塾を開業するには、どれほどの資金を準備すべきでしょうか?
ここでは、塾の開業を検討中の人に向け、開業資金の目安やその内訳を徹底解説していきます。個人塾だけでなく、フランチャイズ塾ならではの費用も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
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塾を開業する際の初期費用目安
広さ20坪程度の個人塾を開業すると想定し、初期費用の内訳と目安を解説します。
物件取得費
賃貸物件を契約する際には、保証金や礼金、仲介手数料などの物件取得費を支払います。取得費の目安は100万円前後であり、アクセスや立地がよい物件ほど取得費が高い傾向です。
一度開業してしまうと後から場所を変更することは時間・費用がかかってしまうため、費用と収益性を考慮して立地を決めましょう。
教材費
指導教科数や想定している生徒のレベルにも左右されますが、教材費は20~30万円ほどを目安にします。
フランチャイズ塾では使用教材が決まっている場合が多く、自分で教材を選ぶ手間を省けます。
内装工事費
居抜き物件、スケルトン物件の違いでも変わりますが、工事費は100万円程度を目安に考えましょう。
内装は、指導内容を念頭において決めるのが一般的。たとえば一斉指導型の場合は、一人あたり十分な学習スペースを確保できるレイアウトが重要です。また個別指導型の場合は、生徒が集中できるようにパーテーションで区切ったレイアウトなどが好まれます。
設備費
設備費は、200万円程度が目安です。中古品や他塾のおさがりも検討することで、費用を抑えることもできます。
- 机(1万円前後/台)
- イス(8,000円前後/脚)
- パソコン、タブレット端末(10万円前後/台)
- ホワイトボード(1万円前後/枚)
- 入退管理などのセキュリティ管理システム(初期費用数万円、月額費用5000円前後)
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広告宣伝費
広告宣伝費の目安は、約50万円です。
塾の存在をアピールするために、ホームページやSNSなどで宣伝を行いましょう。個人で準備する分には資金を節約できますが、集客効果を考えると初期投資としてプロに依頼した方がよいでしょう。また、フランチャイズ塾の場合は、本部が宣伝活動をサポートしてくれる場合があります。
- 簡易的なホームページ(15万円前後)
- チラシ制作+ポスティング(10万円前後)
- Web広告+SNS広告(10万円前後)
- 看板(7万円前後)
- のぼり(3万円前後)
どの広告手段がいいか分からない…という方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
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加盟金やロイヤリティ(フランチャイズ塾のみ)
フランチャイズ塾の場合は、本部に加盟金やロイヤリティを支払います。費用総額は100~500万円ほどで、団体により大きく異なります。
加盟金が安いフランチャイズもありますが、その分ロイヤリティ(ブランド利用料)が高額になるケースもあります。さらにロイヤリティがかかる項目(入会費・月謝など)が多かったり、加盟金・ロイヤリティ以外の支払いが発生する場合もあるため、総額で判断しましょう。
以下は代表的な学習塾系フランチャイズ本部の一例です。
| フランチャイズ本部 | 加盟金 | ロイヤリティ |
|---|---|---|
| トライプラス | 300万円 | 月謝の10%、季節講習の7%~10% |
| ITTO個別指導学院 | 0円 | 入会費の50%、年会費の50%、授業料の7%、特別講習費の10% |
| 松陰塾 | 165万円 | 0円 |
塾開業後の運営資金の内訳目安
塾を開業したあとも、安定した経営と売上拡大のためには費用がかかります。運営資金の内訳と目安を紹介します。人件費や広告費をはじめ、多くの項目は売上に比例して金額が大きくなります。
人件費
講師や事務員を雇うと人件費が発生します。人件費は、売上の20~30%程度を目安としましょう。大学受験のサポートなど、ハイレベルな指導内容を期待するほど人件費がかかります。
賃貸料
賃貸料は、売上の5~15%程度を目安にしましょう。物件の立地や広さにより賃貸料は大きく変わります。賃貸料は固定費の大きな割合を占めるため、無理なく支払える範囲に収めましょう。
水道光熱費
水道光熱費は、売上の2%程度になるように意識しましょう。自宅開業の場合はプライベートとの区別がつきにくく、それほど水道光熱費は気にならないかもしれません。一方、塾の規模が拡大するほど水道光熱費はかさみます。
教材費
教材費はテキストの購入、模試の取り寄せなどに必要で、売上の1~10%程度が目安です。フランチャイズ塾の場合は、開業時に教材費をまとめて支払うケースもあります。
広告宣伝費
安定した塾経営のために、開業してからも生徒の募集を続けます。塾の規模が大きくなるに伴い、講師の求人も行いましょう。広告宣伝費の目安は、売上の5~10%程度が目安です。
以下の記事では生徒を集客する12の方法を解説しています。合わせて参考にしてください。
ロイヤリティ(フランチャイズ塾のみ)
ロイヤリティは、本部のブランド力とノウハウを使わせてもらうために必要な費用です。フランチャイズのロイヤリティは、売上の10~15%で設定されているケースが多くみられます。
