学童保育の開業・運営資金に補助金が有効!資金の調達方法から補助金の活かし方までを解説

少子高齢化社会とはいえ、共働きや片親家庭の増加などの要因により、学童保育の需要が高まっています。これに伴い、学童保育の参入を決める人も少なくありません。

この記事では、学童保育の開業や運営をスタートさせる人に向けて、開業や運営に必要な資金の内訳や調達方法、活用できる補助金の種類などについて解説します。開業・運営をする際の参考にしてください。

学童保育の需要は高まっている

冒頭でも触れたように、共働きや片親の家庭が増えていることもあり、学童保育の需要が高まりつつあります

正式名称は「放課後児童健全育成事業」

学童保育とは、日中に保護者が家庭にいない小学生を対象にした預かりサービスのことです。正式には「放課後児童健全育成事業」といい、放課後や休日などに、小学校の教室や児童館などの場所を活用し、あらかじめ利用申請をしている小学生に開放されます。自治体などの公的機関のほか、学童保育への参入を決める民間企業も増えています。

学童の待機児童数は増加傾向

厚生労働省の「令和元年(2019年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によると、放課後児童クラブに登録される児童数は全国で約130万人にものぼります。前年度に比べ、約6万5,000人が増加しました。

放課後児童クラブの登録者のうち、サービスを利用できていない待機児童数は、全国で約1万8,000人となっており、前年の2018年と比べて約1,000人も増えています。放課後児童クラブの待機児童数が増加していることから、学童保育の需要が高まっていることがわかります。そのため、学童保育への参入を検討している人にとっては、好機といえるでしょう。

開業時に必要な手続きや資格

学童保育を開業する際に必要になる手続きや資格について、以下で解説します。

有資格者の配置

学童保育では、2015年から開業・運営条件が変更され、原則として2名以上の「放課後児童支援員」の配置が義務付けられています。学童保育は、障がいを持つ子どもの預かりや、保護者や学校との連携が欠かせません。そのため、子どもとの接し方や関係各所との協力や連携、緊急時の対応などの知識を習得した放課後児童支援員のような有資格者が必要です。

自治体への届出

民間企業が学童保育を開業する際は、市区町村へ「放課後児童健全育成事業開始届」の提出が必要です。また、運営の休止や廃止の際は、「放課後児童健全育成事業廃止(休止)届」の届出を行う必要があります。移転などで住所や連絡先などに変更があった場合は、変更する日から1カ月以内に、市区町村へ「放課後児童健全育成事業変更届」を提出しましょう。

学童の開業については以下の記事で詳しく解説しています。

学童保育の利用料金の目安

厚生労働省の「放課後児童クラブ関係資料」によると、学童保育の利用料金は、平均で2,000円未満から1万6,000円以上の広い範囲で区分されています。2017年に最も割合が多かった利用料金の目安は4,000~6,000円未満で、全体の28.1%でした。次に多かった利用料金は6,000~8,000円未満で、全体の22.6%となっています。

ただし、民間企業が運営している学童保育では、提供するサービスや付加価値の違いによって、月額4万円以上の利用料金が必要になるケースも多いです。

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学童保育に必要な資金の内訳

学童保育の開業や運営には、多くの資金が必要です。以下では、必要な資金の内訳について解説します。

開業資金

学童保育を開業する際は、一般的に1,500~2,000万円程度の資金が必要といわれています。主な内訳は、物件の購入費用もしくは家賃、敷金・礼金や仲介手数料などです。また、内装工事や備品の購入などが必要な場合は、これらのコストも必要です。さらに、送迎サービスを提供する場合は、送迎用の車両の購入費も用意しなければなりません。

開業にあたって、集客に必要なチラシや案内パンフレットの作成費、ホームページの制作費などにも予算を割く必要があります。これらのコストを考慮したうえで、十分な金額の開業資金を用意しましょう。

運営費用

学童保育の運営には、年間で500万円以上の費用がかかるといわれています。ただし、送迎サービスのほか、英語のレッスンやプログラミングなどのカリキュラムを組む、調理室を設置するなど、提供サービスの範囲や設備投資のグレードによって運営費用は変動します。

主な内訳は、施設賠償保険や火災保険などの保険料や、毎月の水道光熱費や消耗品費、販売促進費、人件費などです。また、おやつや食事を提供する場合は、上記に加えて、食材費もかかります。

学童の経営について詳しくは以下の記事も合わせてご覧ください。

開業資金を調達する方法

開業に必要な資金を自己資金で賄えない場合は、以下の方法を利用して資金の調達が可能です。

金融機関

一般的な事業資金の調達方法は、金融機関から融資を受けることです。融資を受けられる金融機関には、都市銀行や地方銀行、信用金庫などが挙げられます。ただし、審査に通らなければ、融資は受けられません。

