従業員の人数が多いほど、タイムカードの計算に時間がかかってしまいます。タイムカードの計算をスムーズに行うには、どうしたらいいのでしょうか。
この記事では、タイムカードの計算をスムーズに行うための方法について解説します。
また、Excelの活用法やタイムレコーダー、勤怠管理システムなどの導入方法についても紹介しているので、タイムカード計算にお困りの方はぜひ最後までご覧ください!
タイムカードの必要性
タイムカードは、従業員の労働時間を適正に管理するために必要なツールです。
従業員による自己申告制による管理も可能ですが、タイムカードやその代わりになるものがあると、さらに勤怠管理や労務管理がしやすくなります。
企業は、正社員やアルバイトなどの雇用形態にかかわらず、すべての従業員の勤怠管理を適切に行う責任があります。タイムカードを使用せず、勤怠管理を怠れば、従業員に適正な給与を支払うことができません。
企業と従業員の間でトラブルになり、問題が公になれば、企業としての社会的な信頼を失う可能性があります。
タイムカードの電子化も進んでいる
従来使用されている紙ベースのタイムカードは、中小企業などを中心に現在でも使用されています。タイムカードの管理方法は、もっぱらExcelなどを使用するケースが多いです。
一方で以下のような背景を理由に、タイムカードを電子化する企業も増えています。
タイムカードの電子化により、給与計算の手間が大幅に減少した企業の事例はこちら。
職員が出勤できているかどうかをパソコンで確認することも出来るようになりました。データで入退出の記録が残るため、給料計算に関しても基幹システムと連携してほぼ自動で計算できるようになりました。
【利用者の声】明誠株式会社(オフィス)より
タイムカードの計算を困難と感じる原因は?
タイムカードを集計する際、Excelへの入力や確認が必要なため、給与計算に時間がかかります。計算に慣れたベテランの担当者であっても、入力漏れや打刻漏れ、入力ミスの確認などに時間を要するでしょう。
残業時間の計算間違いに気づかずに給与を支払えば、企業と従業員の間に誤解が生じ、トラブルに発展する可能性もあります。また、法改正にあわせた集計表を作成したり、全従業員に周知徹底させたりと、担当者の負担が増していることも、タイムカードの計算を困難だと感じる一因です。
タイムカードの計算をいかに簡単に行えるようにするかが重要になってきます。
勤怠管理の流れと注意点
一般的に勤怠管理はどのように行われるのでしょうか。勤怠管理の詳しい流れや注意点について紹介します。
タイムカード(もしくはそれに代わるもの)に記録し、計算(集計)し、給与計算を行う
勤怠管理は3つのステップに沿って行われます。
タイムカードなどに従業員の勤務時間を記録し、集計表に出退勤・休憩・休日・有給休暇などを記載します。
紙ベースのタイムカードを使用している場合、集計表への記載は、すべて手作業で行わなければなりません。集計データをもとに、従業員ごとの給与計算をします。
具体的には、課税の支給額や社会保険料などの控除額、通勤手当など、給与以外の金額の計算が必要です。
タイムカード(もしくはそれに代わるもの)の管理をしっかりと行う必要がある
勤怠管理を行う際、タイムカードの取り扱いに注意しましょう。
タイムカードは、給与計算のもとになる重要なデータであるため、管理をしっかりと行う必要があります。タイムカードの管理を怠れば、従業員による不正入力や不正打刻などが起こるリスクが高まります。
また、担当者が集計時に入力ミスなどをしていないかを確認することも重要です。
15分・30分単位の切り捨ては違法
基本的に、勤怠は1分単位で管理することが正しい方法です。
しかし、労働時間を15分・30分単位で切り捨ててしまうなど、労働時間の端数処理が問題視されています。15分・30分単位で切り捨てることは、労働基準法の第24条で定められている「賃金全額払い」の違反にあたります。
企業は、労働の対価として働いた分の給与を従業員に支払う責務があります。
決して、知らなかったでは済まされないため、勤怠管理を行う担当者に周知徹底させておきましょう。
タイムカードの計算を楽にしてくれる方法にはどのようなものがあるか
