塾運営

塾のクレームの原因とは?正しい対応方法を解説

塾を運営していると、保護者からクレームが入るケースも多々あります。悪評は広がりやすいため、塾の経営者は迅速かつ適切な対応が必要です。

本記事では、塾にクレームが入る要因やクレームの具体例を紹介します。クレームが来たときの対応方法や、クレームを防ぐ方法も解説します。塾の経営にお役立てください。

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塾にクレームが入る要因と影響

塾にクレームが入る主な要因と、クレームがもたらす影響を解説します。

主な要因とは

保護者がサービスに不満を感じると、塾にクレームが寄せられます。主なクレームの要因には、成績が上がらない、授業料に対してサービスが見合っていると感じられない、などがあげられます。

主な影響とは

クレームの内容は周囲に広まりやすいため注意しましょう。悪評は口頭で広まるだけではありません。SNSなど拡散力が高いものでクレームが広がるケースもあるため、早期に手を打つことが大切です。

悪評が広がると既存の生徒が離れる恐れがあります。さらに、入塾を検討中の保護者や生徒に悪評が伝われば、新規生徒の獲得まで難しくなります。

保護者が不満を感じる要因はさまざまであり、クレームが届くタイミングの予想は難しいものです。不本意なクレームであっても慌てず対応しましょう。

塾に届くクレームの例を紹介

塾に届くクレームの例を紹介します。クレームごとに、対応のポイントも把握しましょう。

成績が伸びない

成績アップを望む保護者から寄せられやすいクレームが「成績が伸びない」というものです。成績に関するクレームを避けるには、塾と保護者の「成績が伸びたと判断する基準」の統一がポイントです。保護者のなかには、テストの順位が大幅に上がらないと成果を認めない人もいます。入塾時の説明や保護者面談などで、塾の成績に対する考え方を伝えましょう。

授業料が高い

通常のカリキュラムや特別講習の授業料に対するクレームも、多発しがちです。しかし、クレームに負けて安易に授業料を引き下げてはいけません。

安易に授業料を引き下げると、計画よりも収益が低下してしまいます。塾の経営資金が不足するとサービスが低下し、新たなクレームを生む恐れもあります。授業料についても、入塾時の説明などで詳細に説明しておきましょう。

授業の日程に不満がある

生徒によっては、いくつも習い事をしていて授業に出席しにくい場合があります。しかし、頻繁に日程変更を受けると、他の生徒が不公平に感じる場合があります。授業の日程を変更する基準をしっかり説明し、気軽に日程変更に応じない姿勢を見せましょう。

先生と合わない

先生と生徒の相性が悪いケースも、クレームに発展します。先生との相性は、子どものモチベーションを低下させたり、成績が伸び悩んだりする要因になります。

先生との相性は、第三者からは分かりにくいものです。生徒にアンケートを取り、ミスマッチにいち早く気がつけるとクレームを防げます。先生に指導方法や態度を見直すように伝えて対策することも大切です。

他の生徒とのトラブル

多感な時期の子どもが集まる塾では、生徒同士のトラブルも発生します。学校でのトラブルが関係しているケースもあり、状況の把握に時間がかかるケースもあります。生徒に負担を強いないよう配慮しつつ、個人面談やアンケートなどでトラブルの要因を調査しましょう。

クレームの適切な対応方法とは

クレームへの対応方法を紹介します。状況が悪化しないように、落ち着いて真摯に対応しましょう。

保護者の話を聞く・録音する

まずは保護者の話を丁寧に聞きましょう。話を途中で遮らずに、最後まで聞くことが大切です。聞く姿勢が悪いと、保護者の怒りを買ってしまいます。分からない部分があっても、話が終わってから質問してください。言葉を選んでいると、話すペースが緩やかになるケースもありますが、急かしてはいけません。

情報を出してもらったあとは、塾と保護者が対等な立場にあることを意識して、冷静に受け答えしましょう。あいまいな部分を簡単に肯定すると、あとから問題になる恐れがあるため気をつけてください。また、会話を録音したり、対面であれば録画したりすると「言った、言わない」の争いを防げます。

