学童保育の運営には資格が必要!放課後児童支援員の仕事内容から資格取得方法までを解説

学童保育の開設や運営には、2名以上の「放課後児童支援員」の配置が義務付けられています。この記事では、放課後児童支援員とはどういった資格なのかを把握しておきたいという人に向けて、放課後児童支援員の概要のほか、資格の取得方法や取得後に実施すべきことなどを解説します。学童保育の開設に向けた準備を行う際の参考にしてください。

放課後児童支援員の定義

放課後児童支援員とは、放課後クラブなどの学童保育施設への配置が義務付けられている学童保育の専門資格のことです。以下では、放課後児童支援員の概要を解説します。

学童保育の運営に不可欠な資格

放課後児童支援員とは、2015年4月から学童保育施設への配置が義務付けられている有資格者のことです。具体的には、児童40人程度に対して2名以上の有資格者を置く必要があります。ただし、人材を確保できない場合は、2人のうち1人は、支援員のサポート役となる補助員の配置が認められています。

放課後児童支援員は、保育士や社会福祉士などの特定の有資格者や、後述する条件を満たした人が取得できる資格です。

支援員に求められるスキル

放課後児童支援員は、小学1年生から6年生までの年齢が異なる児童のサポートや安全確保を行う必要があります。児童の異変にいち早く気づくためには、ただ様子を眺めているだけではなく、小さな変化に気づける洞察力が欠かせません。また、スクールカウンセラーや学校関係者、保護者などと、円滑なやり取りができるコミュニケーション力も求められます。

学童保育指導員との違い

従来、学童保育施設で働く従業員は、「学童保育指導員」という名称で統一されていました。しかし、学童保育の専門資格として「放課後児童支援員」が新設され、有資格者と無資格者を区別する目的で、専門資格をもたずに学童保育に携わる従業員のことを「学童保育指導員」と呼ぶようになりました

放課後児童支援員と学童保育指導員の違いは、専門知識の有無はもちろん、専門資格をもつかもたないかの差といえます。有資格者の配置は、学童保育の質を向上させようという狙いから義務付けられています。

主な仕事内容

放課後児童支援員の業務内容についても具体的に知っておきましょう。以下では、主な業務内容について解説します。

児童の勉強や遊びを見守る

学童保育施設で、学校の授業を終えた児童を出迎えるほか、児童に宿題を促したり、遊ぶ児童を見守ったりするなどの役割を担っています。また、児童から宿題について質問を受けた場合など、指導が必要になるときもあります。学校や地域などで行われる行事のように、季節ごとにイベントを実施する際は、イベント開催のための準備も必要です。

児童の安全や心身の健康をサポートする

学校のグラウンドなど、屋外で遊ぶ場所がある場合は、室内にいる児童と屋外で遊ぶ児童の両方の安全確保に目を光らせておく必要があります。児童がケガや事故などに遭っていないかなどを観察し、必要に応じて注意を促さなければなりません。また、あらかじめケガや事故のリスクが高い場所を把握しておくことも大切です。

食事や間食を提供する

学童保育施設のなかには、おやつや食事を提供しているところも少なくありません。おやつは、成長期の児童にとって重要なエネルギー補給源です。そのため、長時間学童保育施設で生活する児童にとって、おやつは不可欠なものです。一般的に、市販のおやつを提供する場合が多いものの、イベントの一環として児童と一緒におやつを手作りする機会もあります。

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放課後児童支援員が不足している理由

従来、学童保育施設の利用は、小学1年生から小学3年生までの低・中学年の児童に限られていました。しかし、2015年4月に新設された制度によって、小学4年生以上の高学年の児童の利用も可能になりました。

その一方で、待機児童数が増えすぎるといった新たな課題も指摘されています。なかには、放課後児童支援員の必要数を確保できない施設も少なくありません。要因のひとつとして、給与などの待遇面や人手不足による職場環境の悪化などによる不満が挙げられます。

資格取得には研修の受講が必要

放課後児童支援員の資格を取得するためには、自治体によって開催されている研修を受講しなければなりません。以下では、研修の詳細について解説します。

研修の概要

放課後児童支援員の資格取得には、都道府県が開催する認定研修の受講修了が不可欠です。研修を修了した人のみが、放課後児童支援員の資格を取得できます。研修は1度きりで終わるものではなく、2~3カ月の期間中に4~8日間のカリキュラムの受講が必要です。日数の違いは、1日に受講する科目の数によって異なります。

研修では、学童保育の業務をこなすうえで、必要とされる知識や技能の習得を目的としたカリキュラムが組まれています。

研修の科目内容

認定研修は、6分野16科目で合計24時間のカリキュラムを受講しなければなりません。1科目ごとに実施される講義の時間数は90分間です。主に、学童保育事業の目的や関連する制度内容のほか、子どもの年齢別の発達理解や育成支援などの知識の習得を目的とした科目が設定されています。

