タイムカードの電子化が進んでいますが、手書きのタイムカードを使用し続けている企業も存在します。
この記事では、手書きのタイムカードの特徴に触れたうえで、使い勝手について解説します。
手書きのタイムカードの向き・不向きや注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
勤怠管理で把握すべき情報
2019年4月に施行された働き方改革関連法により、企業は従業員の勤怠情報を正確に把握し、管理しなければならなくなりました。出退勤や欠勤はもちろん、遅刻や早退、休憩時間、休日や有給休暇の取得などについても、すべて管理する必要があります。
原則として客観的な方法で勤怠管理を行うことが求められていますが、やむを得ない場合には従業員の手書きによる自己申告で勤怠を管理しても問題はありません。しかし、勤怠情報を細かく管理するには、ツールを使用するのが効率的です。(参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定))
タイムカードを手書きするメリット
手書きのタイムカードは、勤怠管理のコストがほとんどかかりません。複雑な仕組みを導入する必要もないため、どのような状況でも活用できます。
従業員が少ない企業なら、手書きのタイムカードでも集計に手間はかからないでしょう。手書きのタイムカードに不満を感じておらず、そのまま使い続けている企業もあります。
タイムカードを手書きするデメリット
手書きのタイムカードには、デメリットもあります。ここでは、タイムカードを手書きするデメリットについて解説します。
作業の手間がかかる
手書きのタイムカードは、1枚ずつ目視で確認する必要があります。従業員数が多ければ、企業が把握している情報と照らしあわせる作業に、大きな手間がかかります。情報をパソコンに手入力しなければならないため、入力ミスが発生するリスクもあります。
簡単に書き換えられる
手書きでは、後から内容を書き換えても、他人が見破るのは困難です。書き換えによる不正を防ぐには、記入のたびに上司の捺印を必須にするという方法もあります。しかし、タイムカードは頻繁に使うため、毎回上司の捺印を必須にすると、手間が大きくなります。
判読できないケースもある
従業員によっては文字に癖があり、タイムカードをチェックする担当者が判読できない場合もあります。集計する際に担当者が読み間違えると、データに誤りが生じるため、注意が必要です。また、修正作業は余計な手間にもつながり、面倒に感じるおそれがあります。
柔軟な働き方に対応できない
手書きのタイムカードは、カード自体がないと勤怠状況を確認できません。テレワークにより自宅で働いたり、営業で直行直帰したりする従業員がいる場合、手書きのタイムカードを提出するのは困難です。そうなると、企業側は従業員の勤怠状況をすぐに把握できません。
5年間保管しなければならない
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、タイムカードの保管義務を3年間と定めています。ただし、労働基準法が改正されて、2020年4月からは保管期間が5年に変更されました。当面の保管期間は3年ですが、将来的には5年間保管する必要があります。
従業員数にもよりますが、5年分のタイムカードを保管するとなると、ある程度のスペースが必要になります。また、必要に応じて確認ができるように整理しておかなければなりません。
入退管理システムの導入により、タイムカード保管場所の確保や、勤怠の手計算といったわずらわしさから解放された企業の事例はこちら。
手書きのタイムカードでも対応できるケース
手書きのタイムカードにはデメリットもありますが、どのような場合なら対応できるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
もともとパソコン作業が少ない
パソコン作業よりも、紙の資料を用いた作業が多い場合は、手書きのタイムカードでも不便を感じる場面は少ないでしょう。むしろ手書きのタイムカードは、従業員が親しみやすく、スムーズに活用できる可能性があります。勤怠管理だけを電子化すると、かえって面倒に感じる人もいるでしょう。
従業員が少ない
従業員が少なければ、手書きのタイムカードでも、管理や集計にそれほど多くの手間はかかりません。たとえば、全体の従業員数が100名程度であれば、1部署あたりの人数は10名前後でしょう。部署ごとに管理や集計を行う体制が整っているなら、手作業でも問題なく対応できます。
非正規雇用の比率が高い
従業員のうち非正規雇用の比率が高ければ、従業員によって勤務時間が異なる可能性があります。そのような状況で無理にタイムカードを電子化すると、設定に手間がかかる場合もあります。手書きのタイムカードで柔軟に対応できているなら、そのまま利用を続けたほうがスムーズに業務を進められるでしょう。
手書きのタイムカード利用時の注意点
手書きのタイムカードを利用するときは、気をつけたいポイントもあります。ここでは、手書きのタイムカードを利用する際の注意点を解説します。
残業時間の記入欄も作成する
タイムカードには出退勤の時刻だけではなく、残業時間も記入させましょう。これにより、残業時間を正確に把握できるようになります。残業時間を記入する欄がなければ、備考欄を使用しても構いません。また、過重労働を防止するためにも、残業時間は月末にまとめて確認するのではなく、毎日確認することをおすすめします。
すぐに提出できない場合は事前に申告させる
手書きのタイムカードは、従業員の状況によっては、すぐに提出できない場合もあります。テレワークをしたり、直行直帰をしたりする従業員がいるなら、タイムカードの提出は後からでも問題ありません。ただし、タイムカードに記入する都度、出退勤を報告させましょう。電話やメールでの連絡でも、企業側は実際の状況を証拠として残せます。
紛失時は再発行の手続きを行う
手書きのタイムカードを使用していると、従業員が紛失するケースもあります。紛失が発覚したら再発行し、勤怠管理に支障が出ないようにしましょう。紛失の可能性を考慮するなら、あらかじめフォーマットを共有し、従業員が自由に使用できるようにするのもおすすめです。
一元管理で保管する
手書きのタイムカードは、従業員に保管させるのではなく、全員分をまとめて1カ所に保管しましょう。必要なときに担当者がすぐに確認できるだけではなく、紛失のリスクも防止できます。そのためには、長期間安全に保管し続けられる場所を確保することも大切です。
偽造には毅然とした態度で対応する
手書きのタイムカードに偽造があった場合は、厳重注意や罰則規定の適用を検討しましょう。ミスではなく明らかに偽造であるなら、毅然とした態度で対応しなければなりません。従業員が偽造に至った動機も必ず確認し、再び同じことが起きないように対策する必要があります。
手書き以外のタイムカードで効率化しよう
タイムカードは手書きでも対応できますが、オンラインで勤怠管理ができるサービスを利用すると便利です。特にテレワークを進めているなら、タイムカードも電子化することをおすすめします。オンラインで利用できるタイムカードのサービスには、さまざまなものがあります。
たとえば、入退室管理システム 入退くんなら、勤怠ルールを設定したうえで、自社の状況に即した管理が可能です。低コストで導入できるため、予算が限られている場合でもおすすめです。
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まとめ
従業員が少ない企業や、パソコン作業が限られている企業であれば、手書きのタイムカードでも問題なく勤怠管理ができます。しかし、勤怠管理を効率よく行うためには、多くの場合、オンライン化したほうが効果的です。
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