「タイムカードの計算を楽にする」とは、具体的にどのような状態を指しているのでしょうか。
たとえば、以下の項目をクリアできれば、タイムカードの計算を楽にできたと実感できるでしょう。
- 集計時間の短縮
- 集計ミスの減少
- スムーズな給与計算など
これらを実現するための4つの方法を紹介します。それぞれの方法を行った場合のメリットやデメリットについても、以下で詳しく解説します。
Excelを活用する
Excelの関数を用いて計算式入りの集計表を作成することで、集計時間の短縮が可能です。Excelには、標準機能として関数が搭載されているため、集計表を簡単に作成できます。
ネット上でダウンロードできるExcelの無料テンプレートを活用するとよいでしょう。数字を打ち込むだけで集計できます。
集計ツールを活用する
タイムカードの情報を入力するだけで利用できる、無料集計ツールを活用するのも良いでしょう。
たとえばCASIOの「Keisan」というサイトの「時間計算」では、タイムカードに記載された「開始時刻」「終了時刻」を入力すると、経過時間を「時・分・秒」で表示することができます。「パート勤務時間計算」では、より詳細な情報を入力することで給与の計算もできます。
タイムレコーダーを利用する
タイムカードや打刻のみのタイムレコーダーを別のものに置き換えることも一つの方法です。
たとえば、自動集計機能付きや給与ソフトとの連動ができるタイプや、タブレットやクラウド上で利用できるタイムレコーダーもあります。
これらの機能を備えたタイムレコーダーを導入すれば、自動的にパソコンに勤怠データが送信されるため、集計表に手入力する手間や人為的なミスが削減できます。
勤怠管理システムを導入する
勤怠管理システムを導入することで、タイムカードの計算にかかる労力を減らせます。勤怠管理システムでは、打刻・集計・給与計算などのソフトとの連携が可能なため、勤怠管理に関するデータの一元化が可能です。
システム上ですべての管理や確認が行えるようになるため、タイムカードの計算が楽になるだけでなく、勤怠管理全般の効率化を図れます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
勤怠管理システムの導入により、大幅な業務効率化に成功した企業の事例はこちら。
Excelのメリット・デメリット
Excelを活用した場合のメリットやデメリットについて、くわしく解説します。
メリット:導入コストがかからない
Excelを活用するメリットは、すでに導入している職場においては導入コストがかからないことです。Excelの関数を使って集計表を作成した場合、従業員の出退勤時間を手入力するだけで、総労働時間を自動計算できます。
Excelの関数を上手に活用することで、時間の短縮も可能です。上述したとおり、必要な計算式が設定された無料のテンプレートをダウンロードすることで、自作する手間を省けます。
デメリット:手入力が必要
Excelを使用した場合の大きなデメリットは、手入力が必要なことです。
人が行う作業のため、誤入力やデータの削除などの人的なミスは避けられません。計算式を誤って削除・改変してしまっても、気づきにくいです。また、従業員が打刻漏れや不正入力をしないよう、管理者が確認や注意を行う手間も発生します。
そもそも、勤怠管理者に関数やマクロに関する知識がないとExcelでの運用は困難です。
ほかにも、国が定めたガイドラインに沿っていない、多様な勤務形態の導入により、タイムカードでの勤怠管理が難しくなっていることもデメリットに挙げられます。
【参考】勤怠管理に活用できる関数
休憩時間など、固定の時間を表示する際に便利なのが「TIME関数」です。労働時間を求める計算式に用いれば、休憩時間の入力の手間を省けます。
「HOUR関数」と「MINUTE関数」は、それぞれ「時」や「分」のみを集計する際に活用できます。
「FLOOR関数」は、一定の基準値で切り捨てを行う関数です。TIME関数と組み合わせることで、スムーズな集計が可能です。
シフト表に記号を使用している場合、「VLOOKUP関数」を活用することで、記号の入力と同時に指定した時間数を表示できます。
集計ツールのメリット・デメリット
