や人材紹介料だけでなく、教育のための時間も必要です。
せっかく採用した職員が短期間で退職してしまえば、採用と教育を何度も繰り返すことになり、大きなコストになります。
適正な給与や休日を確保するとともに、業務負担を特定の職員に集中させないことが大切です。
業務を効率化する
職員の負担を減らすには、日々の事務作業を見直すことも重要です。
放課後等デイサービスでは、以下のように多くの事務作業が発生します。
- 保護者への連絡
- 出欠確認
- 利用予定の管理
- 支援記録
- 請求業務
- 経理業務
- 電話対応
紙や電話、Excelなどを組み合わせて管理していると、転記や確認作業が増え、職員の業務時間を圧迫します。
ICTシステムなどを活用し、職員が本来の支援業務に集中できる環境を整えることも、長期的な経営改善につながります。
固定費を定期的に見直す
売上を増やすだけでなく、無駄な支出を減らすことも利益改善につながります。
以下の項目は特にムダを発生しやすいため、定期的に見直しましょう。
- 使用していないサービスの契約
- 必要以上に高額な物件
- 車両の保有台数
- 電話・通信契約
- 保険
- 求人媒体
ただし、支援の質や職員の待遇を犠牲にするコスト削減は避ける必要があります。
放課後等デイサービス経営は厳しい?
「放課後等デイサービスは儲かる」と聞くことがある一方、「経営が厳しい」という声もあります。
実際には、どちらか一方というわけではありません。
最新の厚生労働省調査では、放課後等デイサービス全体の収支差率はプラスとなっています。一方で、これはあくまで平均であり、すべての事業所が黒字という意味ではありません。
特に、
- 利用児童が集まらない
- 児発管など必要な人材を採用できない
- 人件費が高騰する
- 加算を十分に取得できない
- 報酬改定に対応できない
- 職員の離職が続く
といった状況になれば、経営が厳しくなる可能性があります。
放課後等デイサービスは福祉サービスであると同時に、一つの事業でもあります。
良い支援を継続するためにも、適切な利益を確保し、職員の給与や設備、人材育成などへ還元できる経営体制をつくることが重要です。
デジタル化で保護者に安心と便利を
放課後等デイサービスでは、子どもへの支援だけでなく、保護者との情報共有や日々の入退室管理も重要な業務です。
こうした業務をデジタル化することで、職員の負担を減らしながら、保護者にとっても「子どもの様子がわかる」「施設に到着したことを確認できる」といった安心につなげられます。
ビヨンド連絡帳

「ビヨンド連絡帳」は、施設と保護者の連絡をデジタル化できる連絡帳システムです。
日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。
放課後等デイサービスにおいて、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。
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「施設に無事到着したか」「いつ退室したか」を保護者が確認できるため、送迎や帰宅時の安心につながります。職員にとっても、電話で行っていた入退室確認をデジタル化することで、記録や確認作業の負担軽減が期待できます。
放課後等デイサービスの安全管理を強化しながら、保護者への安心提供と業務効率化を両立したい場合は、ビヨンド入退くんの導入をぜひご検討ください。
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