塾運営

塾のクレームの原因とは?正しい対応方法を解説

塾を運営していると、保護者からクレームが入るケースも多々あります。悪評は広がりやすいため、塾の経営者は迅速かつ適切な対応が必要です。

本記事では、塾にクレームが入る要因やクレームの具体例を紹介します。クレームが来たときの対応方法や、クレームを防ぐ方法も解説します。塾の経営にお役立てください。

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塾に届くクレームの例を紹介

塾に届くクレームの例を紹介します。クレームごとに、対応のポイントも把握しましょう。

成績が伸びない

成績アップを望む保護者から寄せられやすいクレームが「成績が伸びない」というものです。

成績に関するクレームを避けるには、塾と保護者の「成績が伸びたと判断する基準」の統一がポイントです。保護者のなかには、テストの順位が大幅に上がらないと成果を認めない人もいます。入塾時の説明や保護者面談などで、塾の成績に対する考え方を伝えましょう。

授業料が高い

通常のカリキュラムや特別講習の授業料に対するクレームも、多発しがちです。しかし、クレームに負けて安易に授業料を引き下げてはいけません。

安易に授業料を引き下げると、計画よりも収益が低下してしまいます。塾の経営資金が不足するとサービスが低下し、新たなクレームを生む恐れもあります。授業料についても、入塾時の説明などで詳細に説明しておきましょう。

先生の指導法に不満

先生の言葉が乱暴だったり、逆に叱らなすぎたりと、指導法に不満を持つ保護者からのクレームもあります。

もちろん指導法には正解がないため、単純な相性の問題であることが多いです。しかし先生との相性は、子どものモチベーションを低下させたり、成績が伸び悩んだりする要因になるので、塾・保護者双方にとって無視できません。

「講師変更の柔軟な対応」や「保護者面談での丁寧なヒアリング」によって不満を早期に把握し、トラブルに発展する前に調整することが求められます。

他の生徒とのトラブル

多感な時期の子どもが集まる塾では、生徒同士のトラブルも発生します。

学校でのトラブルが関係しているケースもあり、状況の把握に時間がかかるケースもあります。生徒に負担を強いないよう配慮しつつ、個人面談やアンケートなどでトラブルの要因を調査しましょう。

設備に不満

トイレや教室が汚い、駐車場や駐輪場が狭い、エアコンが効きすぎているなど、設備面での不備もクレームの元になります。また、入退室管理システムを導入していない塾に対して、「他の塾や習い事は子どもの入退室が通知されるのに、この塾は来ない」というフレームも増えているようです。

他のクレームと比べて大きな悪評には繋がりづらいものの、生徒の集中力低下や保護者の信頼感低下を引き起こします。”チリツモ”で退塾に繋がることも考えられるため、できることから対策しましょう。

塾に来たクレームを放置するリスク

学習塾に来るクレームを「保護者のいちゃもん」などと軽視していませんか?
あるいは「そんなクレームをする人なんて退塾してくれて結構」と思って放置していませんか?

そのクレーム、放置していると塾の運営に悪影響が生じるかもしれません。

クレームがエスカレートする

クレームの段階では真摯な対応だった保護者も、「自分の意見が反映されない」という不満が募ると、より大きな問題に発展する場合があります。本部にクレームが届いたり、金銭的な補填を求められたり、本来なら謝罪と改善で済んでいた問題が、過剰な要求やペナルティに発展する可能性も否めません。

さらに、同じ不満を持つ保護者同士で結託し、一斉に退塾されるなど、運営が立ち行かなくなるリスクもあります。

従業員の離職に繋がる

一般的にクレームを直接受ける機会が多いのは、オーナーよりも従業員です。クレームを放置したことによってクレームの頻度や要求が増えてしまうと、従業員が疲弊し、離職率増加の原因になります。受験で子どもの人生が決まると考える保護者も多く、クレームの言葉も強くなりがちです。

特に学習塾で働く人のなかには社会貢献意欲が高い方も多いため、オーナーの不誠実な態度に不満が募り、退職に繋がることも考えられます。

塾の悪評が広がる

クレームの内容は周囲に広まりやすいため注意しましょう。悪評は口頭で広まるだけではありません。Googleマップなどの公然性が高いものや、SNSなど拡散力が高いものでクレームが広がるケースもあります。Web上で広まってしまえば、どんなに弁明してもなかなか受け入れてもらえません。

悪評が広がると既存の生徒が離れる恐れがあります。さらに、入塾を検討中の保護者や生徒に悪評が伝われば、新規生徒の獲得まで難しくなります。

保護者が不満を感じる要因はさまざまであり、クレームが届くタイミングの予想は難しいものです。不本意なクレームであっても慌てず対応しましょう。

経営が上手くいかなくなる

上記のように、塾に不信感を抱く保護者による退塾率の増加や、従業員の離職率増加、悪評による集客力低下などが原因で、最悪の場合、経営が立ち行かなくなるリスクがあります。

クレームを放置しても良いことは何もないと言っても過言ではありません。次の章では適切な対処法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

クレームの適切な対応方法とは

クレームへの対応方法を紹介します。状況が悪化しないように、落ち着いて真摯に対応しましょう。

まずは謝罪をする

学習塾に落ち度がある場合、すぐに解決ができなくても「まず謝罪」をすることで、重大な問題に発展するのを防ぐことができます。完璧な対応ができなくても、スピード感ある真摯な姿勢を見せることが重要です。