株式会社日本政策金融公庫

「日本公庫」と略される「株式会社日本政策金融公庫」は、財務省の管轄下にあり、国が100%出資する政策金融機関です。国民生活事業や農林水産事業などに加えて、中小企業への融資も行っています。上述した金融機関の審査に比べ、比較的通りやすいといわれています。また、全国に支店があり、専任の担当者への融資の相談も可能です。

補助金

学童保育の開業や運営に可能な補助金には、「放課後児童健全育成事業費等補助金」や「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善費補助金」などがあります。ただし、あらかじめ定められている交付条件を満たした民間企業でなければ、補助金の交付を受けられません。

交付される金額は、交付規則のほか、市区町村ごとに割り振られた予算によって異なります。補助金の申請は、学童保育を開業する所在地を管轄する自治体に行いましょう。

補助金の概要

ここでは、上述した2種類の補助金の概要や申請方法などについて、くわしく解説します。

学童保育に関連した補助金
  • 放課後児童健全育成事業等補助金
  • 放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善費補助金

放課後児童健全育成事業費等補助金

「放課後児童健全育成事業費等補助金」が交付される目的は、平日の放課後や週末、休日などの日中に、保護者が自宅にいない児童が安心して生活できる居場所を確保するためです。補助金の申請方法は、所在地の市区町村が定める申請期間中に、指定の申請書とその他に必要な書類を提出する必要があります。交付の決定は、申請してから2カ月以内が目安です。

また、補助金の交付を受けた民間企業は、事業実績の報告が義務付けられています。市区町村ごとに報告期日が異なる場合もあるため、ホームページなどで事前に確認しておきましょう。

放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善費補助金

「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善費補助金」は、放課後児童支援員の賃金水準をアップさせる、実績や経験にあった処遇を改善する、次世代に向けた人材育成を行うことを目的とした補助金です。たとえば、支援員の実務経験の長さや、研修の参加実績などによって賃金を調整するための仕組みづくり、その際に発生する費用の一部の補助に充てられます。

ただし、都道府県が実施する放課後児童支援員認定資格研修を修了している人や、受講修了が見込まれる人が対象です。補助金の申請には、市区町村が定める申請期間中に、指定の申請書とその他の提出書類の提出が必要です。

補助金を学童保育の運営に活かすためのポイント

以下では、上述した補助金をより有効活用するためのポイントについて解説します。

競合との差別化に利用する

補助金を有効に活用するなら、競合他社とのサービスの差別化に利用しましょう。たとえば、英語のレッスンやプログラミングのカリキュラムのほかに、スポーツや芸術などのジャンルも取り入れるなど、提供するサービスの幅を広げることも可能です。

ただし、自治体ごとに、補助金の交付額や運営の自由度などが異なります。なかには、開業時の施設整備費の補助の範囲を制限しているケースもあります。そのため、情報収集を行ったうえで、理想とする運営方法を実現できる交付条件を提示している自治体に開設するようにしましょう。

学童保育で成功した事例

学童保育の開設と同時に認知度を高めるために、チラシの配布や外観の装飾に工夫を施しているケースもあります。たとえば、「学校の補習授業も行っています」や「送迎があるため、お子様の送り迎えは不要です」といった告知なども効果的です。また、送迎や補修授業などの付加価値を提供すれば、他社との差別化も可能になり、集客効果を高めることにもつながります。

学童保育の運営に多額のコストが必要な理由

児童の安全対策の一環として、入退室管理は有効な手段とされています。しかし、児童の様子をみながら、入退室を手書きで記録するとなれば、時間や労力、それに伴うコストも必要です。

また、学童保育施設の運営会社が、児童や保護者の個人情報を記録したUSBメモリを紛失するといった、セキュリティ事故が発生した事例も報告されています。顧客の個人情報を外部に漏えいさせないためにも、セキュリティ対策を充実させることも重要です。

コストをおさえて学童保育を運営するコツ

上述したようなコストを安くおさえるためには、ICT化を促進し、業務を効率化させることが大切です。効率化に有効な手段として、入退室管理システムの導入が挙げられます。入退室管理システムを利用すれば、児童や従業員の入退室の記録を自動化できるため、入退室管理にかかるコストをおさえることも可能です。

入退室管理システムには、入退室管理専用のものと、運営業務の管理もまとめて行える多機能のものもあります。ただし、搭載されている機能が多いほど、利用料金が高くなる傾向にあるため、本当に必要な機能かどうかの検討も必要です。

まとめ

学童保育の開業や運営には、多額な費用が必要になるため、自治体の補助金を有効に活用しましょう。また、児童や従業員の入退室の記録にかかる手間やコストを減らすなら、入退室管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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