発達障害や発達に特性のある子どもと関わる仕事では、一人ひとりの特性を理解し、その子に合った声かけや環境づくりを行うことが大切です。
そのような発達支援について学べる資格の一つに「発達支援教育士」があります。
発達支援教育士では、発達障害に関する基礎知識だけでなく、視覚支援やコミュニケーション、身だしなみ、お金の管理、防災・防犯など、子どもが将来自立して生活するために必要な支援方法を幅広く学びます。
本記事では、発達支援教育士とはどのような資格なのか、取得方法や学習内容、放課後等デイサービスで働く人が取得するメリットなどについて詳しく解説します。
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発達支援教育士とは?
発達支援教育士とは、株式会社整理収納教育士が認定する、発達に特性のある子どもの自立支援について学ぶための資格です。
発達障害やグレーゾーンと呼ばれる子どもたちの特性を理解するとともに、生活環境の整え方やコミュニケーション、生活習慣など、日常生活に密着した支援方法を学べることが特徴です。
講座では「できないことを大人が代わりに行う」のではなく、子ども自身が少しずつできることを増やし、自立する力を育てていくための考え方や実践方法を学びます。
幼稚園・保育園・学校などの教育関係者のほか、福祉施設で働く人なども対象としており、受講するために特定の資格や実務経験は必要ありません。
発達支援教育士は国家資格ではない
発達支援教育士は、国が認定する国家資格ではなく、株式会社整理収納教育士が認定する民間資格です。
そのため、発達支援教育士の資格を取得しただけで、保育士や児童発達支援管理責任者などの資格・任用要件を満たせるわけではありません。
一方で、発達支援に関する知識や実践方法を体系的に学べるため、すでに放課後等デイサービスや児童発達支援などで子どもの支援に携わっている人が、スキルアップを目的として取得する資格として活用できます。
発達支援教育士は放課後等デイサービスで役立つ?
発達支援教育士で学ぶ内容は、放課後等デイサービスの支援とも親和性があります。
放課後等デイサービスでは、単に子どもを預かるだけでなく、それぞれの発達段階や特性に応じ、日常生活や社会生活に必要な力を身につけるための支援を行います。
発達支援教育士では、視覚支援や言葉かけだけでなく、衣類・お金の管理、防災・防犯など、日常生活に直結するテーマについて学ぶため、日々の支援を考える際のヒントとして活用できるでしょう。
特に、次のような場面で役立てやすい資格です。
- 指示がうまく伝わらない子どもへの声かけを考える
- 絵カードや写真などを使った視覚支援を取り入れる
- 持ち物の整理や片付けを習慣化する
- 着替えや身だしなみを自分で整える練習をする
- 買い物やお金の使い方を学ぶ活動を行う
- 災害時や外出時の安全行動について教える
子どもの「困った行動」だけを見るのではなく、「なぜ難しいのか」「どのような環境であれば行動しやすいのか」という視点を持つきっかけにもなります。
発達支援教育士で学べる内容
発達支援教育士認定講座のカリキュラムは、大きく6つに分けられています。
- 発達障害について
- 支援方法の基礎
- 視覚支援とコミュニケーション
- 服の管理と身だしなみ
- お金の使い方
- 防災・防犯
発達障害について
まず、発達障害や発達特性についての基本的な知識を学びます。
子どもによって、得意なことや苦手なこと、感じ方、情報の受け取り方などは異なります。
支援する側が特性について理解することで、「なぜ言うことを聞いてくれないのだろう」と行動だけを見るのではなく、その背景にある困難を考えやすくなります。
放課後等デイサービスにおいても、一人ひとりに合わせた支援を考えるための基礎となる部分です。
支援方法の基礎
発達に特性のある子どもへの基本的な支援方法を学びます。
すべてを大人が手伝うのではなく、子どもが自分自身でできることを少しずつ増やしていくことが重要です。
そのためには、「できる・できない」だけで判断するのではなく、作業を細かく分けたり、環境を整えたりするなど、成功しやすい仕組みをつくる必要があります。
こうした考え方は、放課後等デイサービスにおける日常生活支援にも応用できます。
視覚支援とコミュニケーション
発達支援では、言葉だけでは理解しにくい子どもに対し、写真やイラスト、文字などを活用した「視覚支援」が使われることがあります。
例えば、「宿題をする→おやつを食べる→自由遊び」という流れを絵や写真で示せば、次に何をするのか理解しやすくなります。
予定の変更が苦手な子どもや、複数の指示を一度に理解することが難しい子どもに対しても有効でしょう。
また、子どもの特性に合わせた言葉の選び方や伝え方など、コミュニケーションのヒントについても学びます。
服の管理と身だしなみ
子どもの自立を考えるうえでは、着替えや身だしなみ、衣類の管理なども重要な生活スキルです。