また、学習塾に落ち度がなくとも、まずは保護者の気持ちを受け止めることが重要です。とはいえ原因が不明なまま非を認めてしまうと、後から訂正や説明をするのが難しくなるほか、従業員の不満に繋がります。「不安にさせてしまい申し訳ございません」「混乱を招いてしまい申し訳ありません」など、あくまで気持ちを受け止めるにとどめましょう

保護者の話を聞く・録音する

まずは保護者の話を丁寧に聞きましょう。話を途中で遮らずに、最後まで聞くことが大切です。聞く姿勢が悪いと、保護者の怒りを買ってしまいます。分からない部分があっても、話が終わってから質問してください。

情報を出してもらったあとは、塾と保護者が対等な立場にあることを意識して、冷静に受け答えしましょう。あいまいな部分を簡単に肯定すると、あとから問題になる恐れがあるため気をつけてください。また、会話を録音したり、対面であれば録音・録画をすることで「言った、言わない」の争いを防げます

なお、断りなく録音・録画をすると保護者が戸惑う恐れがあります。サービス向上のためなどと、記録する旨を事前に伝えましょう。

塾側に落ち度がないか確認する

保護者のクレームを聞いた上で、塾側に落ち度があるかどうかを確認します。落ち度を確認するポイントの一例としては、以下があげられます。

  • 成績アップの基準を説明できていたか
  • 質問や補習への対応が十分であったか
  • 生徒の理解度を確認していたか
  • 指導プランに不備はなかったか
  • 特定の生徒をひいきしていなかったか

塾の問題として取り扱う意向を示すことで保護者に誠意を感じてもらえるでしょう。また、落ち度をどのように改善していくかについても説明が必要です。その場で的確に説明できない場合は、一度時間をおいてからあらためて回答する旨を伝えましょう。

真摯に対応する

クレームの本質を理解し、内容に合った解決策を提示します。従業員の負担を考え、現実的に対応可能な解決策を考えましょう。解決策を実行できなければ、保護者の信頼を損ねてしまいます。

また、保護者のクレームをお断りする際は、二重クレームにならないように丁寧な対応が求められます。二重クレームとは、適切なクレーム対応が行われなかったとして引き起こされるクレームです。塾としては受け止めがたいクレームであっても、保護者の気持ちに寄り添う姿勢を意識しましょう。

対応が難しい場合は警察に相談・法的措置を検討

保護者に対して真摯に対応することは大切ですが、常識の範囲を超えたクレームには毅然と対応すべきです。対応を間違えると、他の保護者や生徒が安心してサービスを利用できません。いわゆる「モンスターペアレント」からのクレームの場合は、警察に相談し、法的措置を検討する必要があります。

保護者に威圧的な態度が見られるとき、先生やスタッフに危害を加えられそうなときは警察へ相談しましょう。「居座り」などの迷惑な行為も問題です。また、成績が振るわないからといって、授業料の支払いを拒む保護者に対しても法的措置を検討できます。

対応をマニュアル化しておくと安心

クレームの内容別にマニュアル化しておくと、経験が浅い先生やスタッフでも適切に対応できます。クレーム対応のルールを明確にして、塾としての考え方を統一して、状況の悪化を防ぎましょう。

仮にマニュアルに当てはまらない場合のルールも明確化が必要です。対応に迷っているうちに保護者がストレスを感じる恐れがあります。「内部で話し合い何日までに連絡すると回答する」「代表者に対応を代わってもらう」など、難しいクレームへの対応方法を決めておきましょう。

塾にクレームが入らないようにするには?

塾へのクレームを避けるためには、塾の運営状況や、保護者との関係性が重要です。また、入退管理のシステム化もクレーム抑制に役立ちます。

塾の運営を見直す

先生やスタッフに余裕がないと、サービスの質が低下してクレームが発生しやすくなります。無駄な作業を省く、アナログな作業をデジタル化するなど検討し、余裕ができた時間を生徒や保護者の対応に回しましょう。

また、塾全体の運営を見直すと、生徒や保護者だけではなく、先生やスタッフの満足度向上にもつながります。

日ごろから保護者とコミュニケーションをとる

コミュニケーション不足が原因でクレームにつながるケースも多々あります。塾での指導内容や、目標や目標を設定した根拠、生徒の現状と課題などをしっかり伝えると、保護者の不安が緩和される可能性があります。メッセージや通話で、定期的に保護者とコミュニケーションをとるよう心がけましょう。

システム化を進める

塾の業務をシステム化すると、保護者とのコミュニケーションが円滑になったり、対応のし忘れやミスなどの防げたりなどのメリットがあります。例えば、塾向けの入退管理システムを役立てましょう。

入退管理システムを導入すると、生徒の入退室管理をシステムに一任できます。出席を確認する先生の負担を軽減でき、システムによっては入退室時に保護者に連絡が届きます。また、入退管理システムは、先生のタイムカードとしても利用可能です。

入退室管理システムの見直しで、業務効率化と保護者からの信頼獲得に成功した塾の事例もあります。詳しくはこちら

まとめ

保護者が不満に感じると、塾にクレームが寄せられます。クレーム対応の際は冷静に相手の話を聞いて内容を整理し、真摯に対応しましょう。余裕ある運営体制や保護者との密なコミュニケーション、業務のシステム化を意識すると、塾へのクレームを防げる可能性があります。

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入退室管理システム 入退くん
この記事を監修した人

大場元騎(学習塾経営者)
経歴:東京都内にて学習塾2校の立ち上げ・経営
「ビヨンド入退くんは保護者の安心はもちろん
塾運営の効率化にも役立っており、感謝しています!」