勤怠表とは|必要な記載項目や保管方法、効率良く作成するコツを解説

勤怠表の作成に慣れていない担当者は、何を記載したらよいのか分からない場合があります。しかし、法律に則った勤怠表を作成しなければ、ペナルティを受けることになるかもしれないため注意が必要です。

本記事では勤怠表の概要や記載項目、取り扱いの注意点などを、経営者・人事担当者・勤怠管理担当者に向けて解説します。従業員の勤怠管理に役立ててください。

勤怠表とは

勤怠表とは、従業員の出退勤時刻や休暇などの勤務状況をまとめた表のことです勤怠管理表ともいいます。法律で定められたルールに従うことはもちろんですが、給与計算に使用するため正確性が問われます。

勤務表との違い

勤怠表と混同されがちなものに「勤務表」があります。勤怠表は、従業員が実際に勤務した内容を記録する表です。勤務表は、従業員の勤務スケジュールや予定などをまとめたものであり、法的に定められたルールはありません。

勤怠表を作成する主な目的を解説

勤怠表は作成する目的があります。ここでは、主なものを3つ解説します。

勤怠表の役割
  • 労働時間の把握
  • 法令遵守
  • 給料の未払い防止

給与計算・残業時間の把握に使用するため

勤怠表の目的の1つは、給与計算です。勤怠管理者は勤怠表を見ることで、従業員の労働時間を正確に把握できます。適切な給与計算をするためには、勤怠表が必要不可欠と言っても過言ではありません。

特に働き方改革の施行後、割増賃金が適用されて計算も複雑な残業時間の正確な把握が求められています。勤怠表があれば事実に基づいた残業時間が分かりやすくなるのがポイントです。

法律に則した経営をするため

企業は、労働基準法第24条の「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」との定めに従わなければなりません。従業員の労働に対する対価の全額を通貨で支払う義務があり、遵守しない場合はペナルティもあります。

給料の未払いを防止するため

企業は従業員に給料を支払わなくてはなりません。給料未払いは立派な法律違反です。従業員の給料計算を行う上で基本となる帳票が勤怠表であり従業員の正確な労働時間を把握でき、給料の未払い防止に役立ちます。 

勤怠表に記載すべき項目一覧

勤怠表に記載すべき項目
  • 出勤、退勤時刻
  • 労働時間
  • 残業時間
  • 休日労働時間
  • 早退、遅刻の有無
  • 有給の取得日数
  • 欠勤日数
  • 出勤状態の区別

それぞれについて解説します。

出勤時刻・退勤時刻

出勤時刻退勤時刻は、正確な労働時間を知るために記載する必要があります。出勤後、勤務を始めるまでの間にタイムラグがある場合は、勤務開始時間や勤務終了時間を記入してください。情報が改ざんされないような工夫が必要です。

労働時間

労働時間は基本的に、出勤時刻と退勤時刻から算出した拘束時間から、休憩時間などを除いた時間です。所定労働時間を超えた場合は残業時間となり、所定労働時間に満たない場合は、賃金控除の対象となりますので注意しましょう。

残業時間

残業時間は、所定労働時間を超過して勤務した場合に発生する労働時間です。法定労働時間である8時間を超えている場合は、25%の割増賃金を支払います。残業時間が夜10時を超えた場合は、50%の割増賃金を支払わなければなりません。

休日労働時間

休日労働時間は、法定休日に出勤となった場合に、35%の割増賃金を支払わなければいけないため、記載する必要があります。所定休日に出勤となった場合は、割増賃金の支払いは不要となります。

早退・遅刻の有無

従業員の早退遅刻についても、勤怠表への記録が必要です。企業によっては所定労働時間を過ぎたり、満たしていなかったりする場合に早退・遅刻扱いされます。賃金が控除されるケースもあります。

有給の取得日数

従業員の有給休暇の取得日数も勤怠表に記入します。有給休暇の取得日数を管理する必要があるからです。具体的には有給休暇が年に10日以上付与されている従業員は、必ず5日取得しなくてはならないと労働基準法で定められています。

欠勤日数

欠勤は賃金控除の対象となるため、勤怠表に記載する必要があります。欠勤とは、労働しなくてはならない日に出勤せず、まったく勤務を欠いていることです。給料が支払われない休みのことであり、有給が付与されていないと起こりやすくなります。

