突然ですが、あなたの職場はしっかり法律を順守した勤怠管理ができていますか?
「昔からやってるし大丈夫でしょ?」
「代々引き継がれた資料通りにやってるから」
…労働基準法は2019年に改正されており、2024年にも知っておくべきポイントがあります。「今まで通りのやり方」では知らないうちに法律違反をしてしまい、最悪メディアで報道される事態に陥りかねません。
この記事では、「知らなかった」では済まされない法改正の内容も踏まえながら法律を遵守した勤怠管理のポイントについてくわしく解説するため、ぜひ参考にしてください。
勤怠管理が法律で定められている理由とは
そもそも、なぜ勤怠管理は必要なのでしょうか。
ここでは、法律で勤怠管理が定められている理由を解説します。
労働者の健康を守るため
勤怠管理を行うことにより、労働者の過重労働を防げます。労働時間が長くなりすぎれば、過労やストレスなどで健康を害してしまう恐れがあります。睡眠不足やストレスは思考力の低下やパフォーマンスの低下を引き起こします。
勤怠管理をすることで、1日の労働時間や月の労働日数などを把握・管理が可能です。労働者の働きすぎを防ぎ適切な労働環境を保つことは、企業の責務です。
企業を労使トラブルから守るため
勤怠管理は労働者だけでなく企業を守ることにもつながります。勤怠管理を怠っていると、ストレスによるうつ状態、残業代の未払いといった労使トラブルが起こりやすくなります。
労使トラブルが起こってしまうと、業務上過失や賠償責任、離職者の増加といった大きなダメージを企業が負う可能性があります。現代では一度メディアに取り上げられるとSNSでの炎上などにも繋がり、イメージダウンに繋がりやすいため、より注意が必要です。
改正労働基準法とは
2019年4月に改正労働基準法が施行されました。労働基準法が改正されたことによりさまざまな影響がありますが、勤怠管理面では特に次の4点が重要です。
- 残業時間の上限規制
- 年次有給休暇の取得義務
- 割増賃金の引き上げ
- 労働時間の客観的把握方法の確立
参考:働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
以下では、これらの4つのポイントについて解説します。
「知らなかった」では済まされない内容であるため、しっかり頭に入れておきましょう。
残業時間の上限規制
法改正の前は36協定を結んでいれば、残業時間の上限はありませんでした。
しかし、改正労働基準法では残業時間には上限が設けられており、上限を超えて働かせることはできなくなりました。上限規制では、「原則1日の労働時間は8時間以内」「残業時間を月45時間、年360時間以内に収めること」と定められています。
ただし、例外として月45時間以上の残業は行う場合には年6か月までに収めることとなっています(特別条項付36協定)。また、例外を適用する場合であっても、残業時間は年720時間以内、複数月の平均80時間以内(休日労働含む)、月100時間未満(休日労働含む)に収めなければいけません。
年次有給休暇の取得義務
改正前は、6カ月間継続で勤務した労働者のうち全労働日の8割以上出勤した人には、原則として10日の年次有給休暇を与えなければいけないと定められていました。法改正後には、有給休暇を与えるだけでなく、しっかりと取得させる義務が追加されています。
年次有給休暇を取得した日から1年以内に、最低でも5日間の有給休暇の取得時期を指定して取得させなければいけなくなりました。この対象は、一般労働者だけでなく管理監督者*も含まれています。
*管理監督者とは、経営会議に参加したり部門全体を管理するなど、経営者と同程度の重要な責務を担う地位のことです。
また、パートタイムなど所定労働日数が少ない人の場合、年次有給休暇の日数は所定労働日数に比例して付与されます。特に店舗経営などでパートタイマーを多く雇用している職場は「パートには有給休暇は不要」だと思い込んでいる場合が多いです。しかし、表の太枠部分に該当する労働者は「年5日の年次有給休暇の確実な取得」に含まれるため注意が必要です。
参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
割増賃金の引き上げ
中小企業の方は特に注意が必要な項目です。
改正前には、週40時間・1日8時間という法定労働時間を超える時間外労働(法定時間外労働)を行う場合、法定割増賃金率25%以上で計算して割増賃金を支払う必要がありました。
改正後は、大企業・中小企業どちらであっても1カ月60時間を超える法定時間外労働に対しては、法廷割増賃金率は50%以上に引き上げられています。改正当時の2019年には中小企業に猶予が与えられていましたが、2023年4月からは中小企業も適用となっているため必ず守りましょう。
ただし、割増賃金の代わりに有給休暇を「1日」または「半日」に換算して付与することも可能です。労働者と
労働時間の客観的把握方法の確立
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督より
(ア) 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
(イ) タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
労働時間を客観的に把握するための法改正も行われています。改正前は、事業所ごとに労働者の労働時間や働いている日数といったデータを記録する義務が課せられていました。
しかし、この方法では、管理監督者やみなし労働時間制で働いている労働者の勤怠管理が難しく、正確な労働時間の把握が難しいという問題点がありました。
このような問題を改善するため改正後には一般労働者だけでなく、管理者やみなし労働時間制対象者などを含めたすべての労働者(高度プロフェッショナル制度の対象者*以外)の勤怠管理を行うことと義務付けられています。
*年収1,075万円以上を支払われる、専門的かつ高度な職業能力を持つ労働者
参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督
改正労働基準法を法律違反した際の罰則
