塾の集客にはチラシが最適！取り組むべき塾や反応率を上げるコツ、配布方法を紹介

学習塾の経営において、生徒募集は常に重要な課題です。インターネット広告やSNSが普及した現在でも、チラシを使った地域密着型の集客は依然として高い効果を発揮しています。

特に保護者世代にとって、手に取って家族で見られるチラシは信頼感があり、具体的な行動につながりやすい媒体です。

しかし、ただチラシを作って配布すれば生徒が集まるわけではありません。ターゲットの明確化、魅力的なキャッチコピー、適切な配布タイミングなど、成果を出すためには押さえるべきポイントがあります。

本記事では、塾集客におけるチラシの活用方法を徹底解説。反応率を高める制作のコツから、配布戦略、よくある失敗パターンまで、実践的なノウハウをお伝えします。

チラシ集客が向いている塾・向いていない塾の見極め方

塾の集客方法は多様化していますが、すべての塾にチラシが最適とは限りません。自塾の状況を客観的に分析し、チラシ集客が有効かどうかを見極めることが重要です。

ここでは、チラシで成果が出やすい塾の特徴と、WEB集客を優先すべきケース、そして過去にチラシで失敗した塾が見直すべきポイントを解説します。

• チラシ集客で成果が出やすい塾の3つの特徴
• WEB集客を優先すべき塾のケース
• すでにチラシで失敗した塾が見直すべきポイント

チラシ集客で成果が出やすい塾の3つの特徴

チラシ集客で高い効果を発揮する塾には、共通する特徴があります。

まず一つ目は、地域密着型で通塾圏が限定されている塾です。徒歩や自転車で通える範囲に生徒を募集したい個人塾や小規模塾は、チラシ集客との相性が抜群。

配布エリアを学区や校区に絞り込むことで、無駄なコストを抑えながら確実にターゲット層にリーチできます。地元の学校名や地域の話題を盛り込むことで、親近感を持ってもらいやすいのも強みです。

二つ目は、保護者世代(30代~50代)がメインターゲットの塾。小学生・中学生の保護者は、チラシを手に取って家族で検討する習慣がある世代です。

特に「子どもの教育には慎重に投資したい」と考える層には、手元に残るチラシの情報が意思決定の材料になります。体験授業や説明会の案内など、具体的なアクションを促す内容が効果的でしょう。

三つ目は、明確な実績や特徴を打ち出せる塾。「○○中学校の合格者数地域No.1」「定期テスト平均点30点アップ」など、数字で示せる実績がある塾は、チラシでの訴求力が高まります。

また、「英検対策専門」「プログラミング教室併設」といった独自の強みがある場合も、チラシで差別化しやすくなります。

WEB集客を優先すべき塾のケース

一方で、チラシよりもWEB集客を優先したほうが効率的な塾もあります。まず、オンライン授業がメインの塾は、通塾の必要がないため全国どこからでも生徒を募集できます。

この場合、地域を限定したチラシ配布よりも、検索広告やSNS広告でターゲットを広く集めるほうが費用対効果が高くなるでしょう。

高校生・大学受験生がメインターゲットの塾も要注意です。高校生以上の生徒は、自分でスマートフォンを使って塾を検索する傾向が強くなります。保護者経由ではなく本人が意思決定するケースも多いため、SEO対策やリスティング広告などWEBでの露出を重視すべきです。

また、既存生徒からの紹介が主な入塾経路になっている塾、口コミや紹介制度が機能している塾は、あえて新規集客にコストをかける必要性が低い場合があります。

既存生徒の満足度を高め、紹介キャンペーンを充実させることで、安定的に生徒を獲得できるでしょう。

すでにチラシで失敗した塾が見直すべきポイント

「以前チラシを配ったけど反応がなかった」という塾も、諦める前に以下3つのポイントを見直してみてください。

まず配布エリアが適切だったか。範囲が広すぎると予算ばかりかかり、狭すぎると母数が足りません。

徒歩・自転車で15分圏内、または通塾可能な学区内に絞り込めていたか確認しましょう。

次に、キャッチコピーやオファーが魅力的だったか。「生徒募集中」だけでは誰も行動しません。「定期テスト2週間前まで無料体験可能」「入会金0円キャンペーン」など、具体的なメリットを提示できていたか振り返る必要があります。

