学童運営

学童保育のICTシステムとは?|ICT化のメリットや施設への導入方法を解説

近年、学童保育のシステム化が注目されています。この記事では、学童保育の施設運営者や、学童保育について知識を深めたい人に向けて、学童保育やICTシステムについて元学童スタッフが解説します。学童保育へICTシステムを導入する方法や、システム化によるメリットについても解説するので、参考にしてください。

筆者<br>(元スタッフ)
筆者
(元スタッフ)

今回も、元学童スタッフが経験と知識を元に執筆しました!

学童保育とは

学童保育とは、放課後に仕事や身内の介護などの理由で、自宅に親がいない児童のためのサービスです。放課後児童クラブや学童クラブとも呼ばれています。基本的な役割は、成長期にある子どもたちに安全で安心な生活を保障することです。

学童保育は、家庭に代わる毎日の「生活の場」でなければなりません。生活の場とは、宿題をしたり、おやつを食べたり、地域に出かけて遊んだりなど、家庭と同じように過ごせる場のことです。

学童保育のニーズが高まった背景

近年では、女性の社会進出が進み、共働きの世帯が増えました。さらに祖父母と別に住む家庭が増え、地域的なつながりが減少したことも大きな要因です。公園や空き地など、子どもたちの遊び場が減少したことも少なからず影響しています。兄弟がいない家庭は、子どもが帰宅後に1人になる状況も多いといえます。

子どもが小学校に入学する際、保護者が勤務を継続できるようにするには、自宅以外で安心して過ごせる場所が必要です。児童の放課後事情は、現在と昔で変化しているので、学童保育のニーズが高まっています。

筆者<br>(元スタッフ)
筆者
(元スタッフ)

私たちの子ども時代とは状況も全然違うんですよね。

そういった認識を持って働くことも大事です。

学童保育の施設が抱える問題や課題

学童保育の施設は、多くの問題や課題を抱えています。ここでは、代表的な4つの解決すべき課題を紹介します。

定員オーバー

学童保育の施設は、国や自治体によって定員が定められています。行政の努力により待機児童数は減少傾向にありますが、依然として多くの待機児童数がおり、学童保育を利用できない状況です。定員が増加すると、活動だけでなく遊び方にも制限がかかり、子どもが落ち着けない環境になると恐れもあります。地域によって待機児童の割合に格差があることも課題です。

閉所時間

公立学童の閉所時間は、多くが18〜19時です。残業がなくても、定時退社で間に合わない場合もあり、フルタイム勤務の保護者はライフスタイルのズレが生じて、働き続けることが困難になるケースがあります。帰宅が遅い保護者にとって、現在の閉所時間は障害になることもあるでしょう。21~22時まで子どもを預けたい人は民間学童という選択肢もあります。

筆者<br>(元スタッフ)
筆者
(元スタッフ)

学童の閉所時間に民間学童の人が迎えに来て、夜間は民間で過ごすという子どももいます。

立地や場所

学童保育施設の多くは、校内の空き教室を利用していますが、学校から離れた児童館や公民館、保育所などで運営されることもあります。送迎付きの学童保育施設もありますが、その分の費用が追加される場合があり、確認が必要です。距離や環境によっては、日々の移動が児童本人や保護者の負担となるケースもあります。

学校から離れている場合は、子どもの入退室が保護者に通知される「入退室管理システム」を導入しましょう。なかでも「入退くん」は、江東区をはじめとした多くの自治体や民間学童施設に導入され、なくてはならない存在となっています。

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指導員不足

2015年から「放課後児童支援員」の資格が設けられました。児童数約40人に対し指導員を2人以上配置すること、うち1名は有資格者の支援員を配置することが各施設に義務化となり、これらの厳しい要件は現場の人手不足を悪化させる原因になりました。

放課後児童支援員の人材は多くの地域で不足しています。残業が多い、人手不足のため休みがとりにくい、専門性が給与に反映されないなどの待遇の悪さが要因です。働く条件が劣悪で働き続けられないケースもあります。