改正労働基準法違反が発覚した場合、罰則が科せられます。残業時間の上限を超えて働かせた場合には、6カ月以下の懲役もしくは超過している労働者1人当たり30万円以下の罰金となります。
また、年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合には30万円以下の罰金です。また、就業規則で年次有給休暇取得の際に管理監督者による時季指定を行うと記載していなかった場合も同様に、30万円以下の罰金が科せられます。
さらに、労働者が希望する時季に年次有給休暇を与えなかった場合にも罰則があります。この場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。
※参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説|厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
勤怠管理を行う上で注意するべき法律のポイント
勤怠管理を行う際には、注意したい点があります。法律のポイントを押さえて、勤怠管理を行いましょう。
労働時間に対する考え方
労働基準法における労働時間は、「実労働時間」と明記されています。この実労働時間とは、過去の判例を参考にして考えると、「実際に働いたすべての時間」のことになります。オフィスでの法定労働時間だけが、実際の労働時間ではありません。
たとえば、仕事が終わらずに残業をするケースもありますし、自宅に仕事を持ち帰って行うケースもあるでしょう。また、業務を実際に行っている時間だけでなく、就業前後の着替え時間や研修なども労働時間に当たる場合が多いです。
適切な方法で労働時間を把握する必要がある
企業には、適切な方法で労働者の勤務日数や始業・終業時刻の確認、記録を行うという義務があります。
労働基準法によると、労働時間の記録については使用者本人(管理監督者)がその場で確認して記録する、またはタイムカードやICカードなどで記録することと定められています。また、原則として自己申告制は禁止されており、労働者本人が作成した出勤簿は認められません。
労働基準法の改正後は、記録の保存期間が3年から5年に延長されます。ただし、経過措置として当面の間は保存期間3年が適用されるようです。使用者が管理した記録をしっかりと保存しておきましょう。
法律を遵守した勤怠管理には「勤怠管理システム」がおすすめ
勤怠管理方法は、タイムカードやExcelでの管理など様々ですが、効率的かつ確実に勤怠管理をしたいなら「勤怠管理システム」の導入がおすすめです。
自社にあった勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理がしやすくなる、人的ミスの予防などさまざまなメリットを得られるでしょう。
勤怠管理システムを利用するメリット
勤怠管理システムを利用するメリットは3つあります。
ここでは、各メリットについてくわしく解説します。
人為的ミスの予防ができる
手書きのタイムカードやタイムシートで労働時間の把握を行っている企業も多いでしょう。しかし、手書きの場合集計などの作業も手作業で行わなければいけません。労働者が多ければ多いほど、集計などの作業も増えて、書き間違いなどのミスを起こしやすくなります。
勤怠管理システムを利用すれば、手作業で集計する必要がなくなります。煩雑な作業をシステムが行ってくれるため、勤怠管理の効率化や人為的ミスの減少などが見込めるでしょう。
各従業員のICカードをタッチするタイプのものなら不正も起こりづらく、集計も自動で行えるためミスも手間もほぼなくなります。
複数の業務が一つのシステムで完結する
勤怠管理システムの大きなメリットとして、多彩な機能が一つのシステムに集約されていることが挙げられます。たとえば、基本的な勤怠管理だけではなく、給与計算や集計、シフトの設定などの機能を備えてシステムも多くあります。
よく使うような機能を複数揃えているシステムを選べば、今まで別々の方法で処理や管理、設定していた勤怠管理に関係する業務を、一つの勤怠管理システムに一本化が可能です。一元管理しやすくなり、作業効率の向上も期待できるでしょう。
勤怠管理システムの導入により、業務上のムダを大幅に削減した事例はこちら。
インクリボンやタイムカード用紙といった備品を定期的に購入しなければならないうえに、保管場所の確保も大変でした。毎月の給料計算を手動で行っていたため、給料計算で一日が潰れる事も多々ありました。
【利用者の声】明誠株式会社(オフィス)より
(勤怠管理システム導入後は)データで入退出の記録が残るため、給料計算に関しても基幹システムと連携してほぼ自動で計算できるようになりました。
いつでも従業員の勤怠を把握できる
勤怠管理システムを活用すれば、いつでも労働者の勤怠状況を把握できます。タイムカードなどは、リアルタイムでの労働時間や始業・終業時間などの確認ができません。しかし、勤怠管理システムならいつでも端末から勤怠状況の確認が可能です。
勤怠状況を正確に把握できるため、過度に働きすぎていないかどうかなどがわかり、業務内容の改善や効率化につながる可能性もあります。また、労働時間を超過した場合のアラート機能などを備えているものもあります。
初めての勤怠システムは「入退くん」
勤怠管理システムが便利かどうかは、導入してみないと分からないですよね。今までタイムカードやExcelを利用していた職場は、「システム」「IT化」と聞くだけで複雑なイメージを抱いてしまうでしょう。
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「なぜそんなに安く提供できるの?」
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まとめ
改正労働基準法の施行により、適切な勤怠管理の重要性が増しています。勤怠管理は労働者の健康を守るだけでなく、企業を労使トラブルから守る役割もあるため、しっかりと行いましょう。
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