最後に、配布タイミングが適切だったかどうか。塾選びのピークは新学期前や定期テスト後です。

閑散期に配布しても反応率は下がってしまうことでしょう。次回は戦略的にタイミングを設定することで、大きく結果が変わる可能性があります。

反応率3%超えを実現するチラシ制作の7つの法則

塾のチラシで成果を出すには、ただ情報を並べるだけでは不十分です。保護者が「この塾なら子どもを任せられる」と感じ、問い合わせという具体的な行動を起こすまでの導線設計が必要になります。

ここでは、反応率3%超えを実現するための7つの法則を解説します。

法則1. 3秒で保護者の心を掴むキャッチコピーの作り方

チラシが手に取られてから読まれるかどうかは、最初の3秒で決まります。保護者の目を引くキャッチコピーには、明確な法則があるのです。

まず重要なのが具体的な数字を入れること。「成績が上がる」よりも「定期テスト平均30点アップ」のほうが圧倒的に響きます。

「○○中学校合格者15名」「5教科合計100点アップ保証」など、具体的な数字は信頼感を生み出します。

効果的なのが、保護者の悩み（インサイト）を言語化すること。

「うちの子、勉強のやり方がわかっていないのでは」「部活と両立できる塾はないか」といった、保護者が心の中で感じている不安をそのまま言葉にすることで、「この塾は私の悩みをわかってくれている」と感じてもらえます。

キャッチコピーには、地域名や学校名を入れることも忘れずに。「○○小学校から徒歩3分」「△△中学校の定期テスト対策に特化」など、地域や学校名を入れることで「自分ごと」として受け取ってもらいやすくなります。

広範囲に配布する大手塾にはできない、地域密着型塾ならではの強みです。

こちらの記事ではさらに詳しく解説し、具体例も掲載しています。

法則2. 合格実績は「数字」と「ストーリー」で見せる

合格実績は塾の信頼性を示す重要な要素ですが、ただ羅列するだけでは印象に残りません。まず数字を示す際は、必ず「分母」も明記すること。

「○○高校合格者10名」だけでなく「受験者12名中10名合格」と分母を示すことで、合格率の高さが一目でわかります。「当塾から受験した生徒の83%が第一志望校に合格」といった表現も効果的です。

さらに、生徒のビフォーアフターを具体的に示すことで説得力が増します。「偏差値45から60にアップして○○高校に合格」「E判定から逆転合格」など、入塾前後の変化を示すことで、「うちの子も変われるかもしれない」という希望を持ってもらえます。

また、保護者や生徒の声を添えることで、実績に温度感が生まれます。

「部活で忙しい中でも効率よく学べる仕組みがあり、無理なく成績が上がりました(保護者様)」といった生の声は、実績の数字に説得力を与えます。

法則3. 読みやすさを左右するレイアウトの黄金比率

どれだけ良い内容でも、レイアウトが悪ければ読まれません。視線の流れを意識した配置が重要です。まず活用したいのが「Zの法則」。

人の視線は左上から右上へ、次に左下を経て右下へと「Z」の形で動きます。最も目立たせたいキャッチコピーは左上に、問い合わせ先は右下に配置するのが基本。重要な情報はこの視線の流れに沿って配置しましょう。

大切なのは、余白を恐れないこと。情報を詰め込みすぎると圧迫感が出て、読む気が失せてしまいます。

文字や画像の周囲に適度な余白を設けることで、視認性が高まり、伝えたい情報が際立ちます。全体の30〜40%程度を余白にするのが理想的です。

フォントサイズにメリハリをつけることも忘れずにしましょう。見出しは本文の2〜3倍のサイズにし、階層構造を明確に。

重要な数字や特典は色を変えたり、囲みを入れたりして強調します。ただし、色や書体を使いすぎるとかえって散漫になるため、3色・2書体程度に抑えるのがコツです。

法則4. 問い合わせを増やす「3つの導線」設計

チラシを見た保護者が「次に何をすればいいか」を明確に示すことが、問い合わせ率を左右します。基本となるのが、電話番号を大きく目立つ位置に配置することです。

「今すぐ相談したい」と思った保護者が迷わず行動できるよう、電話番号はチラシの上部と下部の2箇所に配置しましょう。フリーダイヤルなら「0120」の部分を強調し、受付時間も明記することが大切です。