学童保育に採用されているICTシステムとは

ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称であり、デジタル化された情報の通信技術です。インターネットを経由して人と人とをつなぐ役割を果たしています。身近なツールはメールやSNSです。学童保育向けICTシステムは、学童保育施設の放課後児童支援員や運営者の業務負担を軽くするため開発されました。

児童の情報管理システム

児童管理をシステム化して最も変化するのは、児童の入退室管理です。ICリーダーに保護者や児童がタッチすると、タブレット端末やパソコンで入退室の時間を管理できます。保護者のアプリに児童の入退室情報を通知できるので安心です。欠席や未入室の児童、保護者無しで帰宅したり、習い事の前後に利用したりする児童など、職員が一目で情報を把握できます。

学童保育の入退室通知サービスに最適

職員の労務管理システム

労務管理をシステム化すると、シフトの自動作成や勤怠の記録ができます。有給休暇や時間外労働の申請・管理や、職員の配置を計算しながらシフトを自動作成できるシステムもあり、業務の効率化につながります。シフトデータと日々の出勤情報を照合し、自動計算して給与を算出できるシステムもあるので、運営側の負担も軽減されます。

入退室管理システムの導入により、入退室・勤怠データ集計と給与計算を自動化することも可能です。

学童保育のシステム化(ICT化)が注目された背景

国によるICT化推進事業が開始され、注目が高まっています。ICT化を推進することで、利用状況の記録・管理などに関する業務効率化による負担軽減や、利用児童の安全確保が可能です。学童保育施設のICT化を促進するため、国や自治体はICT化推進事業補助金制度を実施しており、さまざまな補助金や助成金を受けられます。

学童でシステム化(ICT化)するメリット

学童保育をシステム化すると、多くのメリットが得られます。経営者・職員・保護者に分けてメリットを解説します。

経営者が得られるメリット

学童保育をシステム化して経営者が得られる最大のメリットは、職員の負担軽減です。職員の負担が軽減すると、残業代のコスト削減につながります。労働環境の改善は、離職を防ぐための課題であり、人手不足のリスクを低下させることが可能です。書類作成の負担を減らすとペーパーレス化になり、消耗品費の削減も期待できます。

職員が得られるメリット

職員のメリットは業務効率化です。どのプランを誰が何回利用したか、紙の情報をもとに集計していたものが、システムにより自動集計できるようになります。

電話対応していた欠席連絡もシステム上で受けることが可能です。1つの端末から情報を共有するので、連携ミスを防ぎます。業務がICTシステムで完結するので、職員の事務作業の軽減や残業削減になり、業務の効率化につながります。

保護者が得られるメリット

保護者のメリットは、学童との連絡にかかる手間が大きく減少することです。欠席や早退といった重要な連絡をアプリで行えるので、通勤中や休憩時間など、タイミングを気にせず連絡ができます。学童からの連絡も、アプリ・メールで受信できるので、過去の連絡事項を見返すことができます。緊急時もメッセージの受け取りが可能なので、安心です。

職員も保護者も嬉しい入退室管理システム

入退室管理システム「入退くん」は、児童の入退室をリアルタイムで保護者に通知するICTシステムです。

「LINEでも受信できるのが便利!」と保護者からも好評です。詳しい特徴はこちら

システムを導入する際の注意点

システムを導入するには、どのような点に注意すべきか解説します。実際に導入する際の参考にしてください。

作業しやすい導入環境を確保する

ICTシステムを利用するためには、安定したインターネット環境が必要不可欠です。使用するパソコンやタブレット端末のスペックが低い場合や、インターネット回線の速度が遅いと、ICTシステムを活用することが困難です。システムを快適に利用するため、導入環境をきちんと整えることが大切です。

システムを使いこなせることが必要

パソコンやタブレット端末の操作方法に詳しい人材がいないと、保護者が困ったときに教えられないという不安要素になります。苦手な職員のためにも、システム導入前の研修や、導入した後のサポートもある業者を選ぶ事が大切です。施設向けの簡単な機能紹介マニュアルがあると便利です。