メリット:無料で使える
無料集計ツールを利用する一番のメリットは、簡単な計算をコストをかけずに行うことができる点です。
人数が少ない職場では、コストカットに最適な方法と言えます。
デメリット:時間がかかる
タイムカードの情報を自分で入力しなくてはいけないため、結局は時間がかかってしまいます。
そのため、人数が多い職場ではあまりおすすめしません。
タイムレコーダーのメリット・デメリット
タイムレコーダーを利用した場合のメリットやデメリットを紹介します。
メリット:出退勤時刻の管理や把握がしやすい
タイムレコーダーのメリットは、出退勤時刻の管理や把握がしやすいことです。
ICカード型など、パソコンとの連携が可能なタイプを活用すれば、打刻と同時に自動集計されるため、勤怠管理業務の効率化を図れます。
また、法改正や多様な勤務形態への対応も容易に行えます。給与計算はもちろん、残業代の計算も可能です。
デメリット:導入コストがかかる
タイムレコーダーを利用すれば、導入コストがかかります。
紙ベースのタイムレコーダーを使用する場合は、集計に時間がかかってしまいます。また、レコーダー本体の設置場所やタイムカードの保管場所の確保も必要です。
データの改変が可能なことから、データ改ざんなどの不正にも注意しなければなりません。
勤怠管理システムのメリット・デメリット
勤怠管理システムを導入した場合のメリット・デメリットについて解説します。
メリット:不正を防止しつつ業務効率が向上する
勤怠管理システムは、打刻するとシステム上に自動でデータが反映されるため、勤怠情報を入力する手間が省け、データ集計の自動化も可能です。打刻も用紙不要であるため、保管場所の確保や用紙購入の手間が省けます。
また、経理ソフトとの連携が可能なシステムを導入すれば、企業全体の業務効率を向上させることも可能です。
ほかにも、多様な勤務形態への対応もスムーズに行えるうえに、客観的な勤怠記録を残せることで不正防止にもつながります。
デメリット:導入時に経営陣から理解を得られにくい
勤怠管理システムを導入するデメリットは、費用対効果が見えづらいため、経営陣から理解を得られにくいことです。導入が決まった場合でも、システムを使用するためには、基本操作や国のガイドライン、法改正などへの理解が必要です。
また、機能が豊富で複雑なシステムを選んでしまうと勉強会やマニュアル作成が必要になり、かえって工数やコストの増大につながります。そのため、自社に必要な機能のみを揃えたシステムを選ぶよう注意が必要です。
低価格で導入するなら「入退くん」
ここまで、Excelやタイムレコーダー、勤怠システムを活用した方法について見てきました。
しかし、手作業の手間がない、不正打刻や不正入力のリスクがない、勤怠管理がしやすいといったメリットをバランスよく備えたものはありません。
実は、これらのメリットが得られる上に、低価格で利用できるおすすめの方法があります。それが、BPS株式会社の「入退室管理システム 入退くん」です。
入退くんはタイムカードからICカード・QRコードへの置き換えができるiOS/Android/Windows対応アプリです。タブレットやパソコンへの導入が可能なほか、独自の勤怠ルールを設定できます。
初期費用は無料で、専用機器の導入も不要。1人あたり月額55円から使えるため、低コストで導入することができます。
タイムカード用紙が1枚当たり15円ほどなので、+40円~で毎月数時間の集計を削減できると考えるととてもお得です。
実際に入退くんを導入して勤怠管理の効率化に成功した事例はこちら。
まとめ
タイムカードは、企業が勤怠管理を行う上で不可欠なものです。従来は、紙ベースのタイムカードが使用されていましたが、現在はICカードなどの電子化が進んでいます。これにより、勤怠管理や労務管理の業務効率を向上させることが可能です。
タイムカードから別の勤怠管理方法に変更を検討中の方は、BPS株式会社の入退室管理システム「入退くん」なら低コストで導入できますよ。日報管理システム「日報くん」と連携すればリモート社員の勤怠管理や、工数管理の自動化も可能です。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。