例えば、「脱いだ服をどこに置けばよいのかわからない」「季節や気温に合った服を選ぶのが難しい」といった困りごとがある子どももいます。
収納場所をわかりやすくしたり、行動の手順を示したりすることで、自分でできるようになる可能性があります。放課後等デイサービスでも、学校から到着した後の荷物整理や着替えなど、日常の活動の中で取り入れやすい支援です。
お金の使い方
子どもが成長し、社会生活を送るうえで必要になるのが金銭管理です。
お金には限りがあることや、必要なものと欲しいものを考えること、予算の範囲内で買い物をすることなどを少しずつ学んでいきます。
放課後等デイサービスでも、お買い物体験やイベントなどを通じて金銭感覚を学ぶ活動を行うことがあります。こうした活動を考える際にも、発達支援教育士で学んだ知識を活用できるでしょう。
防災・防犯
地震や火災、不審者などから自分自身を守るための防災・防犯についてもカリキュラムに含まれています。
発達特性によっては、突然の大きな音や予定変更によってパニックになったり、避難時の指示を理解することが難しかったりすることもあります。
日頃から避難方法を視覚的に示したり、繰り返し練習したりするなど、一人ひとりに合わせた備えを考えることが重要です。
発達支援教育士の資格を取得する方法
発達支援教育士になるには、株式会社整理収納教育士が実施している「発達支援教育士認定講座」を受講します。
2026年9月時点の公式サイトでは、次のような講座概要となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資格名 | 発達支援教育士 |
| 認定団体 | 株式会社整理収納教育士 |
| 受講時間 | 5.5時間(昼食時間を除く) |
| 受講料 | 26,400円(税込) |
| 受講条件 | 特になし・誰でも受講可能 |
| 受講方法 | 対面・オンライン |
| 修了後 | 発達支援教育士の認定証を発行 |
受講料にはオリジナルテキスト代2,200円(税込)と認定料5,500円(税込)が含まれています。
講座は全国各地で実施されているほか、オンライン講座も用意されているため、近くに開催会場がない場合でも受講可能です。
(参考:https://kyouikushi.jp/course-lineup/hattatsu-shien/)
※講座内容や料金などは変更される可能性があるため、申し込みの際は必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
発達支援教育士を取得するメリット
発達特性に応じた支援を考えやすくなる
放課後等デイサービスでは、同じ年齢であっても子どもによって得意なことや苦手なことが大きく異なります。
ある子にはわかりやすい説明でも、別の子には理解しにくいことも珍しくありません。
発達障害や発達特性について学ぶことで、「なぜできないのか」ではなく「どうすればできるようになるのか」という視点から支援方法を考えやすくなります。
視覚支援などを現場に取り入れやすくなる
「あとで片付けてね」「準備が終わったら次の活動を始めるよ」といった曖昧な指示は、子どもによっては理解しにくい場合があります。
写真やイラスト、スケジュール表などを使って行動を視覚化すれば、見通しを持ちやすくなることも。
発達支援教育士では、こうしたコミュニケーションのコツについても学ぶため、日々の支援を見直すきっかけになります。
自立を意識した支援につなげられる
放課後等デイサービスに通っている間だけ困らない状態をつくるのではなく、その後の社会生活まで見据えた支援を考えることも重要です。
身だしなみ、お金、整理収納、防災・防犯などを学ぶ発達支援教育士は、子どもの将来的な自立という観点から支援を考える際に役立ちます。
「職員がやってあげる」から「子どもが自分でできる仕組みをつくる」へと支援の視点を変えるきっかけになるでしょう。
職員研修にも活かせる
事業所内で支援方法が職員によって大きく異なると、子どもが混乱する原因になることがあります。
特定の職員だけが資格を取得する場合でも、講座で学んだ考え方を職員間で共有することで、支援方法を検討する際の共通認識づくりに役立てられます。
例えば、ケース会議で「この子にはどのような視覚支援が合うか」「どこまで職員が手伝い、どこから本人に任せるか」などを話し合う際にも活用できます。
発達支援教育士を取得する際の注意点
児童指導員の任用資格にはならない
放課後等デイサービスで働く人にとって特に注意したいのが、発達支援教育士と「児童指導員」は別のものであるという点です。
発達支援教育士を取得しただけで、児童指導員の任用資格を得られるわけではありません。
放課後等デイサービスには、人員基準として児童指導員または保育士、児童発達支援管理責任者などを一定数配置することが定められています。