次に、QRコードで詳細情報へ誘導する仕組みを作ります。「詳しくはこちら」とQRコードを設置し、ホームページや体験授業申し込みフォームへ直接アクセスできるようにします。特に若い保護者世代は、その場でスマートフォンをかざして情報を得る傾向が強いため効果的です。

そして、体験授業や面談の申し込みハードルを下げることも重要。

「無料体験授業」「個別相談会」「教育相談」など、いきなり入塾を迫らない中間ステップを用意することで、「まずは話を聞いてみよう」と思える軽いオファーが、最初の接点を作りやすくします。

法則5. QRコードでホームページへ誘導する仕掛け

QRコードはただ設置すればいいわけではありません。読み取ってもらうための工夫が必要です。

QRコードの周囲にはメリットを明記しましょう。

「QRコードを読み取ると授業風景の動画が見られます」「合格者インタビューはこちら」など、読み取ることで得られる具体的なメリットを示す事が重要。何も書かれていないQRコードは、スルーされがちです。

また、リンク先のページを最適化することも大切。QRコードからアクセスした先が、情報量の多すぎるトップページだと離脱されます。

チラシの内容と連動した専用ランディングページを用意し、そのままオンライン予約や資料請求ができる導線を整えることが重要です。

法則6. 限定感を出す特典・キャンペーンの設定方法

「今すぐ問い合わせる理由」を作ることで、反応率は大きく変わります。まず効果的なのが、期限を明確に設定することです。

「○月○日まで」「先着20名様限定」など、具体的な締め切りや人数制限を設けることで緊急性が生まれます。「お早めに」という曖昧な表現では行動を促せません。

加えて無料体験の価値を金額換算して示すことも重要です。「通常1コマ3,000円の授業を2回無料体験(6,000円相当)」と表現することで、特典の価値が明確になります。保護者は「お得感」を具体的に感じ、行動のハードルが下がるはずです。

ちなみに入会特典は複数段階で用意するのがおすすめ。「無料体験参加で図書カードプレゼント」「体験後1週間以内の入会で入会金無料」など、段階的に特典を設定しましょう。最初の体験申し込みのハードルを下げつつ、入会への後押しも同時に行えます。

法則7. 保護者が行動したくなる「不安」の刺激テクニック

人は「得をしたい」よりも「損をしたくない」という気持ちで動く傾向があります。まず一つ効果的なのが、成績不振の将来リスクを示唆すること。

「中学2年生の2学期から成績が下がり始めると、高校受験で選択肢が狭まります」といった、放置することのリスクを提示します。

ただし、脅しすぎず、「でも今から対策すれば大丈夫です」という解決策とセットで伝えることが大切です。

定期テストの時期に合わせた訴求も効果的。「次の定期テストまであと3週間。今から始めれば間に合います」と具体的な時間軸を示すことで、「今すぐ動かなければ」という気持ちを喚起できます。

他の保護者の行動を示すこともテクニックとして有効。「すでに○名の保護者様が体験授業に申し込まれています」という情報は、「自分も遅れを取りたくない」という心理を刺激します。

人は他人の行動を参考にする習性があるため、社会的・客観的な証明として機能してくれるでしょう。

配布エリア・タイミング・ターゲット学年の最適解は？

チラシの内容がどれだけ優れていても、配布するエリアやタイミングが適切でなければ効果は半減します。限られた予算で最大の成果を出すには、戦略的な配布計画が欠かせません。