ただし、保育士や社会福祉士などの有資格者や教員免許を取得している人は、すでに習得済みの科目と重なるため、一部の科目が免除されます。

受講方法・研修場所

受講時期や研修の実施場所、申請方法は都道府県によって異なります。基本的に、認定研修の履修状況は全国で把握されているため、どの都道府県でも受講できます。そのため、未履修の科目がある場合は、居住地以外の都道府県での受講も可能です。

受講料は無料ですが、テキストの購入費用は実費です。また、将来的に通信学習による資格取得や受講料の有料化に移行する可能性もあります。

資格取得のために必要な条件

厚生労働省では、以下の9項目を定めています。放課後児童支援員になるには、以下の9項目のいずれかの条件を見出し、前述した研修を受講する必要があります。

放課後児童支援員になるための条件
  1. 保育士
  2. 社会福祉士
  3. 高卒以上の学歴または同等の資格があり、児童福祉事業で2年以上従事した人
  4. 幼稚園から高校までのいずれかの教員免許をもつ人
  5. 社会福祉学や心理学、教育学、社会学、芸術学または体育学を専修する学科や課程を修了し、卒業した人
  6. 5の学科で優秀な成績を修め、大学院に入学した人
  7. 6のうち、大学院を卒業した人
  8. 6のうち、海外の大学を卒業した人
  9. 高卒以上の学歴をもち、放課後児童健全育成事業に類似した事業での実務経験が2年以上あり、市区町村長から認定を受けた人

出典:放課後児童支援員に係る都道府県認定研修ガイドライン(案)の概要

学童保育に有効な資格3つ

NPO法人日本放課後児童指導員協会では、独自の資格制度を設けています。放課後児童支援員の取得後に、さらなるスキルアップを目指したいという人におすすめです。以下では、3つの資格について解説します。

放課後児童支援員のスキルアップに役立つ資格
  1. 放課後児童育成支援師
  2. 放課後児童専門育成支援師
  3. 放課後児童高度育成支援師

1.放課後児童育成支援師

放課後児童育成支援師」は、放課後児童支援員の有資格者がより高度な知識や技能を習得したい場合におすすめです。以下で解説する「放課後児童専門育成支援師」や「放課後児童高度育成支援師」を目指すうえで、最初に取得しなければならない資格です。4科目24時間で構成される講義を履修する必要があります。

2.放課後児童専門育成支援師

放課後児童専門育成支援師」は、放課後児童育成支援師の上位資格のひとつです。主に、子どもの育成支援を専門的に学べるカリキュラムが構成されています。受講の対象者は、放課後児童支援員または、放課後児童育成支援師や放課後児童指導員の有資格者です。放課後児童育成支援師と異なり、科目ごとに実施される試験に合格しなければ資格を取得できません。

3.放課後児童高度育成支援師

放課後児童高度育成支援師」は、3つの資格のなかで最も専門性が高く、それに加えて実践を必要とするカリキュラムで構成されています。たとえば、資格取得の条件として、学童保育施設で通算600日以上、指導員として実務経験を積む必要があります。さらに、3時間程度のセミナーで座学を受けた後に、個別面談指導に合格しなければなりません。

資格取得後に実施すべきこと

放課後児童支援員の資格取得後は、運営の仕方などの詳細を検討する必要があります。以下では、開業や運営に向けて行うことを解説します。

2種類の運営方法と開業までの流れ

学童保育の運営は、「フランチャイズ」と「個人」の2種類の方法に分けることができます。フランチャイズは、すでに学童保育を経営している企業と提携し、提携元の傘下として開設する方法です。提携元の経営ノウハウやブランド力を活かせます。

一方、個人による運営方法では、開設場所の検討から開業・運営までのすべてのプロセスを自身で行う必要があります。すべてを自身で決められるため、フランチャイズよりも自由な経営が可能です。以下では、開業までの全体の流れを紹介します。

学童開業までの流れ
  1. 開業・運営資金を用意し、事業計画を立てる
  2. 開設場所の検討や、有資格者を含む従業員の採用を行う
  3. 事業計画に基づき、採算がとれる利用料金を設定する
  4. 開業に向けて、チラシ配布や広告の出稿などで集客を行う
  5. 開業する

学童保育の運営を効率化するためのコツ

業務効率を向上させるには、運営状況を正確に把握したうえで、自動化できる業務は管理システムなどに切り替えることが重要です。なかでも、児童や従業員の入退室の記録などを自動化できる「入退室管理システム」の導入がおすすめです。

入退室管理システムには、保護者へ一括でメール送信できる機能や、複数の拠点の管理を一元化できる機能を搭載する管理システムもあります。

まとめ

学童保育の開設や運営には、放課後児童支援員の配置が不可欠です。また、児童の安全対策の一環として、児童や従業員の入退室管理を行うことも重要です。入退室管理を自動化できれば、学童保育の運営の効率化にもつなげることができます。

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