トレーナーとして活躍しているうちに、自分のコンセプトを前面に出した自分のジムを持ちたいと思ったことはありませんか？しかし、「ジムの経営は難しい」「どうせすぐ潰れる」と言う人もいて、不安になりますよね。
ただ、そう言っている人の根拠は不明です。たまたま知り合いのジムが潰れたのを見て、「ジム経営って難しいんだ」と思っているだけかもしれません。
というわけで今回は、客観的なデータや実際の事例から「ジム経営は難しいのか」「なぜ難しいと言われるのか」を徹底解剖していきます！
今回も、ジム経営系メディアの運営・ライター経験のある筆者が、知見を活かして解説します！
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ジム経営は難しい？
廃業率から見るジム経営
小規模企業白書によると、ジム経営を含むサービス業の廃業率は全産業の廃業率よりもやや低い水準です。他業種と比較しても、ジム経営が特別廃業率が高いとは言えないでしょう。
そもそも会社員として安定的に給料をもらうより、開業して事業を経営する方が難しいのは、どの産業でも同じです。
市場から見るジム経営
特定サービス産業動態統計調査（2023年7月確報）によると、2020年にフィットネス業界全体の売り上げは大きく落ち込んだものの、翌年～現在にかけては新型コロナウイルス流行以前の水準に戻りつつあります。
| 前年比売上（%） | |
|---|---|
| 2020年度 | 62.1 |
| 2021年度 | 117.6 |
| 2022年度 | 109.6 |
月毎に見ても売り上げは増加しており、コロナをきっかけに健康やダイエットに力を入れる人が増えているとも考えられます。
他業種と比較するジム経営
帝国データバンクの「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査 によると、新型コロナウイルスに関連する倒産は飲食関連、建設・工事関連、観光関連が多いようです。
フィットネス系施設も新型コロナウイルスの影響を受けていますが、それはフィットネス業界に限った話ではないのです。
総合すると、起業自体がそもそも難しいうえに近年は新型コロナウイルスの影響で廃業数が増加しているのであり、フィットネス系施設が特別廃業しやすいわけではない、といえます。
ジム経営が難しいと言われる理由
では、ジム経営が難しいと言われている理由はなんでしょう。
ジムの経営において、特に難しいとされている項目について解説します！
初期費用が高額
ジムを開業するためにはまず、ある程度の広さがある物件の取得が必要です。また、ジムのマシンは数十万～数百万円と高額で、個人で開業するパーソナルジムやマイクロジムであれば初期費用は400万～500万円ほどかかります。
さらに中～大規模のフィットネスジムであれば複数台用意しなければいけないため、初期費用は1000万円～7000万円ほどとかなり高額です。
初期費用が高ければ、その分借金の返済も難しくなり、赤字が続くことも珍しくありません。
とはいえ、初期費用を工夫して利益を上げることで高年収を達成している人も多くいるため、事前調査をしっかり行えば初期費用を抑えることもできます。
集客が難しい
XENO BRAIN「フィットネスクラブ運営業界 AI予測分析サマリー」によると、フィットネス業界のシェアは上位8企業が50%を占めています。
集客しやすい地域はすでに有名フィットネスチェーンが出店していると考えられ、個人経営のジムはコンセプト設計や差別化に力をいれないと集客が難しいと言えます。
体感的に、激戦区の駅前よりも、住宅街に出店したほうが個人店舗は集客しやすいと感じます。
フィットネス人口が少ない
笹川スポーツ財団「スポーツライフデータ2022」によると、アクティブスポーツ人口（週に2回以上、ややきつい運動をしている人）の割合は20.2%とかなり少ない数値です。
この数値にはフィットネス施設だけでなくダンスチームやスポーツクラブに所属する人の割合も含まれているため、実際にはかなり少ない人口をフィットネス業界で取り合っている状況です。
普段運動をしない人に対してトレーニングの必要性を訴えることができれば、残りの80%から顧客を取り込むことも可能かも…！
継続率が低い
パーソナルジムは2~3か月で終了するコースが多く、常に集客し続けなければならない場合が多いです。
一方フィットネスジムも入会半年以内に退会する会員が約4割にのぼるといいます。
継続したいと思ってもらえるようなトレーニングやサービスを心がけることで、顧客の平均継続年数が5年以上というパーソナルジムもあります。
参考：フィットネスクラブ新規入会者の退会に関連する心理的要因前向きコホート研究
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ジム経営のよくある失敗を実際の事例とともに紹介
立地選定ミス
ジム経営の失敗でよくあるのが、立地の選定ミス。
具体的には、無名の個人ジムが競合の多い地域に出店してしまったり、高級路線のジムが公営の体育館や低価格なフィットネスジムの近くに出店してしまったりといった失敗事例があります。
出店場所の選定は後から修正が効かないので、慎重に決断しましょう。
料金設定ミス
料金が高すぎて集客できないジムも多いですが、料金を安くしすぎてしまい、せっかく集客できても利益が出ず、経営失敗してしまう事例もあります。
価格が安い方がターゲットの幅は広がりますが、ある程度「自分のジムに価値を感じてくれる人だけで良い」と割り切る覚悟も必要です。
富裕層の多い地域は地方にもありますので、リサーチして出典するのもおすすめです。
計画性がない
せっかく集客が成功しても、初期費用や経費が高すぎればなかなか利益は出ません。
きちんと事業計画や帳簿を付けて、計画的にジムを経営しましょう。
人気トレーナーを基準に「毎月100セッション」などと無謀な計画を立てず、現実的な目標を立てて一歩一歩着実に経営していきましょう。
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ターゲット・コンセプトが不明確
いくら奇抜なサービスを提供していても、それをターゲットが魅力的に感じなければ集客はできません。個人経営のジムであれば、顧客が「自分のためのジムだ！」と思えるようなターゲット・コンセプト設計にする必要があります。
ご自身の経歴に自信がある方は、それを押し出してみても良いですね！
（年間セッション回数や、モデルのボディメイク歴など）
必要なサービスがない
ジムの出費は決して安くないうえに、現在ジムは競合が多いため、少しでも不満が募れば他のジムに顧客を取られてしまいます。ターゲットや地域によって必要なサービスは異なるため、調査して改善することで、集客力も改善する可能性があります。
たとえば、フィットネスジムは現在の混雑状況が分かると通いやすさが断然アップします！
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QRコードつきの会員証も作成できるうえに、スタッフの勤怠管理や勤怠申請も料金内ででき、経費削減と効率アップにも貢献できます。
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まとめ
ジム経営の難しさについて、客観的なデータに基づいて解説しました。たしかにジム経営は難しいですが、そもそも開業自体が難しいものであり、「ジム経営が特別難しい」とは言いがたいです。
ジムの経営を目標にしている人は、今回挙げた失敗事例を参考に、初期準備を工夫して失敗しないジム経営を目指してくださいね。
ジム経営の成功には経費削減も不可欠。
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