ここでは、学年別の配布戦略から、エリアの絞り込み方、最も反応率が高い時期まで、実践的なノウハウを解説します。

• 小学生・中学生・高校生別の配布戦略の違い
• 学区・校区を絞り込むエリアマーケティングの実践
• 2-3月(新学期前)が最も反応率が高い理由
• 定期テスト後の配布で成績不振層を取り込む
• 夏期講習・冬期講習前の配布タイミング

小学生・中学生・高校生別の配布戦略の違い

学年によって保護者の関心事や意思決定プロセスが異なるため、配布戦略も変える必要があります。小学生向けは「学習習慣づくり」を訴求することが重要です。

小学生の保護者は、まだ受験を意識していないケースが多く、「勉強を好きになってほしい」「学習習慣をつけたい」というニーズが中心。

チラシでは「楽しく学べる環境」「褒めて伸ばす指導」といった、子どもの自主性を育む要素をアピールしましょう。配布エリアは小学校から徒歩圏内に絞り、学童保育の帰り道や公園近くの住宅地が望ましいです。

中学生向けは「定期テスト対策」と「高校受験」が二本柱になります。中学生の保護者は現実的な成績向上を求めています。「次の定期テストで20点アップ」「○○高校合格実績」など、具体的な数字で訴求することが重要。

配布エリアは中学校区内を基本とし、特に進学校への進学者が多い地域は重点的にカバーします。部活動との両立をアピールすることも効果的でしょう。

高校生向けは本人の自主性を尊重する必要があります。高校生になると、塾選びの主導権は本人に移ります。保護者経由のチラシよりも、WEB広告やSNSでのアプローチが有効になるケースが多いため、チラシ配布の優先順位は下がります。

ただし、駅前の塾や大学受験専門塾の場合は、通学路沿いのポスティングで一定の効果が見込めます。

学区・校区を絞り込むエリアマーケティングの実践

無駄な配布を減らし、費用対効果を最大化するには、エリアの絞り込みが不可欠です。基本となるのが、徒歩・自転車で通える範囲に限定すること。塾への通塾は週2〜3回が一般的なため、保護者は「無理なく通える距離」を重視します。

徒歩15分、自転車で10分程度の範囲が目安。地図上に塾を中心とした半径1〜1.5kmの円を描き、その中を重点配布エリアとしましょう。

次に重要なのが、学区・校区の境界線を意識すること。同じ中学校に通う生徒は、定期テストの範囲や日程が共通しているため、塾での対策もしやすくなります。

チラシに「○○中学校の定期テスト対策」と明記することで、保護者の関心を引きやすくなります。複数の学区にまたがる場合は、学区ごとに内容を調整したチラシを作成するのも効果的です。

そして、競合塾の配置を把握することも戦略的に重要。近隣に大手塾がある場合、そのエリアは既に塾への関心が高い「塾需要のある地域」といえます。

むしろ積極的に配布し、「大手塾にはない個別対応」「地域密着のきめ細かさ」などの差別化ポイントを訴求しましょう。逆に塾が全くないエリアは、潜在ニーズの掘り起こしに時間がかかる可能性があります。

2-3月(新学期前)が最も反応率が高い理由

塾業界には明確な繁忙期と閑散期があり、配布タイミングを間違えると予算を無駄にしてしまいます。2〜3月が最も反応率が高い理由は、新学年への切り替わりが心理的な節目になるから。

「新しい学年では頑張ろう」という気持ちが高まる2〜3月は、保護者も子どもも前向きに塾を検討します。

特に小学6年生から中学1年生、中学3年生から高校1年生への進学時は、環境の変化に備えて早めに塾を探す家庭が多くなることが予想できるでしょう。

春期講習を入口にできることも大きな理由です。3月のチラシには「春期講習」を前面に出すことで、いきなり入塾するよりもハードルが低い接点を作れます。

春期講習に参加してもらい、そこから4月の本入会につなげる導線設計が効果的。

この時期は学習塾の予算取りが行われることも見逃せません。

多くの家庭では年度初めに教育費の予算を立てます。この時期に検討してもらえれば、年間を通じた通塾につながる可能性が高まります。逆に6月や10月などの中途半端な時期は、「来年度から」と先延ばしにされがちです。