コストの負担が大きい

システム導入には、スマートフォンやパソコン、カードリーダーなどの互換性のあるIT機器が必要です。年間の予算を考慮し、コスト面を把握したうえで導入の検討をすることが重要です。国や自治体などの補助金や助成金の制度を利用すれば、低コストで導入・運用ができます。ICT化補助金に対応したシステムを選ぶことがポイントです。

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筆者
(元スタッフ)

入退くんは月3,300円~利用でき、コスト面も業務効率化でもかなり助かっています。

システム導入にかかる費用の目安

システム化に必要な費用は、初期費用とランニングコストに分けて考えます。初期費用は、システムを利用するために必要なIT機器、インターネット環境の整備費用などです。ランニングコストはシステム利用料金のことで、1カ月に約5,000~1万円かかります。

システム自体の導入費用に関しては、初期費用がかからない場合や月額利用料が安価であるため、事務作業による人件費と比較するとコストパフォーマンスはよいでしょう。申し込む機能を最小限に絞ればさらに初期費用が抑えられます。

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筆者
(元スタッフ)

開業当初は特に、初期費用が抑えられるものを選ぶと良いです。

学童に導入するシステムの選び方

学童保育に導入するシステムはどのような点に注目して選べばよいのでしょう。選び方を解説します。

目的に合った機能を備えているか

システム導入の際、目的を明確にするとスムーズな活用につながります。導入予定の機能は、運営や事務作業に使えるか、確認が必要です。目的に合った機能を選ぶことが大切であり、目的に合わない機能を削るとコスト削減になります。

導入後のサポートは充実しているか

ポイントは、システムを導入する前後で十分なサポートがあるシステム業者を選ぶことです。サポート内容には、一緒に設定を進める説明会や、電話サポートなどが用意されている場合があります。職員が慣れるまでのことも考慮して対応してくれるサービスを選ぶのがおすすめです。

簡単に操作ができるか

保護者にとって使いにくいシステムは浸透しません。お知らせを見てもらえなかったり、電話や書類での連絡が続いたり、システム化の効果が薄くなる場合があります。気軽に使えるスマートフォン対応の専用アプリが充実しているかは重要な導入ポイントです。

セキュリティ対策は万全か

多くのシステムには、園児や職員などの個人情報を管理する機能があります。データ通信の暗号化や役職ごとのアクセス権限、外部の監査機関による審査など十分なセキュリティ対策が備わっているサービスを選ぶことがポイントです。特に保護者には、安心して利用してもらえるような説明が必要です。

最近の学童保育で欠かせない存在となっている入退室管理システムのなかでも人気なのが「入退くん」です。

セキュリティのプロともいえる開発会社が提供しているシステムなので、セキュリティ面もかなり安心できます。必要最低限の機能だけを揃えたシンプルな画面は、パソコンがニガテな人でも使いやすいと評判です。

入退くんの人気の秘密と安さの裏側はこちらの記事で詳しく解説しています。

実際に「入退くん」を区内全域で導入している、江東区の声はこちら

利用者アンケートを取ったのですが、入退室時に顔写真付きの通知が届くことで、8割近くの保護者の方が安心感を得ていることが分かりました。写真が届くのが仕事中の楽しみになったという声もあり、親子間のコミュニケーションツールにもなっているようです。

【利用者の声】東京都江東区(学童保育)より

まとめ

学童保育は、さまざまな理由で保護者が自宅にいない児童のための施設であり、家庭と同じような環境で同じことを行える「生活の場」です。学童保育をシステム化すると、多くのメリットが得られます。児童や保護者が快適かつ安心して施設を利用できるよう、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

入退くん」は入退室管理に特化したシステムで、月額1人あたり55円と他社と比較して約1/3以下の価格で導入できます。さらに初期費用は0円、使い方もシンプルで分かりやすいため、ICT化の第一歩として最適です。

保護者の方からも「入室時に子どもの写真が送られてくるのが楽しみ」「父親・母親両方に通知が設定でき、LINEで受信できるのも嬉しい」とご好評いただいております。

学童保育での導入事例も掲載しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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