発達支援教育士は、こうした法令上の配置資格とは別に、現場での支援スキルを高めるための民間資格として考えるとよいでしょう。
資格を取るだけで支援ができるわけではない
発達障害という言葉でまとめられていても、実際の特性や困りごとは一人ひとり異なります。
資格で学んだ方法をすべての子どもに同じように当てはめるのではなく、その子の発達段階や特性、家庭環境などを踏まえて支援方法を検討する必要があります。
「発達障害の子どもにはこの方法」と決めつけるのではなく、さまざまな支援方法を考えるための知識の一つとして活用することが大切です。
発達支援教育士と似ている資格との違い
発達支援に関係する資格にはさまざまなものがあるため、混同しないようにしましょう。
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者、いわゆる「児発管」は、児童発達支援や放課後等デイサービスなどで、個別支援計画の作成や支援全体の管理などを担当する職種です。
放課後等デイサービスでは児童発達支援管理責任者を1人以上配置することが定められており、一定の実務経験や研修修了などの要件があります。
一方、発達支援教育士は民間資格であり、放課後等デイサービスの配置基準を満たすための資格ではありません。
児童指導員
児童指導員は、放課後等デイサービスなどで子どもの支援を直接担当する職種です。
児童指導員になるためには、大学等で所定の学科を修了している、教員免許を持っている、一定期間児童福祉事業に従事しているなど、定められた任用要件を満たす必要があります。
発達支援教育士を取得しても児童指導員の任用資格にはなりませんが、すでに児童指導員として働いている人が発達支援について学ぶ目的で取得することは可能です。
保育士
保育士は、国家資格である保育士資格を持つ専門職です。
保育園だけでなく、児童発達支援や放課後等デイサービスで働くこともできます。
発達支援教育士は保育士資格の代わりになるものではありませんが、保育士が発達特性のある子どもへの関わり方を学ぶためのスキルアップとして活用できます。
放課後児童支援員
放課後児童支援員は、主に放課後児童クラブ(学童保育)で子どもの生活や遊びを支援する職種です。
一定の資格や実務経験などの要件を満たしたうえで、都道府県などが実施する「放課後児童支援員認定資格研修」を修了することで、放課後児童支援員として認定されます。
学童保育と放課後等デイサービスの両方に関わる人にとっては、放課後児童支援員として子どもの生活支援に関する知識を身につけつつ、発達支援教育士で発達特性に応じた関わり方を学ぶなど、それぞれの知識を補完的に活かすことができます。
発達支援教育士はどんな人におすすめ?
発達支援教育士は、次のような人に向いています。
- 放課後等デイサービスで働いている
- 児童発達支援事業所で働いている
- 保育士・児童指導員として支援の幅を広げたい
- 発達に特性のある子どもへの声かけに悩んでいる
- 視覚支援について学びたい
- 子どもの自立を意識した支援を行いたい
- 放課後等デイサービスの職員研修に活かせる知識を増やしたい
- これから障害児支援の仕事に関わりたい
特に、すでに放課後等デイサービスで勤務しており、「資格要件は満たしているけれど、発達支援そのものについて改めて勉強したい」という人にとっては、知識を整理する機会になるでしょう。
デジタル化で保護者に安心と便利を
放課後等デイサービスでは、子どもへの支援だけでなく、保護者との情報共有や日々の入退室管理も重要な業務です。
こうした業務をデジタル化することで、職員の負担を減らしながら、保護者にとっても「子どもの様子がわかる」「施設に到着したことを確認できる」といった安心につなげられます。
ビヨンド連絡帳

「ビヨンド連絡帳」は、施設と保護者の連絡をデジタル化できる連絡帳システムです。
日々の子どもの様子や連絡事項をオンラインで共有できるため、紙の連絡帳を準備・管理する手間を減らせます。また、保護者側もスマートフォンなどから内容を確認でき、時間や場所を問わず施設からの連絡を受け取れます。
放課後等デイサービスにおいて、保護者との情報共有をスムーズにしながら、職員の連絡業務を効率化したい場合におすすめです。
ビヨンド入退くん

「ビヨンド入退くん」は、子どもの入室・退室を記録し、保護者へ通知できる入退室管理システムです。
「施設に無事到着したか」「いつ退室したか」を保護者が確認できるため、送迎や帰宅時の安心につながります。職員にとっても、電話で行っていた入退室確認をデジタル化することで、記録や確認作業の負担軽減が期待できます。
放課後等デイサービスの安全管理を強化しながら、保護者への安心提供と業務効率化を両立したい場合は、ビヨンド入退くんの導入をぜひご検討ください。
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