定期テスト後の配布で成績不振層を取り込む

定期テスト後は、保護者の塾への関心が急激に高まるタイミングです。

「今回のテストの点数が予想以上に低かった」「このままでは高校受験が心配」という危機感を持った保護者は、すぐに行動を起こします。テスト返却の翌週から2週間以内が、最も反応率が高い期間です。

ここで重要なのは、次回テストへの期待感を煽ること。チラシには「次回の中間テストまであと○週間」「今から始めれば次のテストで結果が出ます」といった文言を入れることで、緊急性を演出できます。

「前回のテストで思うような結果が出なかった方へ」といった共感メッセージも効果的でしょう。

そして、テスト対策の具体性をアピールすることも大切です。「○○中学校の定期テスト過去問を分析」「テスト範囲に完全対応した個別カリキュラム」など、具体的な対策内容を示すことで、「ここなら成績が上がるかもしれない」という期待を持ってもらえます。

夏期講習・冬期講習前の配布タイミング

長期休暇を活用した講習は、入塾のきっかけとして最適です。夏期講習は6月下旬から7月上旬に配布するのがベスト。夏休みの計画を立て始める6月下旬から7月上旬が、夏期講習のチラシ配布に最適な時期です。

「部活の合宿と両立できる日程」「1学期の復習で苦手を克服」といった訴求が響きます。特に中学3年生は受験勉強の本格スタート時期であり、反応率が高くなります。

冬期講習は11月下旬から12月上旬に配布することをおすすめします。冬休みは短いため、早めの告知が必要です。

「冬休みの短期間で効率よく復習」「受験直前の総仕上げ」といった内容で訴求しましょう。中学3年生や高校3年生の受験生には、「入試までのラストスパート」という緊迫感を伝えることが重要です。

ここで必要になってくるのが、講習後の継続入塾を見据えた設計をすること。講習だけで終わらせず、そのまま通常授業への入会につなげる導線を用意しましょう。

「講習参加者は入会金無料」「講習終了後1週間以内の入会で初月授業料半額」といった特典を設定することで、継続率が高まります。

チラシはどうやって配る?4つの方法を比較

効果的なチラシを作成しても、適切な方法で配布しなければ意味がありません。配布方法によってコスト、到達率、信頼性が大きく異なるため、自塾の予算や目的に合った手段を選ぶことが重要です。

ここでは、塾のチラシ配布で使われる4つの主要な方法を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

ポスティング業者｜コストと到達率のバランスが良い

ポスティング業者は、専門スタッフが各家庭のポストに直接チラシを投函する方法です。塾の集客で最もよく使われる配布方法といえます。

最大のメリットは、エリアを細かく指定できること。

「○○中学校区内のマンション中心」「一戸建てのみ」といった詳細な指定ができるようになります。無駄な配布を減らし、ターゲット層に効率的にアプローチできるのが魅力。

業者によっては、「小学生のいる世帯」「年収帯別」といったセグメント配布にも対応しています。コストは1枚あたり3〜7円程度で、配布枚数や地域によって変動しますが、一般的には1枚3〜7円程度。5,000枚配布で15,000〜35,000円が目安です。

印刷費を含めても、比較的低コストで大量配布ができるはず。

ただし、配布品質にばらつきがあることには注意が必要。業者やスタッフによって配布の丁寧さに差があり、場合によっては「チラシお断り」のポストに入れてしまうなどトラブルの可能性も。

信頼できる業者を選ぶには、実績や口コミを確認することが大切です。また、配布完了の確認が難しく、本当に全戸に配られたかを検証しにくい点も注意が必要でしょう。

タウンプラス(日本郵便)｜確実性重視の配布方法

タウンプラスは、日本郵便が提供する全戸配布サービス。郵便局員が配達するため、高い信頼性が特徴です。最大のメリットは、郵便局の信頼性とカバー率の高さ。

郵便配達のついでに配布されるため、ほぼ100%の到達率を誇ります。

「チラシお断り」のポストにも配達されることが多く、確実にターゲットに届けたい場合に最適。郵便局という公的機関が配布することで、受け取る側も信頼感を持ちやすくなります。