出勤状態の区別

勤務表には、出勤状態の区分もわかるように記載します。出勤状態の区分によって給料の算出方法が異なるからです。休日勤務は、割増賃金を支払わなければなりません。残業や深夜労働なども同様です。区分により、正確な給料計算を目指します。

勤怠表をきちんと作成・保存しなかった場合の取り扱いとは

企業は勤怠表を作成・保存しなければいけませんが、もし守らないとどのような取り扱いを受けるのでしょうか。この章で詳しく解説します。

記録をしなければ賃金台帳調整義務違反となる

従業員の勤怠情報の記録は労働基準法第108条で義務付けられているため、勤怠表を作成していなければ賃金台帳調整義務違反となります。場合によっては、30万円以下の罰金が科せられるかもしれません。

勤怠表を作成せずに勤怠記録も怠っていて、法律で定められた有給休暇を従業員に付与されなかった場合にもペナルティが発生します。具体的には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。

勤怠表は漏れなく正確に記載することが大切です。

保管しなければ罰金が科せられる

勤怠表の保管は労働基準法第109条で定められているため、遵守を努めましょう。労働基準法では、「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない」とされています。

勤怠表は、「賃金その他労働関係に関する重要な書類」に該当するため、5年間保管しなければなりません。2020年3月までは3年間だったため、この機会に再確認することをおすすめします。

保管期間が経過した書類は処分してもいい

保管期間が経過した書類は、処分しても何ら問題ありません。不必要となった勤怠表を含む書類は廃棄しましょう。廃棄する際は情報漏洩の注意が必要です。念のため残しておきたい場合は、データ化してクラウドなどで保存する方法もあります。

従業員とトラブルになる恐れもある

勤怠表を正確に作成し、法律に則って保管していないと、従業員とのトラブルに対応できない場合があります。従業員からの、給料の過不足や未払いの問い合わせに対応できなければ、最悪の場合、訴訟問題になるかもしれません。

システム・アプリで勤怠管理する企業が増えている

勤怠表は、エクセルや手書きでしたが、勤怠管理システムや勤怠管理アプリを利用して作成する企業が増えています。システムやアプリを利用することで担当者の負担が軽減され、ミスを削減でき、正確な勤怠表が自動的に作成されます。

勤怠システムを利用するメリットとは

多くの企業が勤怠システムを導入するのは、多くのメリットがあるからです。代表的なものを3つ紹介します。

勤怠システムを利用するメリット
  1. 法令遵守の勤怠管理が可能
  2. 勤怠表の集計作業などの効率化が実現
  3. 不正打刻の防止

法令順守の勤怠管理が可能

働き方改革関連法の施行で残業時間の上限が厳しくなり、法の遵守がこれまで以上に求められるようになりました。企業の勤怠管理においても、注意しなければならないポイントが増えています。

勤怠システムを導入することで、法律違反を防止する効果があります。従業員の残業時間などがリアルタイムで把握できるため、36協定を尊守しやすくなるのです。法律が改正されれば、自動的にアップデートされるシステムもあります。

勤怠表の集計作業などの効率化が実現

勤怠表を作成するためには、従業員ごとの労働時間や残業時間を算出し集計しなければなりません。集計作業は工数が多く時間のかかる業務です。しかし勤怠システムを導入すれば、自動的に勤怠表が作成されるため、業務効率が格段にあがります。

勤怠システで集計すれば勤怠表作成時のミスが発生する可能性も低く、これまでよりも正確な勤怠表を作成できるのもポイントです。給料計算システムとの連動も可能なため、勤怠システム導入すれば、バックオフィスの人的コストを削減できます。

不正打刻の防止

勤怠管理システムを導入すれば、従業員の不正打刻防止が可能です。

タイムカードなどを使用した従来の打刻方法は、従業員のなりすましなどによる不正の防止が課題でした。しかし勤怠管理システムの打刻では、ICチップや顔認証、指紋認証などによる本人確認ができるため不正な打刻を防止できます。スマートフォンなどのモバイル端末にアプリをインストールすれば、GPSによる位置情報が確認できるため、不正な打刻を防げます。

まとめ

勤怠表は、法律で定められたルールがあるため、正確に記載し保管しなければなりません。勤怠表に記載すべき項目は、定められた法律を守りながら自社に必要なものを記載するとよいでしょう。

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