なお、断りなく録画・録音をすると保護者が戸惑う恐れがあります。サービス向上のためなどと、記録する旨を事前に伝えましょう。

塾側に落ち度がないか確認する

保護者のクレームを聞いた上で、塾側に落ち度があるかどうかを確認します。落ち度を確認するポイントの一例としては、以下があげられます。

  • 成績アップの基準を説明できていたか
  • 質問や補習への対応が十分であったか
  • 生徒の理解度を確認していたか
  • 指導プランに不備はなかったか
  • 特定の生徒をひいきしていなかったか

落ち度があれば、先生個人ではなく塾として対応する必要があります。塾の問題として取り扱う意向を示すことで保護者に誠意を感じてもらえるでしょう。また、落ち度をどのように改善していくかについても説明が必要です。その場で的確に説明できない場合は、一度時間をおいてからあらためて回答する旨を伝えましょう。

真摯に対応する

クレームの本質を理解し、内容に合った解決策を提示します。先生の負担を考え、現実的に対応可能な解決策を考えましょう。解決策を実行できなければ、保護者の信頼を損ねてしまいます。

また、保護者のクレームをお断りする際は、二重クレームにならないように丁寧な対応が求められます。二重クレームとは、適切なクレーム対応が行われなかったとして引き起こされるクレームです。塾としては受け止めがたいクレームであっても、保護者の気持ちに寄り添う姿勢を意識しましょう。

対応が難しい場合は警察に相談・法的措置を検討

保護者に対して真摯に対応することは大切ですが、常識の範囲を超えたクレームには毅然と対応すべきです。対応を間違えると、他の保護者や生徒が安心してサービスを利用できません。いわゆる「モンスターペアレント」からのクレームの場合は、警察に相談し、法的措置を検討する必要があります。

保護者に威圧的な態度が見られるとき、先生やスタッフに危害を加えられそうなときは警察へ相談しましょう。「居座り」などの迷惑な行為も問題です。また、成績が振るわないからといって、授業料の支払いを拒む保護者に対しても法的措置を検討できます。

対応をマニュアル化しておくと安心

クレームの内容別にマニュアル化しておくと、経験が浅い先生やスタッフでも適切に対応できます。クレーム対応のルールを明確にして、塾としての考え方を統一して、状況の悪化を防ぎましょう。

仮にマニュアルに当てはまらない場合のルールも明確化が必要です。対応に迷っているうちに保護者がストレスを感じる恐れがあります。「内部で話し合い何日までに連絡すると回答する」「代表者に対応を代わってもらう」など、難しいクレームへの対応方法を決めておきましょう。

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塾にクレームが入らないようにするには?

塾へのクレームを避けるためには、塾の運営状況や、保護者との関係性が重要です。また、入退管理のシステム化もクレーム抑制に役立ちます。

塾の運営を見直す

先生やスタッフに余裕がないと、サービスの質が低下してクレームが発生しやすくなります。無駄な作業を省く、アナログな作業をデジタル化するなど検討し、余裕ができた時間を生徒や保護者の対応に回しましょう。また、塾全体の運営を見直すと、生徒や保護者だけではなく、先生やスタッフの満足度向上にもつながります。

日ごろから保護者とコミュニケーションをとる

コミュニケーション不足が原因でクレームにつながるケースも多々あります。塾での指導内容や、目標や目標を設定した根拠、生徒の現状と課題などをしっかり伝えると、保護者の不安が緩和される可能性があります。メッセージや通話で、定期的に保護者とコミュニケーションをとるよう心がけましょう。

システム化を進める

塾の業務をシステム化すると、保護者とのコミュニケーションが円滑になったり、対応のし忘れやミスなどの防げたりなどのメリットがあります。例えば、塾向けの入退管理システムを役立てましょう。

入退管理システムを導入すると、生徒の入退室管理をシステムに一任できます。出席を確認する先生の負担を軽減でき、システムによっては入退室時に保護者に連絡が届きます。また、入退管理システムは、先生のタイムカードとしても利用可能です。

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まとめ

保護者が不満に感じると、塾にクレームが寄せられます。クレーム対応の際は冷静に相手の話を聞いて内容を整理し、真摯に対応しましょう。余裕ある運営体制や保護者との密なコミュニケーション、業務のシステム化を意識すると、塾へのクレームを防げる可能性があります。

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この記事を監修した人

大場元騎(学習塾経営者)
経歴:東京都内にて学習塾2校の立ち上げ・経営
「入退くんは保護者の安心はもちろん
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