配布エリアは町丁目単位で指定できるため、学区に合わせた配布がしやすくなっています。ポスティング業者よりも細かい指定はできませんが、必要十分なエリア設定ができるはずです。

デメリットとしては、コストが高めであること。1枚あたり8〜10円程度と、ポスティング業者より高めの料金設定です。5,000枚配布で40,000〜50,000円程度かかります。また、最小配布枚数が設定されている場合が多く、少量配布には向きません。

配布タイミングも郵便局の都合に合わせる必要があるため、特定の日に配りたい場合には不便かもしれません。

新聞折込｜シニア世代へのリーチに強い

新聞に挟み込む形で配布する、伝統的な手法です。かつては主流でしたが、新聞購読率の低下により効果は限定的になっています。

メリットとしては、新聞購読世帯への確実な配布ができること。新聞を購読している家庭は、比較的年齢層が高く、教育熱心な傾向があります。

特に祖父母世代が孫の教育費を負担するケースでは、新聞折込が有効に機能することも。朝刊と一緒に届くため、じっくり読んでもらえる可能性が高くなります。

また、配布エリアを新聞販売店のエリアで区切れるのも利点。新聞販売店の配達エリアに沿って配布されるため、地域を絞り込みやすいのも利点です。複数の販売店に依頼すれば、広いエリアをカバーできます。

しかし、若い世代には届かないという致命的なデメリットがあります。新聞購読率は年々低下しており、特に30〜40代の子育て世代では購読していない家庭が増えています。

小学生・中学生の保護者層にリーチしにくいため、塾の集客では効果が出にくくなっているのが現状です。

コストは1枚3〜5円程度とポスティングと同等ですが、ターゲット層への到達率を考えると費用対効果は低いといえるでしょう。

手配り・自社ポスティング｜コスト最小で始められる

塾長や講師、アルバイトスタッフが直接配布する方法。コストを最小限に抑えられる一方、手間と時間がかかります。

最大のメリットは、人件費以外のコストがゼロであること。

業者に依頼する費用がかからないため、印刷費のみで配布ができるように。開業したばかりで予算が限られている塾や、小規模な塾にとっては現実的な選択肢です。

また、地域の様子を直接把握できるのも魅力。自分の足で歩くことで、「どのあたりにマンションが多いか」「競合塾の看板がどこにあるか」といった地域の特性を肌で感じられます。この情報は今後のマーケティング戦略に活かせるでしょう。

駅前や学校前で手配りする場合は、保護者や生徒と直接会話する機会も生まれます。

デメリットとしては、時間と労力がかかること。

1時間で配布できるのは100〜200枚程度。5,000枚配るには25〜50時間もの時間が必要になります。その時間を授業準備や生徒対応に使ったほうが効率的な場合も多いでしょう。

また、配布の質が個人のスキルに依存するため、均一なクオリティを保つのが難しいのも課題です。さらに、不審者と間違われるリスクにも注意が必要です。知らない人がポストにチラシを入れる行為は、住民に不審に思われる可能性があります。

特に夕方以降の配布は避け、明るい時間帯に、塾の名前が入った服装で配布するなどの配慮が必要です。「チラシお断り」のポストへの投函は絶対に避けましょう。

チラシ集客でよくある5つの失敗パターンと対策

多くの塾がチラシを配布していますが、期待した成果が出ないケースも少なくありません。失敗の原因は「チラシそのものの問題」「配布戦略の問題」「フォローアップの問題」の3つに分類されます。

ここでは、実際によく見られる失敗パターンを解説します。

• デザインに凝りすぎて情報が伝わらない
• 配布エリアが広すぎて予算を無駄にしている
• 1回配っただけで諦めてしまう
• 問い合わせ後の対応が遅くて機会損失
• 効果測定をせず改善活動をしていない