また、ロイヤリティがかかる項目が月謝だけの場合もあれば、入会金や年会費などにもかかる場合もあるため、注意が必要です。
さらに、中にはロイヤリティなしを謳うフランチャイズ本部もありますが、研修費やシステム利用料などの隠れコストが発生することも多いです。「ロイヤリティ0」に飛びつかず、総額を必ずチェックしてください。
塾の開業資金を準備する方法
塾の開業には高額な資金が必要であるため、工面が難航するかもしれません。開業資金を準備する方法を紹介します。
- 日本政策金融金庫の助成金
- 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
- 地方自治体の融資(制度融資)
- 親族からの贈与や借入
日本政策金融金庫の助成金
日本政策金融公庫は国が100%出資する公的金融機関で、民間の銀行ではお金を借りにくい創業前などの企業も支援してくれます。たとえば創業融資は、無担保・無保証人かつ低利率で融資を受けることができ、資金内容によっては20年までの長期の返済も可能です。
また、新規開業・スタートアップ支援資金は、特別利率で最大7,200万円もの融資が受けられます。担保や保証人も必須ではなく、希望を元に相談可能です。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は厚生労働省から受けられる助成金で、地域の活性化に役立つとされる事業に対して提供されます。助成金を受ける条件は、以下のとおりです。
- 事業をおこす地域への施設整備、または地域居住者の雇用に関する計画書を提出すること
- 事業のための施設や設備を、計画書の提出から最大で18ヶ月以内に設置、整備すること
- ハローワークなどからの紹介により、地域居住者を3人以上(新事業の場合は2人以上)雇用すること
- 施設の設置、整備が完了したときの労働者数が、計画日の前日よりも3人(新事業の場合は2人以上)増員していること
地方自治体の融資(制度融資)
事業をおこす地域の自治体からも融資を受けられ、自治体ごとに必要な条件は異なります。制度融資は、信用保証協会が申請者の身元を保証するため、審査にとおりやすい傾向です。
ただし、日本政策金融公庫の融資に比べ、融資がおりるまでに時間がかかると言われています。事業に支障が出ないように、早めに申請しましょう。
親族からの贈与や借入
親族関係で得たお金でも、贈与の場合は贈与税の申告・納税の義務があります。一方、借入で一時的に得たお金については課税されません。借入であると証明するために、契約書を作成しておきましょう。
なお、借入で得たお金はいずれ返済する責任があります。返済計画を立て、トラブルを防ぎましょう。
塾の開業資金を節約するコツ
開業資金を浮かせるため、節約できる部分がないか探しましょう。塾の開業資金を節約するコツを紹介します。
- 自宅または所有する不動産を教室とする
- 中古品を活用する
- 広告宣伝費を節約する
- セキュリティ費用をおさえる
自宅または所有する不動産を教室とする
自宅などの不動産の一部を活用して開業すると、物件取得費と賃料を節約できます。自宅開業ならば、家賃や水道光熱費の一部を経費として申請できるため節税も可能です。なかには、経営が軌道にのったことを確認してから、あらためて大きな物件を契約する人もいます。
中古品を活用する
新しく塾を始めるといっても、必ずしも新品をそろえる必要はありません。自宅から私物を持ち出す、リサイクルショップで安く調達するなどして節約しましょう。
最近はWeb上でも中古家具を取り扱うサイトが増えています。オフィス家具全般を扱うサイトもあれば、学習塾に特化したサイトもあるため、ぜひ検討してみてください。
広告宣伝費を節約する
プロに頼まなくても、宣伝活動は可能です。無料のホームページを制作する、塾のSNSアカウントを作るなど積極的に宣伝しましょう。
また、学習塾の集客に置いて、チラシは費用対効果が高いと言われています。ターゲットとなるエリアに配布すると、対象となる学生やその両親に効果的なアピールができます。
システム費用をおさえる
最近は、子どもを預かる施設では入退室通知が来るのが当たり前だと思っている保護者が増えています。とはいえ、入退室管理システムの導入は初期費用が高額になりがちです。
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実際にビヨンド入退くんを導入いただき、セキュリティ費用を下げることに成功した学習塾の事例も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
塾の開業、運営には多大な資金が必要であるため、計画的に資金を工面しましょう。開業資金を抑えることは、後の利益率にも大きく影響します。まずは「どのような場面でいくら必要になるか」を細かく把握し、その上で削れそうな費用から削っていきましょう。
特にシステム費用は毎月かかってくる上に、後から変更することが難しいので、コスト面を含めて慎重に選ぶ必要があります。
システム費用を抑えるには、「入退室管理システム ビヨンド入退くん」がおすすめです。入退室管理システム ビヨンド入退くんは、学習塾や習い事、学童向けの入退室管理システムを提供します。月額1人あたり55円の業界最安価格に加え、初期費用は無料です。
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大場元騎(学習塾経営者)
経歴:東京都内にて学習塾2校の立ち上げ・経営
「ビヨンド入退くんは保護者の安心はもちろん
塾運営の効率化にも役立っており、感謝しています!」