デザインに凝りすぎて情報が伝わらない

見た目の美しさを追求するあまり、肝心の情報が伝わらなくなるケースは非常に多い失敗例です。

よくある失敗例は、おしゃれだが何の塾かわからないチラシ。カフェのような洗練されたデザイン、抽象的な写真、小さすぎる文字。

一見プロフェッショナルに見えますが、「何の塾か」「どこにあるか」「どう問い合わせるか」がわかりにくいチラシでは、保護者は行動を起こせません。

広告は、3秒で伝わる情報設計を心がけること。保護者がチラシを手に取ってから3秒以内に、「塾の種類(個別指導・集団授業など)」「対象学年」「最大の強み」が伝わるようにし、できれば色は3色まで、フォントは2種類までに絞りましょう。

配布エリアが広すぎて予算を無駄にしている

「できるだけ多くの人に見てもらいたい」という思いから、広範囲に配布して失敗するケースも頻発しています。

典型的な失敗例は、駅3つ分のエリアに配布してしまうこと。通塾圏外まで広く配布した結果、1万枚配って問い合わせが2件だけ。費用対効果が極端に低くなり、「チラシは効果がない」という誤った結論に至ってしまいます。

対策は、徒歩15分、自転車10分程度の半径1〜1.5kmに絞った集中配布がよいでしょう。広いエリアに薄く配るより、狭いエリアに厚く配るほうが認知度が高まり、反応率も上がります。

1回配っただけで諦めてしまう

チラシ集客の効果は、1回の配布だけでは判断できません。継続的な配布が成果につながります。典型的な失敗例は、3,000枚配って問い合わせゼロで中止してしまうケース。

1回の配布で成果が出ないと判断し、すぐに他の集客方法に切り替えてしまいます。チラシは認知を積み重ねるメディアであり、即効性を期待しすぎると失敗します。

諦めずに同じエリアに1ヶ月おきに3回配布することで、認知度が段階的に高まり、1回目で存在を知り、2回目で興味を持ち、3回目で行動する、という保護者の心理変化を促せます。

問い合わせ後の対応が遅くて機会損失

チラシから問い合わせがあっても、その後の対応次第で入塾に至らないケースがあります。よくある失敗例は、電話に出られず折り返しが翌日になってしまうこと。

授業中で電話に出られず、留守番電話にもならず、翌日折り返したときには他の塾に決まっていた。保護者は複数の塾に同時に問い合わせているため、対応が遅れると機会を失います。

機会損失をしないよう受付専用のスタッフを配置するか、留守番電話に「30分以内に折り返します」といった具体的なメッセージを設定しましょう。問い合わせから体験授業までは3日以内を目標に、「明日でも体験できます」といった柔軟な対応が入塾率を左右します。

効果測定をせず改善活動をしていない

チラシの効果を測定せず、漠然と配布を続けている塾も少なくありません。典型的な失敗例は、何枚配って何件問い合わせがあったか不明な状態。

配布枚数も問い合わせ数も正確に把握していないため、費用対効果がわからず、改善のしようがない状態です。

「なんとなく効果がない気がする」という感覚だけで判断してしまいます。

例えばキャンペーンコードなどのコードを記載し問い合わせ時に確認したり、口頭で「何を見て問い合わせしてくれたか」確認したりすることで、どのチラシから反応があったかを把握でき、A/Bテストで改善を繰り返すことで反応率は確実に向上します。

集客後の業務効率化も忘れずに

集客に力を入れるだけでなく、業務のシステム化を進めていくことも大切です。システム化によって、従来は手作業で行っていた業務も簡単な操作で行えるため、業務の効率化につながります。

時間を有効活用でき、生徒とのコミュニケーションや教材研究、校舎管理といったより重要な業務に時間を割けるようになります。

システム化の第一歩として、入退室管理システムの導入がおすすめです。「ビヨンド入退くん」なら、生徒の入室・退室が自動で保護者に通知されるため、電話対応の手間が減ったと好評です。講師の勤怠もこれ一つで完結し、データ集計もあっというまにできるため、業務効率化にピッタリです。

やはり機能がシンプルなためか料金も安く、経営の負担もグっと減りました。以前使用していたシステムはオプションが多く、システムとして重たかったので、それと比較するとシンプル設計な「ビヨンド入退くん」はとても使いやすいです。

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